合同会社と株式会社どっち?費用・手間・取引条件を比較
法定費用、定款認証、公告・役員任期、取引先の条件から選択項目を整理します。
2026年時点の制度合同会社と株式会社は、設立登記、定款認証、機関設計、公告等が異なります。「信用が高い会社形態」を一般化せず、取引先・許認可・資金調達で実際に求められる条件を確認して選びます。
設立費用の違い
法定費用と、専門家報酬・証明書取得等の任意費用を分けて見積もります。
| 項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 設立登記の登録免許税 | 資本金×0.7%(最低6万円) | 資本金×0.7%(最低15万円) |
| 定款認証 | 不要 | 必要。資本金等に応じ3万・4万・5万円。一定の小規模・単純な設立は1万5,000円 |
| 紙定款の印紙税 | 課税対象となる原本は4万円。電子定款は紙の課税文書を作成しない | |
| 別途確認する費用 | 証明書、印鑑、電子署名環境、専門家への作成・申請依頼等 | |
株式会社の1万5,000円の認証手数料は、資本金100万円未満、発起人全員が自然人で3人以下、発起人が設立時発行株式を全部引き受け、取締役会を置かない等の全条件を満たす場合です。会社形態ごとの固定総額ではなく、自社に該当する行を合計します。
ランニングコスト・手間の違い
- 決算公告:株式会社には毎年の決算公告の義務があり、官報掲載などの費用がかかります。合同会社には決算公告の義務がありません。
- 役員等の任期:株式会社の取締役は原則2年で、非公開会社は定款により最長10年まで伸長できます。任期満了後も再任するなら変更登記が必要です。合同会社の業務執行社員には同じ法定任期はありませんが、社員・代表社員等の変更時には登記を確認します。
取引条件・名称の確認
法人形態だけで信用度の優劣を示す公的な共通指標はありません。取引先の審査、入札・許認可、金融機関、採用媒体等に株式会社限定の条件があるかを、申込要領や担当窓口で事前に確認します。
帝国データバンクの調査によれば、2025年の新設法人数は15万6,525社で集計可能な2000年以降最多(前年比1.8%増)でした。このうち合同会社は4万4,998社(前年比6.8%増)で同じく2000年以降最多となった一方、株式会社は10万591社で2023年をピークに2年連続の減少です。実数の推移であり、法人形態の優劣や推奨を示すものではありません。
外部資本を受け入れる予定がある場合は、株式会社の株式発行・譲渡と、合同会社の持分・社員加入・同意要件の違いを専門家と確認します。「将来資金調達するから株式会社」とだけ決めず、想定する出資者と方法を具体化します。
税金は同じ
法人税・法人住民税・法人事業税は、合同会社か株式会社かだけで税率を選ぶ制度ではありません。資本金、所得、所在地等の課税要件は別に確認し、会社形態は設立・運営・出資・取引条件から選びます。
どちらを選ぶか
| 確認する状況 | 確認先・資料 |
|---|---|
| 初期費用を比べたい | 資本金、定款形式、認証手数料の減額条件、依頼費を個別に見積もる |
| 特定の取引・入札・許認可がある | 募集要領、取引先・行政の担当窓口で法人形態条件を確認する |
| 外部出資・共同経営を予定 | 出資者、議決方法、持分・株式移転、機関設計を司法書士・弁護士等と確認する |
| 少人数で長く維持する | 公告、任期、変更登記、意思決定方法の継続負担を比較する |
個人事業で取得した許認可(建設業許可・飲食店営業許可・古物商許可など)が法人成りで引き継げるかは、会社形態にかかわらず別途確認が必要です。詳しくは個人事業の許認可は法人成りで引き継げるかを参照してください。