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法人の決算・申告の流れと費用|申告する税金と期限

法人成り後に毎年必要になる決算・申告の流れと、申告する税金・期限・費用を整理します。

2026年時点の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

法人成りすると、毎年「決算」と「申告」が必要になります。個人の確定申告より手続きが複雑で、税理士に依頼するのが一般的です。全体の流れと、申告する税金・期限・費用を押さえておきましょう。

決算・申告の流れ

大きくは「事業年度を締める→決算書を作る→申告書を作って提出・納付する」という流れです。

期末に従業員へ賞与を払う予定がある場合は、損金にできる条件が決算の前に決まります。決算賞与の3要件を先に確認しておくと、期末の準備が漏れません。

  1. 事業年度の締め:1年間の取引を帳簿にまとめ、売上・経費・利益を確定します。
  2. 決算書の作成:貸借対照表・損益計算書などの決算書を作成します。
  3. 申告・納付:決算をもとに各税金の申告書を作成し、税務署・都道府県・市区町村に提出して納税します。

株式会社の場合は、これとは別に会社法上の決算公告(定時株主総会の終結後に貸借対照表を公告する手続き)も必要です。合同会社にはこの義務がありません。

申告する税金

法人が決算で申告・納付するおもな税金は次のとおりです。

  • 法人税・地方法人税・防衛特別法人税:法人の利益(所得)などを基礎に計算する国税。防衛特別法人税は2026年4月1日以後に開始する事業年度から申告対象になります。
  • 法人事業税・特別法人事業税:都道府県に納める税。
  • 法人住民税:都道府県・市区町村に納める税。赤字でも均等割があり、東京23区内だけに事務所等がある資本金等1,000万円以下・従業者50人以下などの区分では年7万円です。事業を休止しても原則としてこの均等割は発生し続けるため、休眠会社の扱いは会社を休眠させる方法|解散・清算との違いとみなし解散のリスクで確認してください。
  • 消費税:課税事業者の場合に申告・納付します(免税事業者は対象外)。

これらの税金がどのくらいになるか、法人成りで手取りがどう変わるかは、シミュレーターで試算できます。

決算が赤字(欠損金)になった場合は、前期に納めた法人税の一部を取り戻せる制度があります。詳しくは欠損金の繰戻しによる還付で解説しています。

事業年度が6か月を超える法人は、決算の約半年後に中間申告が必要になる場合があります。対象と計算式は法人税の中間申告(予定申告・仮決算)で整理しています。

申告・納付の期限

法人税などの申告・納付は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。たとえば3月決算の会社なら、原則5月末が期限になります。期限を過ぎると加算税・延滞税の対象になるため、決算月から逆算してスケジュールを組むことが大切です。申告した事業年度の帳簿書類は、この提出期限の翌日から数えて保存します(期間は法人の帳簿書類の保存期間)。

ポイント:決算月(事業年度)は自由に設定できます。繁忙期を避ける、消費税の免税期間を活かすなど、決算月の決め方も法人化の検討事項のひとつです。設立後に決算月を変更する場合の手続きは、「法人の決算期変更、定款・異動届の手続き」で整理しています。

費用の目安

法人の決算・申告は個人の確定申告より複雑なため、税理士に依頼するのが一般的です。顧問契約と決算申告をあわせて依頼する形が多く、費用は事業規模や依頼範囲によって変わります。シミュレーターの「会社員の副業」モードでは、この法人の維持費(税理士費用など)を入力して手取りに反映できます。

一人法人で税理士に頼まず申告する場合の書類・提出先・期限

代表者1人だけの法人(マイクロ法人)でも、決算・申告の義務は従業員のいる法人と同じです。自分で申告する場合に必要なものを整理します。電子申告で出すなら、事前にe-Taxの開始届出書とeLTAXの利用届出が必要です(法人のe-Tax・eLTAX利用開始)。

税目提出する書類提出先期限
法人税・地方法人税確定申告書。貸借対照表・損益計算書などを添付(法人税法第74条第1項・第3項)。国税庁は財務諸表や勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書の様式も案内納税地を所管する税務署事業年度終了の日の翌日から2か月以内
法人事業税・法人都民税(東京23区内)都の申告書(市町村民税相当分も都民税としてあわせて申告)所管の都税事務所原則、事業年度終了後2か月以内
法人住民税(東京の市町村にある法人)都民税と市町村民税をそれぞれ申告都税事務所(支所)・支庁と、市役所・町村役場原則、事業年度終了後2か月以内

ほかの道府県の法人は、事務所のある都道府県・市区町村の案内で確認してください。消費税の課税事業者は、消費税の申告も必要です。

自分で申告することは可能:税理士法第52条が制限しているのは、税理士または税理士法人でない者が税理士業務(他人の依頼を受けて行う税務書類の作成・税務代理など)を行うことです。代表者が自分の法人の申告書を作って提出すること自体は、この制限の対象になる他人の依頼にはあたりません。

税理士に頼むかどうかで変わるのは、決算書・申告書を誰が作るか、税務署や都税事務所とのやり取りを誰が担当するかです。期限と提出義務は変わらず、期限に遅れると加算税・延滞税の対象になります。税理士報酬の相場は、一次資料で確認できる数字がないため、この記事では取り上げていません。

社会保険や役員報酬を含めた一人法人の維持費は、マイクロ法人の社会保険を参照してください。個人事業との違いは、個人事業と法人の違いも確認できます。

個人の確定申告との違い

個人事業主の確定申告は会計ソフトを使えば自分で行うことも可能ですが、法人の決算・申告は作成する書類が多く、税務の判断も増えるため、専門家に任せるのが現実的です。この事務負担と費用は、法人成りのデメリットのひとつとして、手取りの増加分と比較して判断する必要があります。▶ 法人成りのデメリット・注意点

よくある質問

法人の決算・申告の期限はいつですか?
法人税などの申告・納付は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。たとえば3月決算なら原則5月末が期限です。期限を過ぎると加算税・延滞税の対象になります。
法人はどんな税金を申告しますか?
法人税・地方法人税・防衛特別法人税(国税)、法人事業税・特別法人事業税(都道府県)、法人住民税(都道府県・市区町村)、課税事業者の場合は消費税を申告・納付します。
法人の決算は自分でできますか?
作成する書類が多く税務の判断も増えるため、税理士に依頼するのが一般的です。この事務負担と費用は法人成りのデメリットのひとつで、手取りの増加分と比較して判断します。
マイクロ法人の申告は自分でできますか?
できます。税理士法第52条が制限するのは、税理士でない者が他人の依頼を受けて行う税理士業務で、代表者本人が自分の法人の申告書を作って提出することは制限されていません。法人税・地方法人税は税務署、法人事業税・法人住民税は都道府県・市区町村へ、原則として事業年度終了後2か月以内に申告します。

公式一次情報

維持費まで含めて手取りを試算する

税理士費用などの維持費を入れて、法人成りで本当に手取りが増えるかを確認できます。

本記事について。税理士監修前のプロトタイプによる概説です。申告期限や手続きは法人の種類・状況により異なる場合があります。実際の判断は税理士にご相談ください。出典:国税庁ほか。