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法人成りで雇用保険の事業所番号は変わる?「同一の事業主」認定で引き継げる条件

個人事業のときに使っていた雇用保険の適用事業所番号が、法人化したらどうなるかを解説します。原則と、番号を引き継げる「同一の事業主」認定の仕組みを、ハローワークの公式情報にもとづき整理します。

ハローワークの制度
編集:法人成りシミュレーション編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

個人事業のときに従業員を雇っていた場合、雇用保険の適用事業所番号(11桁)が付与されています。法人成りをすると、原則は事業主が個人から法人という別の人格に変わるため、新しい事業所番号が付与されます。ただし、ハローワークが「同一の事業主」と認めた場合は、新規の番号を取得せず、既存の番号を引き継いだまま名称変更の届出だけで済む扱いがあります。

この記事では、原則の扱いと、番号を引き継げる条件・必要書類を、東京・愛知の各ハローワークが公表している資料にもとづき整理します。労災保険・雇用保険の新規手続き全体については法人成りの労働保険の引継ぎ、法人成り後に代表者・役員が雇用保険の失業給付・育児休業給付金を受けられなくなる点は法人成りと雇用保険の失業給付・育休給付もあわせて確認してください。

原則は「事業主が変わる」ため新しい番号になる

雇用保険の適用事業所番号は、事業主(雇い主)ごとに割り振られます。被保険者が別の事業主のもとへ移る場合、原則は資格喪失・資格取得の手続きが必要で、これは新しい事業所番号が付与されることを意味します。

個人事業主が法人を設立して事業を移す法人成りも、事業主が個人から法人という別の人格に変わる点は、既存記事で整理した労災保険・雇用保険の新規手続きの原則(法人成りの労働保険の引継ぎ)と同じです。原則どおりに進める場合は、個人事業側で雇用保険適用事業所廃止届、法人側で雇用保険適用事業所設置届を提出し、法人には新しい事業所番号が付与されます。

「同一の事業主」と認められれば番号を引き継げる

一方で、東京・愛知の各ハローワークが公表している「同一の事業主と認められる事例」の一覧には、「個人事業主の法人設立」が代表的な事例の一つとして明記されています。要件を満たし、管轄のハローワークから「同一の事業主」と認定を受ければ、事業所を廃止・新設する扱いにはならず、既存の雇用保険適用事業所番号をそのまま使い、「雇用保険事業主事業所各種変更届」(名称変更)を提出するだけで済みます。

ただし、この扱いには限定があります。愛知ハローワークの資料には「個人事業主の法人設立」について「原則として(元の個人事業主と)法人の代表者が同一の場合」という注記があります。個人事業主自身がそのまま法人の代表者(代表取締役等)に就任する、典型的な法人成りのケースは対象になりやすい一方、代表者が変わる場合は対象外となる可能性があるため、個別の事情は管轄のハローワークに事前確認することをおすすめします。

必要書類・提出先

「同一の事業主」の認定に必要な書類は、確認できた範囲でもハローワークによって案内に幅があります。

案内元必要書類として案内されているもの
東京ハローワーク新旧事業実態証明書/登記簿謄本(法人)/雇用保険被保険者名簿/従業員承継の覚書
愛知ハローワーク履歴事項全部証明書

提出先は、法人の事業所を管轄するハローワークです。求められる書類は管轄によって異なる可能性があるため、法人成りの前に、管轄ハローワークの雇用保険適用課へ電話等で確認し、必要書類をそろえてから相談に行くと手戻りを防げます。

認定後の届出/原則どおりの届出

「同一の事業主」の認定を受けた後は、「雇用保険事業主事業所各種変更届」(事業主の氏名・名称の変更)を提出します。新規の設置届・廃止届は不要です。

一方、認定を受けない場合や要件を満たさない場合は、原則どおりの手続きになります。個人事業側は雇用保険適用事業所廃止届、法人側は雇用保険適用事業所設置届と雇用保険被保険者資格取得届を提出し、法人には新しい事業所番号が付与されます。原則どおりの手続きの詳しい期限(設置届は事業所設置日の翌日から10日以内など)は法人成りの労働保険の引継ぎを参照してください。

まとめ

  • 雇用保険の適用事業所番号は、原則として事業主ごとに割り振られるため、法人成りでは新しい番号になるのが基本。
  • ただし、東京・愛知の各ハローワークが示す「同一の事業主と認められる事例」に「個人事業主の法人設立」が明記されており、認定を受ければ既存の番号を引き継いだまま名称変更の届出で済む。
  • この扱いは、原則として元の個人事業主と法人の代表者が同一である場合が前提(愛知ハローワークの資料の注記)。
  • 必要書類はハローワークにより案内が異なるため、法人成りの前に管轄ハローワークへ確認するのが確実。

公式一次情報

  • 東京ハローワーク「適用事業所に関するQ&A」(Q8:被保険者が別法人に移る場合は原則的には資格喪失・資格取得の手続きが必要だが、元の事業主と譲渡先の事業主に同一性が認められれば転勤の手続きで済むこと、同一性の有無はハローワークが確認すること。2026-09-04確認)
  • 東京ハローワーク「同一の事業主と認められる事例」(④個人事業主の法人設立を事例として明記。提出書類は新旧事業実態証明書・登記簿謄本(法人)・雇用保険被保険者名簿・従業員承継の覚書、同一事業主の認定後に「雇用保険事業主事業所各種変更届」(名称変更)を提出することを案内。2026-09-04確認)
  • 愛知ハローワーク「同一事業主の取扱いに関する提出書類一覧」(個人事業主の法人設立について、必要書類は「履歴事項全部証明書」、取扱いは事業所名称・事業主氏名の変更として「雇用保険事業主事業所各種変更届」を法人の事業所を管轄するハローワークへ提出すること、「原則としてaと法人Aの代表者が同一の場合」という限定を明記。2026-09-04確認)

よくある質問

法人成りすると、雇用保険の事業所番号は必ず変わりますか?
必ずではありません。原則は事業主が個人から法人という別の人格に変わるため新しい番号になりますが、要件を満たし管轄ハローワークから「同一の事業主」と認定を受ければ、既存の番号を引き継いだまま名称変更の届出で済む場合があります。
「同一の事業主」の認定を受けるには何をすればいいですか?
東京・愛知の各ハローワークの資料では「個人事業主の法人設立」が同一事業主と認められる事例として明記されています。必要書類は管轄により案内が異なるため、法人成りの前に管轄ハローワークへ確認し、指示された書類(登記簿謄本や新旧事業実態証明書など)をそろえて相談してください。
誰が代表者になっても番号を引き継げますか?
愛知ハローワークの資料には「原則として元の個人事業主と法人の代表者が同一の場合」という限定があります。個人事業主自身がそのまま法人の代表者に就任する典型的な法人成りは対象になりやすい一方、代表者が変わる場合は対象外となる可能性があるため、個別に確認が必要です。
認定を受けられなかった場合はどうなりますか?
原則どおりの手続きになります。個人事業側は雇用保険適用事業所廃止届、法人側は雇用保険適用事業所設置届と雇用保険被保険者資格取得届を提出し、法人には新しい事業所番号が付与されます。
本記事について。税理士監修前の概説です。「同一の事業主」と認定されるかどうかは個別事情によって判断が分かれ、必要書類も管轄のハローワークにより案内が異なる可能性があります。実際の手続きは、法人成りの前に管轄のハローワークまたは社会保険労務士にご確認ください。