生命保険や個人年金保険の保険料を払っている個人事業主は、「生命保険料控除」で所得を下げられます。会社員は年末調整で手続きしますが、個人事業主は確定申告で申告します。3つの区分と、新契約の計算方法・上限を整理します。
3つの区分と上限
生命保険料控除には、次の3つの区分があります。
- 一般の生命保険料控除:死亡保険など
- 介護医療保険料控除:医療保険・がん保険など
- 個人年金保険料控除:税制適格の個人年金保険
平成24年1月1日以後に契約した「新契約」では、所得税の控除は各区分とも上限4万円、3区分を合わせた合計の上限は12万円です。なお令和7年度改正で、23歳未満の扶養親族がいる場合は、令和8年・令和9年分に限り、一般生命保険料控除の上限が6万円に引き上げられます(介護医療・個人年金は4万円のまま、3区分合計の上限12万円は変わりません)。
控除額の計算(新契約)
各区分の控除額は、その年に支払った保険料に応じて、次のように計算します(所得税)。
| 年間の支払保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 2万円以下 | 支払保険料の全額 |
| 2万円超 4万円以下 | 支払保険料 × 1/2 + 1万円 |
| 4万円超 8万円以下 | 支払保険料 × 1/4 + 2万円 |
| 8万円超 | 一律4万円 |
区分ごとにこの計算をして合計します(合計の上限は12万円)。たとえば、各区分で年8万円超を払っていれば、それぞれ4万円ずつ、合計で上限の12万円が控除されます。住民税の生命保険料控除は、各区分の上限が2.8万円、合計の上限が7万円です。
旧契約・新旧併用の場合
平成23年12月31日以前に契約した「旧契約」は、旧制度で計算します(各区分の上限5万円、合計の上限10万円)。新契約と旧契約の両方がある場合は、区分ごとに「新契約のみ」「旧契約のみ」「新旧を合算」のどれで計算するかを選べます(合算する区分の上限は4万円)。有利になるように選びます。
申告のしかた
生命保険料控除を受けるには、保険会社から毎年秋ごろに届く「生命保険料控除証明書」をもとに、確定申告書に控除額を記載します。証明書は申告に必要なので、保管しておきましょう。
まとめ
- 生命保険料控除は、一般・介護医療・個人年金の3区分。
- 新契約(平成24年1月以後)は各区分の所得税控除が上限4万円、合計の上限12万円(23歳未満の扶養親族がいる場合、令和8・9年分は一般区分が6万円に拡充)。
- 控除額は支払保険料に応じて計算(8万円超は一律4万円)。住民税は合計上限7万円。
- 確定申告で、生命保険料控除証明書をもとに控除額を記載する。
生命保険料控除などで課税所得が下がると、所得税・住民税がどう変わるかは確定申告の税額試算で利益を入れて確認できます。掛金が全額控除になるiDeCoや小規模企業共済と合わせると、節税の幅が広がります。