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会社設立(法人成り)の手順と設立後の届出一覧

定款作成・設立登記から、設立後の税務署・年金事務所・自治体への届出まで、様式名・提出先・期限を整理します。

2026年時点の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

法人化の手続きは「会社をつくる(設立登記)」と「設立後に各役所へ届け出る」の2段階です。届出には期限があり、出し忘れると不利になるものもあります。全体の流れと、主な必要書類・期限を整理します。

全体の流れ

  1. 定款を作成する(会社のルールを定める)
  2. 法務局へ設立登記を申請する(原則、受付日が会社の設立日)
  3. 設立後、税務署・都道府県・市区町村・年金事務所へ届け出る

設立登記まで

定款を作成し、株式会社の場合は公証役場で認証を受けます(合同会社は認証不要)。その後、法務局で設立登記を申請します。定款には本店所在地も記載するため、自宅にするかバーチャルオフィスにするかは本店所在地を決める前の注意点を先に確認しておくと変更登記の手間を避けられます。

設立後に事業が育ってから本店を移す場合の登記期限・費用・決議方法は本店移転登記とはで解説しています。

定款には商号(会社名)も記載するため、使える文字や類似商号調査の要否は商号の決め方を先に確認しておくとスムーズです。

株式会社の代表取締役の自宅住所が登記事項証明書に出る点については、令和6年10月から、一定の要件で市区町村までの表示にする申出ができる制度があります。要件と注意点は代表取締役等住所非表示措置で整理しています。

定款の「目的」の書き方と、設立後に目的を変えるときの手続きは定款の事業目的の書き方で整理しています。

原則として、法務局が設立登記申請を受け付けた日が会社の設立日になります。2026年2月2日からは、一定の要件を満たす場合に、直後の行政機関の休日を指定登記日とする特例もあります。会社形態の選び方は合同会社と株式会社の違いを参照してください。

電子定款の認証スピードも変わりました。株式会社の定款認証は、令和6年1月の東京・福岡での試行を経て、令和7年3月3日から全国の公証役場で原則48時間以内の迅速処理になっています。面前審査も、希望がなければウェブ会議が原則です。

設立登記を司法書士に依頼すると、発起人2名・資本金500万円の株式会社の発起設立で、全国平均10万7,887円の代行報酬が目安です(有効回答932件)。自分で申請すれば、この報酬はかかりません。

設立登記の申請時には実印などの印鑑も必要です。実印・銀行印・角印の使い分けと届出の任意化の範囲は法人の印鑑の準備で解説しています。

資本金の額は登記の必須事項ですが、いくらに置くかで消費税の納税義務・登録免許税・許認可の可否・法人住民税の均等割が変わります。判断軸は法人設立時の資本金の決め方で整理しています。登録免許税は自治体の特定創業支援等事業の証明を受けると軽減できる場合があり、条件は登録免許税を半額にする条件と手順で整理しています。

設立にかかった費用の経理(創立費・開業費)は、法人の創立費・開業費の経理処理で整理しています。

屋号や商品名を商標登録している、あるいは特許を持っている場合は、会社の設立登記だけでは権利者が個人のままになる点に注意してください。詳しくは商標権・特許権の移転登録に必要な書類と登録免許税を参照してください。

設立後の届出(税務署)

会社を設立したら、税務署へ次の書類を提出します。様式名・提出先・期限を一覧にしました。

様式名提出先提出期限
法人設立届出書(定款等の写しを添付)納税地の所轄税務署長設立の日(設立登記の日)以後2か月以内
青色申告の承認申請書納税地の所轄税務署長設立後3か月を経過した日と第1期末のいずれか早い日の前日まで
給与支払事務所等の開設届出書給与を支払う事務所等の所在地を所轄する税務署長開設の日から1か月以内

いずれもe-Taxでも書面でも提出できます。様式は国税庁の「税務手続の案内」からダウンロードできます。e-Taxを使うには別に開始届出書が必要です(法人のe-Tax・eLTAX利用開始)。

青色申告の申請は忘れずに:青色申告にすると欠損金の繰越(最大10年)などの優遇が受けられます。期限を過ぎると初年度は適用できないため、設立後すぐに提出するのが安全です。都道府県・市区町村にも法人設立届出書を提出します。

設立後、毎年繰り返す決算・申告の流れと費用は法人の決算・申告で整理しています。給与から源泉徴収した所得税は原則毎月納付しますが、給与の支給人員が常時10人未満なら年2回にまとめられる制度もあります。詳しくは源泉所得税の納期の特例を参照してください。

設立後の届出(年金事務所・自治体)

法人は、社長1人だけでも社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が原則義務です。年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」などを提出します。提出期限は事実発生から5日以内と短いため、設立後すぐの対応が必要です。

様式名提出先提出期限
健康保険・厚生年金保険 新規適用届(法人登記簿謄本などを添付)事務センターまたは管轄の年金事務所(実際に事業を行う所在地の管轄)事実発生から5日以内
法人設立届出書(地方税)都道府県と市区町村提出先の自治体の案内で確認

新規適用届は電子申請・郵送・窓口持参のいずれでも提出できます。同時に出す書類は日本年金機構の「新規加入に必要な書類一覧」で確認してください。

法人設立届出書(地方税)の提出先・期限・添付書類は法人成りで都道府県・市区町村へ出す届出で確認できます。

個人事業側の全喪届とあわせた書き方は法人成りの社会保険 全喪届・新規適用届で解説しています。

従業員を雇っている個人事業から法人成りする場合は、労働保険(労災・雇用保険)の手続きも別途必要です。詳しくは従業員がいる法人成りの労働保険手続きを参照してください。加入後は毎年労働保険の年度更新が発生する点もあわせて確認しておきましょう。

従業員を雇うと、原則として住民税の特別徴収義務者にもなります。給与から住民税を天引きして納める仕組みで、給与支払報告書の提出とセットで確認が必要です。

事業用資産の移し方は個人事業から法人への資産引継ぎ、事務所の電気・ガス・水道・通信回線・駐車場の契約名義変更は法人成り時の公共料金・通信回線・駐車場契約の名義変更で解説しています。

個人事業の口座は法人名義に書き換えず、法人口座を新しく開設します。銀行の公式案内と必要書類は、「法人成りで個人の事業用口座はどうなるか」を参照してください。

いつ法人化するか

設立日は手続きだけでなく、消費税の基準期間・特定期間、役員給与の決議と支給日程、決算準備から逆算します。消費税の免税要件と、個人本人・法人側の限定比較は別々に確認してください。個人事業を廃業して法人一本にする場合は、廃業届などの手続きもあわせて必要です。

判断の軸は法人成りのタイミングを判断する4つの軸で整理しています。

よくある質問

法人設立後、税務署にいつまでに届け出ますか?
法人設立届出書は設立の日から2か月以内、給与支払事務所等の開設届出書は開設から1か月以内に提出します。青色申告の承認申請書は、設立後3か月を経過した日と第1期末のいずれか早い日の前日までが期限です。
社長1人の会社でも社会保険に入りますか?
はい。法人は社長1人(役員報酬がある場合)でも健康保険・厚生年金への加入が原則義務です。年金事務所へ新規適用届を、事実発生から5日以内に提出します。

設立後に税務署へ出す届出書の期限と書き方は法人設立届出書(税務署)の期限・添付書類、青色申告の申請は法人の青色申告承認申請書で整理しています。

公式一次情報

手続きの前に、得かどうかを試算する

設立コストや社会保険も織り込んで、法人成りで手取りがどう変わるかを確認できます。

本記事について。税理士監修前のプロトタイプによる概算・概説です。手続きの詳細や期限は個別事情・制度改正により異なります。実際の手続きは税理士・司法書士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。出典:国税庁(新設法人の届出書類ほか)。