合同会社の解散後の事業年度と法人税の申告回数(株式会社との違い)
合同会社と株式会社で、解散後の事業年度の区切り方と法人税の申告回数がどう変わるかを、3月決算の計算例で整理します。
2026年時点の制度法人が事業年度の途中で解散すると、法人税の事業年度は解散の日で区切られます。区切られたあとの事業年度は、株式会社は会社法の清算事務年度、合同会社は定款に定めた事業年度のままです。国税庁の解説は、持分会社には清算事務年度が定められていないためと説明しています。
3月決算の会社が12月31日に解散した例で、申告の回数と期限を並べます。
解散の日で区切られる事業年度
法人税法14条1項1号は、内国法人が事業年度の途中で解散(合併による解散を除く)したときは、その事業年度は解散の日に終了し、続く事業年度は翌日から始まると定めています。
解散の日までの事業年度の確定申告は、通常の事業年度と同じく、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です(法人税法74条1項)。
区切られたあとの事業年度が、どの期間になるかは会社の種類で変わります。
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株式会社と合同会社の違い
株式会社は、解散すると会社法の「清算事務年度」に入ります。清算事務年度は、解散の日の翌日から始まる1年ごとの期間です(会社法494条1項)。法人税基本通達1-2-9は、清算中の事業年度は定款の事業年度にかかわらず、この清算事務年度になるとしています。
合同会社などの持分会社には、清算事務年度の定めがありません。国税庁の通達の趣旨説明は、持分会社が解散した場合は、会社が定款等に定めた事業年度が法人税法上の事業年度になるとしています。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 解散の日までの事業年度 | 事業年度の開始日から解散の日 | 事業年度の開始日から解散の日 |
| 解散の翌日からの事業年度 | 清算事務年度(翌日から1年ごと) | 定款の事業年度(決算月までの期間から) |
| 根拠 | 会社法494条1項、法人税基本通達1-2-9 | 法人税法13条・14条、通達の趣旨説明 |
3月決算で12月31日に解散した計算例
決算月が3月(4月1日から3月31日)の会社が、令和8年12月31日に解散し、令和9年9月30日に残余財産が確定した場合の事業年度を並べます。
| 順番 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 1 | 令和8年4月1日〜12月31日(解散事業年度) | 令和8年4月1日〜12月31日(解散事業年度) |
| 2 | 令和9年1月1日〜9月30日(清算事務年度の途中で残余財産が確定) | 令和9年1月1日〜3月31日(定款の決算月まで) |
| 3 | なし | 令和9年4月1日〜9月30日(残余財産の確定の日まで) |
| 申告の回数 | 2回 | 3回 |
株式会社の清算事務年度は、解散の翌日の令和9年1月1日から1年間の令和9年12月31日までです。この例では9月30日に確定するため、その日で終わります。
合同会社は、令和9年1月1日から3月31日までが定款の決算月に合わせた期間になります。決算月をまたぐため、同じ確定日でも申告が1回多くなります。
この区切りは、国税庁の趣旨説明にある株式会社の例(3月決算で12月31日に解散すると、4月1日〜12月31日と、翌日から清算事務年度の終了日までの2つの事業年度に分かれる)と、持分会社は定款の事業年度を用いるという説明を組み合わせた整理です。
残余財産が確定したときの申告期限
清算中の法人の残余財産が事業年度の途中で確定したときは、事業年度はその確定の日に終了します(法人税法14条1項5号)。
この最後の事業年度の確定申告は、通常の2か月ではなく、確定の日の翌日から1か月以内です。残余財産の最後の分配が1か月以内に行われる場合は、その分配が行われる日の前日までが期限になります(法人税法74条2項)。
債務超過で解散する場合に、清算中の所得から過去の赤字を差し引ける条件は解散時の期限切れ欠損金の損金算入で整理しています。
| 申告 | 期限の数え方 | 計算例の期限 |
|---|---|---|
| 解散事業年度(〜12月31日) | 終了日の翌日から2か月以内 | 令和9年2月末 |
| 合同会社の令和9年1月1日〜3月31日 | 終了日の翌日から2か月以内 | 令和9年5月末 |
| 最後の事業年度(〜9月30日に確定) | 確定の日の翌日から1か月以内 | 令和9年10月末(最後の分配が10月中旬ならその前日) |
清算結了までの全体の流れは法人解散から清算結了までの流れ、登記は合同会社の解散・清算結了登記で確認できます。
よくある質問
- 合同会社にも清算事務年度はありますか?
- 会社法の清算事務年度は清算株式会社の定めです。国税庁の趣旨説明は、持分会社が解散した場合は清算事務年度が定められていないため、定款等に定めた事業年度を法人税法上の事業年度とするとしています。
- 解散したあとの最初の申告はいつまでですか?
- 解散の日までの事業年度の申告は、解散の日の翌日から2か月以内です。
- 残余財産が確定したときの申告期限は?
- 確定の日の翌日から1か月以内です。最後の分配がそれより前に行われるときは、その日の前日までです。
次に読む
公式一次情報
- 国税庁「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)の趣旨説明」事業年度(持分会社が解散した場合は定款等に定めた事業年度を用いる)
- 国税庁 法人税基本通達 第2節 事業年度(1-2-9:株式会社等が解散した場合の清算中の事業年度)
- e-Gov法令検索「法人税法」(13条・14条1項1号と5号・74条1項と2項)
- e-Gov法令検索「会社法」(494条1項:清算事務年度)
- 国税庁「法人税のあらまし」第1 事業年度(株式会社が解散した場合の事業年度の例)


