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配当金は確定申告が必要?|申告不要制度・総合課税・配当控除の違い

株式や投資信託の配当金、自分の会社から受け取る配当について、確定申告が必要なケース、申告を選べる3つの方法、配当控除の計算を整理します。

国税庁の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

個人事業主やフリーランスは、事業所得の確定申告をするため、配当金を受け取ったときも「一緒に申告するべきか」で迷いやすくなります。配当金は、申告するかどうかを自分で選べる場合があり、選び方で税額が変わります。

この記事では、配当所得の源泉徴収、確定申告が不要になる場合、総合課税を選んだときの配当控除を、国税庁のタックスアンサーに沿って説明します。

配当所得と源泉徴収

配当所得は、原則として確定申告の対象になる所得:配当所得は、株主や出資者が法人から受ける剰余金や利益の配当、投資信託の収益の分配などに係る所得です。配当所得の金額は、収入金額(源泉徴収される前の金額)から、株式を取得するための借入金の利子を引いて計算します(借入金の利子は、保有期間に対応する部分に限ります)。

配当は、支払われるときに所得税等が源泉徴収されます。税率は、配当の種類で違います。

配当の種類源泉徴収の税率
上場株式等の配当(大口株主等を除く)15.315%(所得税と復興特別所得税)+地方税5%
上場株式等以外の配当(大口株主等が受ける上場株式等の配当を含む)20.42%(所得税と復興特別所得税。地方税なし)

大口株主等とは、発行済株式の総数等の3%以上を持つ個人です。自分で作った会社(非上場)から受け取る配当は、上場株式等以外の配当に当たり、20.42%が源泉徴収されます。

なお、令和9年1月1日以後に生ずる所得については、復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税が併せて源泉徴収されると国税庁は案内しています。

申告不要になる場合

配当所得のうち一定のものは、納税者の判断で、確定申告をしなくてよい「確定申告不要制度」があります。選ぶかどうかは、1回に支払を受ける配当ごとに決められます(特定口座の源泉徴収口座に受け入れた配当は、口座ごと)。

配当の種類確定申告が不要になる条件
少額配当(上場株式等以外の配当など)1回の配当が「10万円×配当計算期間の月数÷12」以下
上場株式等の配当(大口株主等を除く)金額にかかわらず申告不要にできる
  • 少額配当の例:年1回、12か月分の配当を受け取る場合、基準は10万円×12÷12=10万円です。配当が10万円以下なら、申告しなくても構いません。
  • 大口株主等の扱い:大口株主等が受ける上場株式等の配当と、上場株式等以外の配当は、総合課税の対象です。申告不要にできるのは、少額配当の場合だけです。
  • 申告不要を選んだ配当:源泉徴収された税額は、所得税額から差し引けません。配当控除も受けられません。

申告するときの方法(総合課税・申告分離課税)

配当を申告する場合の課税方法は、配当の種類で選べる範囲が違います。

方法内容対象
総合課税事業所得などと合計して税額を計算する。一定のものは配当控除を受けられるすべての配当
申告分離課税配当所得を他の所得と分けて計算する上場株式等の配当(大口株主等を除く)のみ

申告分離課税を選ぶ場合は、確定申告する上場株式等の配当所得の全額について選ぶ必要があります。上場株式等以外の配当は、申告分離課税や、少額配当を除く確定申告不要制度を選べません。

配当控除の計算

総合課税を選んだ配当所得には、一定のものを除いて配当控除(税額控除)があります。控除の対象は、日本国内に本店のある法人から受ける剰余金の配当などで、確定申告で総合課税を選んだものに限られます。外国法人から受ける配当は対象外です。

課税総所得金額等が1,000万円以下の場合は、次の式です。

  • 剰余金の配当等に係る配当所得の金額×10%
  • 証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額×5%(外貨建等証券投資信託の一部は2.5%)

課税総所得金額等が1,000万円を超える部分には、剰余金の配当等の控除率が5%に下がる計算があります。控除額は算出税額が限度です。申告不要制度や申告分離課税を選んだ配当は、配当控除の対象外です。

計算例

個人事業主が、自分の非上場会社から配当50万円を受け取り、課税総所得金額等が400万円の場合の例です。

  • 源泉徴収された税額:50万円×20.42%=102,100円
  • 総合課税を選んだ場合の配当控除:50万円×10%=50,000円
  • 確定申告で、配当所得50万円を事業所得などと合計して税額を計算し、配当控除50,000円と、源泉徴収された102,100円を差し引きます。

配当が10万円以下の少額配当なら、申告不要を選ぶ方法もあります。ただし、申告不要を選ぶと、源泉徴収された税額の還付や配当控除は受けられません。どちらが有利かは、全体の所得や控除で変わるため、個別の判断は税務署や税理士に確認してください。

注意点

  • 個人事業主は申告そのものが必要:事業所得があるなら、確定申告は元々必要です。配当を申告不要にするかどうかは、申告書に配当を含めるかの選択です。
  • 他の制度への影響:住民税の申告や国民健康保険料は、所得税の確定申告の扱いと異なる場合があります。市区町村の案内で確認してください。
  • 法人成り後の配当:自分の会社から受け取る配当は、上の非上場の配当として源泉徴収と申告の対象になります。会社の利益の取り出し方の比較は法人の内部留保の出口を確認してください。
  • この記事は制度の概説であり、個別の税務判断を示すものではありません。

まとめ

  • 配当は、上場株式等で15.315%+地方税5%、それ以外で20.42%が源泉徴収される。
  • 上場株式等の配当は、金額にかかわらず申告不要にできる。それ以外は、10万円×月数÷12以下の少額配当だけ申告不要にできる。
  • 総合課税を選ぶと配当控除(課税総所得金額等1,000万円以下なら剰余金の配当所得の10%)を受けられる。
  • 申告不要・申告分離課税を選んだ配当は、配当控除の対象外。

公式情報

よくある質問

配当金は確定申告が必要ですか?
配当所得は原則として確定申告の対象ですが、一定の配当は申告不要を選べます。上場株式等の配当(大口株主等を除く)は金額にかかわらず、上場株式等以外の配当は10万円×配当計算期間の月数÷12以下なら不要にできます(出典:国税庁)。
自分の会社から受け取る配当の源泉徴収税率は?
上場株式等以外の配当に当たるため、20.42%(所得税と復興特別所得税)が源泉徴収されます。地方税の源泉徴収はありません(出典:国税庁)。
配当控除はいくらですか?
課税総所得金額等が1,000万円以下なら、剰余金の配当等に係る配当所得の金額の10%です。総合課税を選んだ配当に限られ、申告不要や申告分離課税を選んだ配当は対象外です(出典:国税庁)。
本記事について。税理士監修前の概説です。税率や制度は改正されることがあるため、最新の内容は国税庁で確認してください。