ガイド

インボイスの登録方法・取りやめ|登録申請と登録番号

適格請求書発行事業者の登録の手順、登録番号、登録の取りやめ方を整理します。

国税庁の制度
編集:法人成りシミュレーション編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

インボイス(適格請求書)を発行するには、税務署に登録して「適格請求書発行事業者」になる必要があります。登録すると課税事業者になるため、登録するかどうかは慎重に判断したいところ。ここでは、登録すると決めた場合の手続きと、やめたくなったときの取りやめ方を整理します。

申請前のチェック

登録=課税事業者:登録すると、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の申告・納税が必要です。取引先がインボイスを必要とするか、登録後の納税額を含めて先に判断します。
  • 取引先が課税事業者で、インボイスの交付を求めているか確認する。
  • 登録によらず課税事業者になるタイミングの基準は消費税はいつから?で確認する。
  • 登録後の消費税概算と取引条件をインボイス登録時の納税額・取引条件で確認する。
  • いつから登録するかを決める。免税事業者が経過措置で登録する場合、登録希望日は申請書の提出日から15日以降の日を指定する。
  • e-Taxなら電子証明書(マイナンバーカードなど)と16桁の利用者識別番号を用意する。

日付例:2026年7月14日に登録申請書を提出する場合、免税事業者が指定できる登録希望日は2026年7月29日以降です。通知を受け取るまでには一定期間かかるため、取引先へ伝える開始日から逆算して申請します。

ありがちな記載ミス:「氏名又は名称」欄には個人事業主の氏名だけを記載します。屋号を書き添える必要はなく、屋号や主たる事務所の所在地を公表サイトに載せたい場合は、登録申請書とは別に「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」の提出が必要です(出典:国税庁インボイス制度Q&A)。

新たに設立された法人の登録時期の特例

法人成りをして新しく会社を設立した場合、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を、その課税期間の末日までに提出すれば、課税期間の初日にさかのぼって登録を受けたものとみなされます。通常の登録手続きでは登録希望日を申請日から15日以降にする必要がありますが、新設法人はこの特例により、設立1期目の期首(会社設立日)から登録があったものとして扱われます。

免税事業者となる新設法人(資本金1,000万円未満等)がこの特例を使う場合、原則は課税事業者選択届出書の提出もあわせて必要ですが、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの課税期間中に登録する場合は経過措置により、この届出書の提出は不要です(登録申請書の提出のみで足ります)。提出期限(課税期間の末日)は土日祝日でも延長されないため、決算期を確認し、設立後できるだけ早く手続きを進めることをおすすめします。

e-Tax・書面で申請

登録するには、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出します。国税庁はe-Taxでの作成・提出を案内しており、書面を郵送する方法も利用できます。

確認項目e-Tax(パソコン)e-Tax(スマホ)書面
作成WEB版の問答形式で入力SP版アプリの問答形式で入力申請書様式を作成
準備電子証明書、利用者識別番号マイナンバーカード、マイナポータルアプリ申請書、本人確認書類の案内を確認
対象者法人・個人事業者個人事業者のみ(国外事業者は対象外)法人・個人事業者
提出先e-Taxで送信e-Taxで送信納税地を管轄するインボイス登録センターへ郵送
電子通知希望するとメッセージボックスの「通知書等」で受領希望するとメッセージボックスの「通知書等」で受領利用不可
登録通知までの期間時期の申請件数により変動(国税庁が随時目安を公表)

スマホでの申請(e-Taxソフト(SP版))は個人事業者のみが対象で、パソコン用のe-Taxソフト(WEB版)と異なり法人・国外事業者は利用できません。マイナンバーカードの読み取りにマイナポータルアプリのインストールが必要です。

登録通知までの期間は固定ではなく、一時期に申請が集中すると通常より時間がかかります。申請書に記載漏れ・誤りがあると確認作業でさらに遅れるため、最新の目安は国税庁「登録通知時期の目安」で確認してください。

  1. 個人事業者・法人、課税事業者・免税事業者など自分の区分を選ぶ。
  2. 免税事業者は、登録希望日を入力する。
  3. 申請内容と通知方法を確認して送信または郵送し、控えを保存する。
  4. 審査後に届く登録通知で、登録日と登録番号を確認する。

登録通知後のチェック

登録番号と公表情報を確認する

登録番号は、「T」+13桁の数字です(法人は法人番号、個人事業主は新たに付番されます)。登録番号は適格請求書の必須記載事項の一つで、適用税率や税率ごとの消費税額等も記載します。

番号が有効かどうかは、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで確認できます。個人事業者が主たる屋号や主たる事務所の所在地も公表したい場合は、登録申請とは別に「公表事項の公表(変更)申出書」を提出します。

請求書と経理を切り替える

  1. 請求書テンプレートに登録番号、適用税率、税率ごとの消費税額等を追加する。
  2. 取引先へ登録番号とインボイス発行の開始日を伝える。
  3. 発行した適格請求書の写しを保存できる運用にする。
  4. 消費税の申告に備え、売上・仕入れを税率と課税区分ごとに記帳する。

請求書の必須項目は適格請求書の書き方、本則・簡易課税・特例ごとの納付額は消費税4方式比較で確認できます。

登録を取りやめる

登録は、後からやめることもできます。「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書(登録取消届出書)」を税務署に提出します。

翌課税期間の初日から登録の効力を失わせるには、その初日から起算して15日前の日までに登録取消届出書の提出が必要です。この日を過ぎると、効力を失うのは翌々課税期間の初日になります。

個人事業者の日付例:課税期間が暦年で、2027年1月1日から取りやめたい場合の提出期限は2026年12月17日です。2026年12月18日以降の提出になると、原則として2028年1月1日まで登録が続きます。

登録を取りやめても、すぐに免税事業者へ戻れるとは限りません。免税事業者が登録した場合は登録日以後2年を経過する日の属する課税期間まで課税事業者となる場合があるため、登録日と課税期間を確認してから提出します。

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。

まとめ

  • 申請前に、登録後の消費税負担と登録希望日を確認する。
  • 登録は「登録申請書」をe-Taxまたは書面で提出し、通知で登録日と番号を確認する。
  • 登録番号は「T」+13桁。公表サイトで有効性を確認できる。
  • 登録後は請求書、取引先への通知、保存・記帳を切り替える。
  • 取りやめは、翌課税期間初日の15日前までに登録取消届出書を提出する。

まだ登録を決めていない場合はインボイス登録の確認項目、登録後の納税概算はインボイス登録時の納税額・取引条件を参照してください。

よくある質問

インボイスはどうやって登録しますか?
「適格請求書発行事業者の登録申請書」を、e-Taxまたは書面で税務署に提出します。登録されると、Tから始まる登録番号が通知されます(出典:国税庁)。
登録番号とは?
適格請求書発行事業者に付けられる番号で、「T」+13桁の数字です(法人は法人番号、個人は新たに付番)。国税庁の公表サイトで有効性を確認できます(出典:国税庁)。
インボイスの登録はやめられますか?
やめられます。「登録の取消しを求める旨の届出書(登録取消届出書)」を提出します。原則として、提出した課税期間の翌課税期間の初めから登録が取り消されます(提出時期により翌々期になる場合があります)(出典:国税庁)。