個人事業税がかからない業種は?エンジニア・ライターの判定
法定70業種・税率区分・290万円控除から、職種名では決まらない課税判定を整理します。
2026年時点の制度個人事業税は、すべての事業にかかるわけではありません。法律で定められた「法定70業種」に該当する事業だけが対象です。
エンジニアやライターは法定業種の名称として直接列挙されていませんが、それだけで非課税とは決まりません。契約と実際の業務が請負業・コンサルタント業・デザイン業などに当たるかを確認します。
個人事業税の仕組み
個人事業税は、法律で定められた法定70業種に該当する事業に課される地方税です。逆に言えば、この70業種に当てはまらない事業は原則として課税されません。
個人事業税の所得計算では青色申告特別控除を適用せず、所得税の事業所得へ控除額を加算するなどの調整後に、年290万円の事業主控除を差し引きます。所得税の確定申告書にある事業所得が290万円以下というだけでは、納税不要とは断定できません。事業期間が1年未満の場合は事業主控除も月割りです。
課税対象と分かった場合の納付時期・計算例は個人事業税はいつ・いくら払う?を参照してください。
税率の3区分
法定70業種は3つの区分に分かれ、税率が異なります。70業種のうち65業種は5%です。
| 区分 | 税率 | 主な業種 |
|---|---|---|
| 第1種事業 | 5% | 物品販売業・請負業・飲食店業・不動産貸付業 など(多数) |
| 第2種事業 | 4% | 畜産業・水産業・薪炭製造業 |
| 第3種事業 | 5% | 医業・弁護士業・税理士業・デザイン業・美容業 など(あん摩・はり・きゅう等の医業に類する事業と装蹄師業のみ3%) |
かからない業種の代表例
次の職種名は法定70業種の名称として直接は列挙されていません。ただし、名称ではなく契約・業務実態を法定業種へ当てはめるため、個別に非課税が保証される一覧ではありません。
- システムエンジニア・プログラマー:職種名は直接列挙されていないが、完成責任を負う受託開発なら請負業、助言業務ならコンサルタント業に該当し得る
- ライター・文筆業:職種名は直接列挙されていないが、広告・出版など別の法定業種に当たる事業を併せて行う場合は切り分けが必要
- 画家などの芸術活動:職種名は直接列挙されていないが、制作内容や契約によってデザイン業・請負業などに当たる可能性がある
かかる業種の代表例
一方、次のような職種は法定業種に該当し、原則として課税対象(多くは5%)です。
- コンサルタント業
- デザイン業(グラフィック・Webデザインなど)
- 美容業・理容業
- 物品販売業・飲食店業・請負業 など
判断が難しいケース
同じエンジニアでも、契約や実態によって判定が変わります。神奈川県の公式説明では、請負業は、仕事の完成を目的とする契約、資本的経営、計画・遂行の独立性、危険負担の4要件をすべて満たす場合に課税対象としています。
契約書の「業務委託」「準委任」「請負」という表題だけで、課税・非課税は決まりません。仕事内容、完成責任、独立性、危険負担を整理し、最終的には住所地を管轄する都道府県の税務事務所へ確認します。