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法人解散時の消費税の課税期間と申告期限

課税事業者の法人が解散・清算するときの消費税について、課税期間がどこで区切られるか、確定申告をいつまでに出すかを説明します。

国税庁の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

法人を解散すると、法人税の事業年度が区切られます。消費税も、課税事業者の法人であれば、解散の日で課税期間が区切られ、申告が必要になります。

ここでは、課税期間の区切り方、解散後の申告期限、残余財産が確定したときの申告期限を整理します。法人税や登記の手続きは、別のガイドに分けています。

解散の日で課税期間が区切られる

課税期間が途中で終わり、そこから別の課税期間が始まります:消費税法基本通達3-2-3は、内国法人が課税期間の途中で解散した場合、課税期間はその事業年度の開始の日から解散の日までになると定めています。

その次の課税期間は、解散の日の翌日から、その事業年度の終了の日までです。ただし、その日までに残余財産が確定した場合は、確定した日までになります(合併による解散は別の扱いです)。

ここでいう「解散の日」は、株主総会などで解散の日を定めたときはその日です。定めなかったときは解散の決議の日、解散事由が起きて解散したときはその事由が起きた日です(通達3-2-3の注)。

3月決算の会社が9月15日に解散した例

通達の考え方にそって、仮の日付で課税期間を並べます。事業年度は4月1日から3月31日、解散の日は9月15日とします。

課税期間期間
解散前の課税期間4月1日〜9月15日
解散後の課税期間9月16日〜翌年3月31日(それまでに残余財産が確定すれば、確定した日まで)

課税期間は2つに分かれるので、消費税の確定申告書もそれぞれの課税期間について出すことになります。解散前の課税期間の申告期限は、その課税期間の終了の日(9月15日)から2か月以内です。

法人税では、株式会社が解散した場合の事業年度が別に定められています。法人税の側は法人の解散・清算手続きと税務で整理しています。

解散事業年度と清算中の事業年度の基準期間

基準期間は、どちらの課税期間も「前々事業年度」で決まります:消費税法2条1項14号は、法人の基準期間をその事業年度の前々事業年度と定めています。解散で事業年度が短くなっても、この考え方は同じです。

納税義務が免除されるかどうかは、課税期間ごとに、基準期間の課税売上高が1,000万円以下かどうかで見ます(消費税法9条1項。適格請求書発行事業者は除きます)。上の例を令和8年(2026年)の解散として延ばすと、次のようになります。

課税期間前事業年度基準期間(前々事業年度)
解散前:2026年4月1日〜9月15日2025年4月1日〜2026年3月31日2024年4月1日〜2025年3月31日
解散後:2026年9月16日〜2027年3月31日2026年4月1日〜9月15日(解散前の課税期間)2025年4月1日〜2026年3月31日

解散後の課税期間の「前事業年度」は5か月半ほどの短い期間ですが、基準期間になるのはその1つ前の1年間です。そのため、解散した年度の売上が小さくても、解散後の課税期間が免税になるとは限りません。2025年4月〜2026年3月の課税売上高が1,000万円を超えていれば、解散後の課税期間も課税事業者です。

  • 基準期間が1年でない法人は、基準期間中の課税売上高を月数で割って12を掛けた金額で判定する(消費税法9条2項2号。1か月に満たない端数は1か月とする)。
  • 前々事業年度が1年未満のときの基準期間は、2条1項14号のかっこ書きに別の定めがある。解散後の事業年度がさらに続く場合は、この定めに当たるかどうかを税務署で確認する。
  • この表は、通達3-2-3どおりに解散後の課税期間を3月31日までとした例。清算中の事業年度の区切りが違う場合は、前事業年度・前々事業年度の日付もずれる。

基準期間そのものの考え方は消費税の基準期間とはに書いています。

申告期限は2か月、残余財産が確定したときは1か月

国税庁No.6610によると、課税事業者の法人は、課税期間の終了の日から2か月以内に、所轄の税務署へ消費税の確定申告書を出します。解散後の課税期間も、原則はこの2か月です。

清算中の法人で残余財産が確定した場合は、期限が短くなります。確定した日の属する課税期間の終了の日の翌日から1か月以内に、確定申告書を出します。

  • 残余財産の確定は、課税期間がそこで終わるという意味でもある(通達3-2-3)。
  • 課税期間の終了の日の翌日から1か月以内に残余財産の最後の分配が行われるときは、分配が行われる日の前日までが期限になる。
  • 原則の2か月ではなく1か月と短いので、残余財産が確定する日の見通しを早めに立てておく。

通常の期限は消費税の確定申告の期限で確認できます。

課税期間の特例を選んでいたとき

課税期間の特例(3か月または1か月ごとに区切る制度)を選んでいる法人が解散した場合は、通達3-2-3が区切り方を次のように定めています。

選んでいた特例解散後の課税期間の区切り
3か月ごとの特例期間が3か月を超える場合は3か月ごとに区切る。最後に3か月未満の期間ができたら、その期間
1か月ごとの特例期間が1か月を超える場合は1か月ごとに区切る。最後に1か月未満の期間ができたら、その期間

特例を選ぶ場合の届出は消費税の課税期間の特例で説明しています。

事業廃止の届出と確認先

消費税法57条1項3号は、納税義務が免除されない事業者が事業を廃止した場合に、その旨を記載した届出書を提出するよう定めています。個人事業者の廃業のしかたは個人事業を廃業した年の消費税に書いています。

法人の場合、解散と清算結了のどの時点で届出書を出すかは、法人の状況によって変わります。適格請求書発行事業者の登録を受けている法人も含め、提出の要否と時期は、所轄の税務署に確認してから決めます。

解散から清算結了までの確認手順

  1. 課税事業者かどうかを確認する。基準期間の売上、課税事業者の選択、インボイスの登録を見ます。
  2. 解散の日を確定する。決議で定めた日か、解散事由が起きた日です。
  3. 解散前の課税期間の申告を出す。解散の日から2か月以内が期限です。
  4. 清算中の課税期間を整理する。残余財産が確定するまでの取引は、解散後の課税期間に入ります。
  5. 残余財産が確定したら1か月以内に申告する。分配の日が近いときは、その前日までに出します。

個別の事情で期限や区切りが変わる場合は、税務署または税理士に確認してください。

次に知りたいこと

公式情報

まとめ

  • 課税事業者の法人が途中で解散すると、課税期間は事業年度の開始の日から解散の日までで区切られる。
  • 解散の翌日から、事業年度の終了の日(残余財産が確定すれば確定した日)までが次の課税期間になる。
  • 解散前・解散後のどちらの課税期間も、基準期間は前々事業年度。解散後の課税期間の基準期間は、短い解散事業年度ではなくその前の1年間になる。
  • 確定申告の期限は課税期間の終了の日から2か月以内。残余財産が確定したときは翌日から1か月以内。
  • 課税期間の特例を選んでいたときは、3か月・1か月ごとに区切る。

よくある質問

会社を解散すると、消費税の課税期間はどうなりますか?
課税期間の途中で解散した場合、その事業年度の開始の日から解散の日までが1つの課税期間になります。次の課税期間は解散の日の翌日から事業年度の終了の日まで、残余財産が確定した場合はその確定した日までです(出典:消費税法基本通達3-2-3)。
残余財産が確定したときの消費税の申告期限はいつですか?
確定の日の属する課税期間の終了の日の翌日から1か月以内です。その期間内に残余財産の最後の分配が行われるときは、分配が行われる日の前日までです(出典:国税庁No.6610)。
解散後の課税期間の基準期間はどの期間ですか?
その事業年度の前々事業年度です。3月決算の会社が2026年9月15日に解散した場合、2026年9月16日からの課税期間の基準期間は、2025年4月1日〜2026年3月31日の1年間です(出典:消費税法2条1項14号、通達3-2-3)。
解散の日はいつになりますか?
株主総会などで解散の日を定めたときはその日、定めなかったときは解散の決議の日、解散事由が起きて解散したときはその事由が起きた日です(出典:消費税法基本通達3-2-3の注)。
本記事について。税理士監修前の概説です。解散時の消費税は法人の状況で変わるため、手続きの前に税務署または税理士へ確認してください。

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