個人事業主とフリーランスの違い|呼び方・税務・開業届
混同されがちな「個人事業主」と「フリーランス」の違いを、働き方と税務の軸で整理します。
基本の整理「個人事業主」と「フリーランス」は、同じ意味で使われることも多いですが、厳密には別の軸の言葉です。フリーランスは「働き方」、個人事業主は「税務上の区分」を指します。この違いがわかると、開業届や確定申告の話もスッキリ整理できます。
フリーランスとは(働き方)
フリーランスは、特定の会社に雇われず、独立して仕事を請け負う「働き方」を指す呼び方です。法律上のかっちりした定義というより、一般的な呼称です(なお、取引の適正化を図る「フリーランス・事業者間取引適正化等法」では、従業員を雇わずに業務委託を受ける人などを「特定受託事業者」と定めています)。エンジニア、デザイナー、ライター、コンサルタントなど、職種を問いません。
特定の取引先に継続的に業務を請け負っているフリーランスは、家内労働者等の必要経費の特例が使える場合があります。原稿料・デザイン料などの報酬は源泉徴収の対象になることがあります。発注内容を受け取ったら、フリーランス新法の明示事項8区分と支払期日も確認できます。
個人事業主とは(税務上の区分)
個人事業主は、税務署に開業届を出して、個人で事業を営んでいる人を指す「税務上の区分」です。法人(会社)を作らずに、個人として事業をしている人のことです。開業届を出すと、税務上は個人事業主として扱われ、青色申告などの特典が使えるようになります。
開業届には屋号を記載する欄もあり、屋号があると事業用の銀行口座を作りやすくなります。
2つの関係
・フリーランスとして働き、開業届を出している → フリーランスかつ個人事業主(多くの人がこれ)
・フリーランスとして働き、法人を設立した → フリーランスだが、立場は法人の代表(個人事業主ではない)
つまり、フリーランスの人が開業届を出せば個人事業主になり、法人を作れば法人の代表になります。働き方は同じでも、税務上の立場は選べる、ということです。
フリーランスとして働いていても、開業届を出していない場合は、確定申告で事業所得ではなく雑所得として扱われることがあります(実態にもとづく判定基準は事業所得と雑所得の違いを参照)。青色申告の特典(最大65万円控除など)を使うには、開業届に加えて青色申告承認申請書の提出も必要です。
まとめ
- フリーランスは「働き方」、個人事業主は「税務上の区分」。別の軸の言葉。
- フリーランスとして働く人が開業届を出せば、税務上は個人事業主になる。
- 法人を作れば、フリーランスでも立場は法人の代表(個人事業主ではない)。
- 事業として続けるなら、開業届を出して青色申告にするのがおすすめ。
開業の手続きは開業届の出し方、所得の区分は事業所得と雑所得の違い、法人化の判断は法人化シミュレーターで確認できます。
公式一次情報
- 公正取引委員会「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(第二条第一項の「特定受託事業者」の定義=従業員を使用しない個人事業者等)