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個別注記表に書く項目|非公開の株式会社が省略できる注記と残る注記

個別注記表は、株式会社が決算で作る計算書類の1つです。会計監査人を置かない非公開の株式会社は、注記表の項目のうち、継続企業の前提や貸借対照表に関する注記などを省略できます(会社計算規則98条2項1号)。

会社計算規則98条・101条・105条・116条
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

個別注記表は、貸借対照表や損益計算書の数字だけでは分からない会計のルールや事情を、文章で補う書類です。項目が20近く並ぶため、小さな会社まで全部書くのかと不安になります。

この記事は、e-Govの会社計算規則にもとづいて、注記表の項目、省略できる会社、省略できない項目を整理します。計算書類の種類は決算書の種類と見方で確認できます。

注記表の項目

会社計算規則98条1項は、注記表を次の項目に区分して表示するよう定めています。個別注記表は、株式会社の注記表のうち、連結をしないものです。

区分項目
会計方針など継続企業の前提/重要な会計方針/会計方針の変更/表示方法の変更/会計上の見積り/会計上の見積りの変更/誤謬の訂正
各計算書に関する注記貸借対照表等/損益計算書/株主資本等変動計算書
個別の事項税効果会計/リース/金融商品/賃貸等不動産/持分法損益等/関連当事者との取引/一株当たり情報/重要な後発事象
その他連結配当規制適用会社/収益認識/国際最低課税額に対する法人税等/その他の注記

条文では、これらが一号から十九号まで(枝番を含む)に並んでいます。

省略できる会社と省略できる項目

98条2項は、会社の種類ごとに、表示を要しない項目を定めています。会計監査人設置会社以外の株式会社(公開会社を除く)の個別注記表では、次の項目を省略できます(同項1号)。

  • 継続企業の前提に関する注記
  • 会計上の見積りに関する注記、会計上の見積りの変更に関する注記
  • 貸借対照表等に関する注記、損益計算書に関する注記
  • 税効果会計、リース、金融商品、賃貸等不動産、持分法損益等、関連当事者との取引、一株当たり情報、重要な後発事象、連結配当規制適用会社に関する注記

公開会社でも会計監査人を置かない会社は、省略できる項目が少なくなります(同項2号)。公開会社とは、発行する株式の全部または一部に譲渡制限がない株式会社のことです。定款で全株式に譲渡制限をつけている会社は、非公開に当たります。

省略できるのは、条文が表示を「要しない」とした項目です。省略した項目まで調べて書く必要はありません。

省略できない主な項目の中身

前の節で省略できる項目から外れる、主な注記は次のとおりです。

項目書く内容条文
重要な会計方針資産の評価基準・評価方法、固定資産の減価償却の方法、引当金の計上基準、収益・費用の計上基準、その他の基本となる重要な事項(重要性の乏しいものを除く)101条1項
会計方針の変更・表示方法の変更・誤謬の訂正変更や訂正があったときの注記98条1項3号・4号・6号
株主資本等変動計算書に関する注記事業年度末の発行済株式数、自己株式の数、事業年度中に行った剰余金の配当、株式引受権・新株予約権に関する事項105条
その他の注記財産または損益の状態を正確に判断するために必要な事項116条

収益認識に関する注記と国際最低課税額に対する法人税等に関する注記は、98条2項1号の列挙に番号が挙がっていません。自社が該当するかは、条文と会計の専門家の説明で確認してください。

株主資本等変動計算書そのものの区分は、96条が定めています。株主資本は、資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式などに分け、それぞれの当期首残高・当期変動額・当期末残高を示します。

注記は、計算書類を承認する前に整えておく書類です。承認の流れは定時株主総会と決算承認で整理しています。

合同会社など持分会社の場合

持分会社の個別注記表では、継続企業の前提、会計上の見積りに関する注記、会計上の見積りの変更に関する注記、7号から18号までの項目を表示しなくてよいと定められています(98条2項5号)。7号から18号までには、貸借対照表等・損益計算書・株主資本等変動計算書に関する注記や関連当事者との取引なども含まれます。

個別注記表を含む計算書類を本店に備え置く義務は、株式会社の定めです。備置きと閲覧請求は計算書類の備置きと閲覧請求にあります。

公式一次情報

よくある質問

小さな会社でも個別注記表は作りますか?
株式会社は、計算書類の1つとして作ります。ただし、会計監査人を置かない非公開の株式会社は、継続企業の前提や貸借対照表等に関する注記など、多くの項目を省略できます(会社計算規則98条2項1号)。
省略できない注記には何がありますか?
重要な会計方針、会計方針の変更、表示方法の変更、誤謬の訂正、株主資本等変動計算書に関する注記、その他の注記などです(会社計算規則98条)。
重要な会計方針には何を書きますか?
資産の評価基準と評価方法、固定資産の減価償却の方法、引当金の計上基準、収益と費用の計上基準などです。重要性の乏しいものは除きます(会社計算規則101条1項)。
株主資本等変動計算書に関する注記では何を示しますか?
事業年度末の発行済株式数と自己株式の数、事業年度中の剰余金の配当、株式引受権と新株予約権に関する事項です(会社計算規則105条)。
公開会社とは上場会社のことですか?
いいえ。発行する株式の全部または一部に譲渡制限がない株式会社をいいます。上場しているかどうかは関係ありません(会社法2条5号)。

まとめ

  • 個別注記表は、株式会社が作る計算書類の1つ。
  • 会計監査人を置かない非公開の株式会社は、継続企業の前提や貸借対照表等に関する注記など多くの項目を省略できる。
  • 重要な会計方針と、株主資本等変動計算書に関する注記は省略できない項目に当たる。

次に知りたいことは、決算書の種類と見方、定時株主総会と決算承認、計算書類の備置きと閲覧請求です。

本記事について。税理士監修前の概説です。会計監査人を置く会社や公開会社、個別の注記の書き方は含めていません。個別の判断は税理士・公認会計士にご確認ください。