法人成りで消費税は2年免税?新設法人の判定条件
設立1期目・2期目の納税義務を、資本金、支配関係、特定期間、届出・登録に分けて整理します。
2026年時点の制度新設法人は設立1期目・2期目に基準期間がありませんが、それだけで免税とは決まりません。各期の期首資本金、特定新規設立法人、2期目の特定期間、インボイス登録、課税事業者の選択等を順に確認します。
基準期間がない期の考え方
消費税の納税義務は、原則として基準期間(1年決算法人では前々事業年度)の課税売上高で判定します。新設法人の設立1期目・2期目には通常この基準期間がないため、基準期間以外の免除不可要件に当たるかを各期ごとに判定します。
個人事業者と設立法人は別の事業者として判定しますが、「法人を新設すれば自動的に免税へ戻る」という意味ではありません。合併・分割による承継等には別の特例もあります。
1期目・2期目の判定順序
「2年免税」ではなく、次の条件を設立1期目と2期目で別々に確認します。
| 確認項目 | 設立1期目 | 設立2期目 |
|---|---|---|
| 期首の資本金・出資金 | 1,000万円以上なら課税 | 2期目の期首に再判定 |
| 特定新規設立法人 | 該当すれば免除なし | 期首の現況で再判定 |
| 特定期間 | 通常は前事業年度なし | 原則、前事業年度開始後6か月で判定 |
| インボイス・課税選択 | 登録・選択等があれば免除なし | 同左 |
特定新規設立法人:資本金1,000万円未満でも、他の者に株式等の50%超を直接・間接に保有される等の特定要件と、その判定対象者の基準期間相当期間における課税売上高5億円超等の要件を満たす場合は、納税義務が免除されません。2024年10月1日以後に開始する課税期間は、判定対象者の収益合計50億円超も判定に加わっています。
2期目の特定期間:国内事業者は、特定期間の課税売上高1,000万円超の判定に代えて、給与等支払額の合計額で判定できます。前事業年度が1年未満なら特定期間が異なる場合があり、前事業年度が7か月以下なら特定期間がないケースがあります。これは決算期と設立日の結果であり、他の要件まで消えるわけではありません(個人事業者の特定期間の判定は別の記事で解説しています)。
インボイス登録・課税選択
適格請求書発行事業者の登録を受けている間は、基準期間の売上高にかかわらず納税義務は免除されません。免税事業者が課税期間の途中で登録した場合は、登録日からその課税期間末日までの課税取引が申告対象です。登録するかどうかの判断基準はインボイス制度と法人成りで整理しています。
インボイス登録とは別に、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者を選択している場合も免除されません。設備投資の仕入税額控除を考える場合を含め、選択後の拘束期間や固定資産取得による制限まで確認が必要です。
設立時期だけで決めない
個人事業の売上が1,000万円を超える時期だけで、法人の免税期間や法人化時期を決めることはできません。設立日と決算日、各期首の資本金・支配関係、初期6か月の売上・給与、登録・届出、設備投資、取引先が求める請求書を同じ時系列に置いて確認します。
消費税の納税義務と、個人本人・法人側の限定比較は別の判定です。消費税試算では、年間課税売上高と計算方式を入れて納税額の概算差を確認できます。
インボイスに登録すべきかどうかの判断はインボイスは登録すべき?で整理しています。
まとめ
新設法人の消費税は、設立1期目と2期目を各期の条件で判定します。資本金1,000万円未満は条件の一つにすぎず、特定新規設立法人、特定期間、インボイス登録、課税選択、組織再編等も確認します。