個人事業主が払うお金は、税金(所得税・住民税・個人事業税・消費税)と社会保険(国民健康保険・国民年金)に分かれます。それぞれの仕組みを、令和8年度・東京の公式数値で押さえておきましょう。これらの負担が重くなったときが、法人成りを検討するタイミングです。
所得税
事業所得(売上−経費−各種控除)に対してかかる国の税金です。税率は課税所得が増えるほど上がる超過累進で、5%〜45%の7段階。これに復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わります。青色申告をすれば最大65万円の青色申告特別控除が使え、課税所得を圧縮できます。
住民税
前年の所得に対して市区町村・都道府県が課す地方税です。所得割(標準10%)+均等割(年5,000円)で計算します(均等割は森林環境税1,000円を含みます)。所得税より基礎控除が小さい(43万円)点に注意します。
個人事業税
法律で定められた業種(法定70業種)に対してかかる地方税です。税率は業種により3〜5%、事業主控除が一律290万円あるため、事業所得が290万円以下なら課税されません。エンジニアやライターのように、法定業種に該当せず非課税となる職種もあります(個人事業税がかからない業種を参照)。
消費税
原則として、基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者になります。インボイス制度に対応するために登録すると、売上にかかわらず課税事業者になります。法人成りすると、条件を満たせば最長2期は免税になり得ます(消費税の2年免税を参照)。
国民健康保険
個人事業主が加入する健康保険です。前年の所得に応じて保険料が上がるのが特徴で、東京特別区の令和8年度は所得割の合計が約10〜13%(40〜64歳は介護分込み)、年間の上限は113万円です。所得が高いほど負担が重くなり、ここがマイクロ法人での社会保険最適化の対象になります。
国民年金
20歳以上が加入する公的年金です。保険料は所得に関係なく定額で、令和8年度は月17,920円(年間約21.5万円)です。
法人成りでどう変わるか
法人成りすると、所得税の累進が法人税のほぼ一定の税率に置き換わり、国民健康保険が報酬連動の健康保険・厚生年金に変わります。利益が大きく、社会保険の負担が重い人ほど、法人化で手取りが増えやすくなります。自分の数字でどう変わるかは、下のシミュレーターで確認できます。