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個人事業主の経費はどこまで?必要経費の考え方と家事按分のしかた

必要経費として認められる範囲の考え方と、自宅家賃・光熱費などの家事按分、経費にできないものを整理します。

国税庁の考え方にもとづく
編集:法人成りシミュレーション編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

経費を正しく計上すると事業所得が下がり、所得税・住民税だけでなく国民健康保険料も下がります。とはいえ「どこまで経費にしていいのか」は迷うところ。国税庁が示す必要経費の考え方を押さえれば、判断の軸ができます。基本のルールと、自宅兼事務所などの家事按分のしかたを整理します。

必要経費の基本

国税庁によると、必要経費になるのは次の2つです。

  • ①売上原価など:総収入金額を得るために直接かかった費用(仕入れなど)。
  • ②業務上の費用:その年に生じた販売費・一般管理費その他、業務に必要な費用。

判断の軸は「事業との関連性」です。その支出が売上を得るため・業務のために必要だったと説明できるかどうかが基準になります。なお、その年の必要経費になるのは、その年の12月31日までに債務が確定した金額です(支払い済みでも翌年分の前払いは当年の経費になりません)。

よくある経費の例

業務に必要であれば、たとえば次のような支出が経費になります(事業内容により異なります)。

  • 仕入れ・外注費・材料費
  • 事務所の家賃、水道光熱費(自宅兼用なら按分)
  • 通信費(インターネット・携帯電話)、サーバー・ソフトの利用料
  • 消耗品費、パソコンなどの備品(高額なものは減価償却)
  • 旅費交通費、打ち合わせの会議費
  • 広告宣伝費、書籍・研修などの研究費
  • 事業用の損害保険料、税理士などへの報酬

家事按分のしかた

自宅を事務所にしている場合の家賃や、仕事とプライベート兼用の電気・通信費などは、事業と私用が混ざった「家事関連費」です。これらは、業務に使う部分を取引の記録などで明らかに区分できる場合に、その部分だけを経費にできます(家事按分)。

按分の例:家賃なら「仕事に使う部屋の床面積 ÷ 全体の床面積」、通信費なら「仕事に使う時間の割合」など、合理的な基準で割合を決めます。業務に必要な部分が支出の50%を超えるかどうかが一つの目安ですが、50%以下でも明らかに区分できれば、その部分を経費にできます。割合の根拠(間取り図・使用記録など)を残しておくことが大切です。

経費にできないもの

  • 私生活の費用(家事費):事業と関係のない食費・衣類・娯楽などは経費になりません。
  • 所得税・住民税:これらの税金は経費になりません(一方、個人事業税や、事業用資産の固定資産税などは経費になります)。
  • 生計を一にする家族への地代家賃など:同じ家計の配偶者や親族に支払う家賃・給与(青色事業専従者給与を除く)などは、原則として経費になりません。

記帳と領収書の保管

経費にするには、いつ・何のために・いくら使ったかを記帳し、領収書やレシート、請求書などの証ひょうを保管しておく必要があります。とくに青色申告の55万円控除は複式簿記での記帳が条件で、65万円控除にはさらにe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存が必要です。日々の記録を残しておくことが、経費を正しく計上する前提になります。

まとめ

  • 必要経費は「売上を得るため直接かかった費用」と「業務上の費用」。判断の軸は事業との関連性。
  • 自宅家賃・光熱費・通信費などは、業務に使う部分を明らかに区分できれば家事按分で経費にできる。
  • 私生活の費用・所得税や住民税・生計を一にする家族への地代家賃などは経費にならない。
  • 記帳と領収書の保管が前提。青色申告の65万円控除は、複式簿記に加えてe-Taxまたは電子帳簿保存が必要。

経費を引いた事業利益で、税金・社会保険料がいくらになるかは確定申告の税額試算で確認できます。青色申告にすると経費に加えて65万円の控除も使えます。

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