個人事業税は、すべての事業にかかるわけではありません。法律で定められた「法定70業種」に該当する事業だけが対象です。エンジニアやライターのように、ここに該当せず原則非課税になる職種もあります。仕組みと代表例を整理します。
個人事業税の仕組み
個人事業税は、法律で定められた法定70業種に該当する事業に課される地方税です。逆に言えば、この70業種に当てはまらない事業は原則として課税されません。また、所得から一律290万円の事業主控除が引かれるため、事業所得が290万円以下なら(課税業種であっても)納税は不要です。事業期間が1年未満の場合は控除額が月割りで減額されます。
税率の3区分
法定70業種は3つの区分に分かれ、税率が異なります。70業種のうち65業種は5%です。
| 区分 | 税率 | 主な業種 |
|---|---|---|
| 第1種事業 | 5% | 物品販売業・請負業・飲食店業・不動産貸付業 など(多数) |
| 第2種事業 | 4% | 畜産業・水産業・薪炭製造業 |
| 第3種事業 | 5% | 医業・弁護士業・税理士業・デザイン業・美容業 など(あん摩・はり・きゅう等の医業に類する事業と装蹄師業のみ3%) |
かからない業種の代表例
次の職種は法定70業種に明確に該当しないため、原則として個人事業税が非課税とされるケースが多い職種です。
- システムエンジニア・プログラマー:法定業種に明確な記載がなく、原則非課税とされることが多い
- ライター・文筆業(作家・脚本家など):原稿料・印税は個人事業税の対象外
- 画家などの芸術活動:原則非課税(ただし内容によってはデザイン業と判断される場合あり)
当サイトの試算でも反映:フリーランスエンジニアのケース別ページは、個人事業税を非課税(0%)として計算しています。エンジニア・年商800万円の試算も参照してください。
かかる業種の代表例
一方、次のような職種は法定業種に該当し、原則として課税対象(多くは5%)です。
- コンサルタント業
- デザイン業(グラフィック・Webデザインなど)
- 美容業・理容業
- 物品販売業・飲食店業・請負業 など
判断が難しいケース
同じエンジニアでも、契約や実態によって判定が変わることがあります。たとえば、納期までに具体的な成果物を納める「請負」としての実態が強いと、第1種事業の「請負業」(5%)として課税対象になる場合があります。業務委託・準委任で働くIT業種は基本的に非課税とされる一方、成果物の完成を求められる契約形態では課税される可能性があるということです。判断に迷う場合は、お住まいの都道府県の税務事務所に確認するのが確実です。