法人成りを決めたら、次は「合同会社か株式会社か」です。税金は会社形態で変わらないため、判断のポイントは費用・手間・信用力になります。とくにマイクロ法人では、安く小さく運営できる合同会社が選ばれることが多いです。
設立費用の違い
設立時の法定費用は合同会社の方が大幅に安く済みます。
| 項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税(最低) | 6万円 | 15万円 |
| 定款認証 | 不要 | 1.5〜5万円 |
| 定款の収入印紙 | 電子定款なら不要(紙は4万円) | |
| 法定費用の目安 | 6〜10万円 | 約17〜24万円 |
株式会社は登録免許税が最低15万円に加え、公証役場での定款認証が必要です。合同会社は定款認証が不要なため、その分安くなります。なお令和6年12月から、資本金100万円未満で発起人が自然人1〜3人・取締役会を置かない小規模な株式会社の定款認証手数料は1万5,000円に引き下げられました(多くのひとりマイクロ法人が該当し、その場合は法定費用も目安より安くなります)。
ランニングコスト・手間の違い
- 決算公告:株式会社には毎年の決算公告の義務があり、官報掲載などの費用がかかります。合同会社には決算公告の義務がありません。
- 役員の任期:株式会社の役員任期は最長10年で、任期満了のたびに再任の登記(登録免許税)が必要です。合同会社には役員の任期がなく、この手間と費用がかかりません。
つまり:合同会社は設立も維持も安く、登記の手間も少ない。小さく運営するマイクロ法人と相性が良い形態です。
信用力の違い
株式会社は決算公告など法律上の規制が多い分、社会的な信用度は合同会社より高い傾向があります。取引先や採用、資金調達で「株式会社であること」が効く場面では、株式会社が有利です。一方、対個人の事業や、信用力が取引に大きく影響しない事業では、合同会社でも実務上の支障は少ないのが一般的です。
税金は同じ
法人税・法人住民税・法人事業税などの税金は、合同会社でも株式会社でも基本的に同じルールです。会社形態によって税率が変わるわけではありません。したがって「税金で得な会社形態」というものはなく、判断は費用・手間・信用で行うことになります。
どちらを選ぶか
- 合同会社が向く:初期費用やランニングコストを抑えたい、ひとり・少人数で小さく運営する、信用力が取引に大きく影響しない(マイクロ法人など)
- 株式会社が向く:対外的な信用を重視する、将来的に出資による資金調達や事業拡大を考えている、株式会社であることが取引・採用で効く