法人成りは手取りが増える一方で、個人事業主にはなかったコストや手間、リスクも生まれます。「思ったより手元に残らない」「後から後悔した」とならないよう、デメリットを正直に整理します。
設立・維持のコスト
会社の設立には法定費用がかかります。合同会社で6〜10万円、株式会社で約24万円が目安です(合同会社と株式会社の違いを参照)。個人事業主の開業届は無料なので、ここはまず増えるコストです。
赤字でもかかる均等割
法人住民税には「均等割」があり、赤字でも東京23区で最低7万円を毎年負担します。利益が出ていなくても発生するため、事業が小さいうちは重く感じる固定費です。
社会保険の会社負担
役員報酬を出すと社会保険に加入義務が生じ、保険料は会社と本人で折半します。つまり会社負担分が新たに発生します。社会保険料を抑える設計(低めの役員報酬)はできますが、ゼロにできるのは本業など他に加入先がある場合に限られます。
事務負担と税理士費用
法人の決算・申告は個人の確定申告より複雑で、多くの場合、税理士への依頼が必要になります。記帳や社会保険の手続きも増えるため、事務負担と顧問料が継続的にかかります。
お金を自由に使えない
法人のお金は会社のものであり、個人の財布とは分かれます。個人で使うには役員報酬か配当として受け取る必要があり、その受け取りにも課税されます。法人に利益を残す(内部留保する)と、出口(役員退職金・配当など)で改めて課税される点も理解しておく必要があります。
実態要件・否認リスク
「マイクロ法人で社会保険を最小化する」「事業を個人と法人に分ける」といったスキームは、実態が伴わないと税務上問題になり得ます。形だけの事業分散や、不自然な報酬設定は、否認されたり指摘を受けたりするリスクがあります。節税は制度の範囲内で、実態を伴って行うことが前提です。
デメリットを踏まえた判断
これらのコスト(均等割・社保会社負担・税理士費用など)を差し引いても手取りが増えるかどうかが、法人成りの判断の核心です。当サイトのシミュレーターは均等割や社会保険料も織り込んで計算しているので、デメリットを含めた手取りで比較できます。