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解散した法人のインボイス登録|清算結了で出す事業廃止届出書と失効日

法人を解散しても、条文上はインボイスの登録が自動で失効するとは書かれていません。清算が終わったときは、登録取消届出書ではなく事業廃止届出書を出します。届出書の選び方と失効日を国税庁の資料で整理します。

解散・清算
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

インボイスの登録をしている法人が解散すると、「登録も一緒に消えるのか」「登録取消届出書を出すのか」で迷います。国税庁の資料では、清算が終わった法人は事業廃止届出書を出す扱いです。

先に結論:清算結了の法人は、登録取消届出書ではなく事業廃止届出書を出します。登録は、事業を廃止した日の翌日に効力を失います。
ケース出す届出書登録が失効する日
清算結了した法人事業廃止届出書事業を廃止した日の翌日
清算結了と関係なく、登録だけをやめる登録取消届出書提出日の翌課税期間の初日(15日前を過ぎると翌々課税期間の初日)
合併で消滅した法人合併による法人の消滅届出書消滅した日

登録が失効する3つの場合(消費税法57条の2第10項)

消費税法57条の2第10項は、適格請求書発行事業者の登録が効力を失う場合を3つ挙げています。

  • 登録取消届出書を出した場合
  • 事業を廃止して、事業廃止届出書を出した場合
  • 法人が合併で消滅して、消滅の届出書を出した場合

この3つの中に、「法人が解散した場合」は入っていません。解散の登記をしただけでは、条文上は登録の失効事由に当たりません。清算が終わって事業を廃止したときに、届出書で失効させる形です。

税務署長は、事業を廃止したと認められるときに登録を取り消すこともできます(同条6項)。ただし、これに頼らず、自分で届出書を出しておきます。

清算結了は事業廃止届出書を出す

国税庁の「インボイス発行事業者の登録を取り消す場合などに提出すべき書類」は、法人について次のように分けています。

  • 清算結了や合併消滅と関係なく登録を取り消す場合は、適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書
  • 清算結了した場合は、事業廃止届出書
  • 合併により法人が消滅した場合は、合併による法人の消滅届出書

同じ資料に、法人が清算結了や合併消滅した場合は登録取消届出書の提出は不要、と書かれています。清算結了のときに登録取消届出書を出す必要はありません。

事業廃止届出書は、消費税法57条1項3号により、事業を廃止した場合に速やかに税務署長へ出す届出書です。

対処:清算結了の日を確認し、その日付で事業廃止届出書を作ります。法人税の異動届出書や給与支払事務所等の廃止届出書も、同じ資料が一緒に挙げている書類です。

失効する日は廃止した日の翌日

事業廃止届出書を出した場合、登録が失効するのは「事業を廃止した日の翌日」です(消費税法57条の2第10項2号)。届出書を出した日ではありません。

登録取消届出書はこれと違い、提出日の属する課税期間の翌課税期間の初日に失効します。翌課税期間の初日から起算して15日前の日を過ぎて出すと、翌々課税期間の初日になります(国税庁Q&A問13)。

清算が終わっているのに登録取消届出書を出すと、失効が先に延びる形になります。清算結了のときは事業廃止届出書で閉じます。

清算中も続く適格請求書の交付義務

登録が続いている間は、適格請求書発行事業者の義務も続きます。消費税法57条の4は、課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方から求められたときは適格請求書を交付する義務を定めています。

清算中に在庫や設備を売却する場合は、売却先がインボイスを求めることがあります。登録が残っているかどうかを確認してから、請求書の書き方を決めます。

清算中の消費税の申告期限は別の決まりです。残余財産が確定した場合、その日の翌日から1か月以内に申告します。翌日から1か月以内に残余財産の最後の分配が行われる場合は、その行われる日の前日までです(同法45条4項)。

くわしくは法人を解散したときの消費税で整理しています。

次に知りたいこと

まとめ

  • 登録が失効する場合は消費税法57条の2第10項に決まっていて、解散そのものは入っていない。
  • 清算結了した法人は、登録取消届出書ではなく事業廃止届出書を出す。
  • 事業廃止届出書の場合、登録は事業を廃止した日の翌日に失効する。
  • 登録が残る間は、求められたときに適格請求書を交付する義務が続く。

よくある質問

法人を解散すると、インボイスの登録は自動で失効しますか?
消費税法57条の2第10項の失効事由に、解散は挙がっていません。清算結了のときは、事業廃止届出書を出す扱いです(出典:国税庁「インボイス発行事業者の登録を取り消す場合などに提出すべき書類」)。
清算結了のときに登録取消届出書は必要ですか?
国税庁は、法人が清算結了や合併消滅した場合は登録取消届出書の提出は不要と案内しています。
事業廃止届出書を出すと、登録はいつ失効しますか?
事業を廃止した日の翌日です(出典:消費税法57条の2第10項2号)。
登録取消届出書と事業廃止届出書で、失効日はどう違いますか?
登録取消届出書は、提出日の属する課税期間の翌課税期間の初日に失効します。15日前の日を過ぎて出すと翌々課税期間の初日です(出典:国税庁Q&A問13)。

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本記事について。税理士監修前の概説です。登録や廃止の取扱いは事業の状況で変わるため、実際の手続きは税務署または税理士へご確認ください。