子ども・子育て支援金は法人化で変わる?役員報酬の社会保険料と国民健康保険の違い
令和8年度に始まった子ども・子育て支援金を、会社の社会保険(協会けんぽなど)に入る役員と、国民健康保険に入る個人事業主で比べます。料率0.23%、会社と本人の折半、国保の上限額と18歳未満の均等割の扱いを、こども家庭庁・協会けんぽ・厚生労働省の資料で確認した範囲で整理します。
こども家庭庁・協会けんぽ・厚生労働省の資料にもとづく子ども・子育て支援金は、医療保険料とあわせて集められる新しい拠出金です。
会社の健康保険では標準報酬月額に支援金率0.23%を掛け、その半分を会社が負担します。国民健康保険では市町村の条例で決まり、事業主負担はありません。法人成りで役員報酬を設定すると、支援金も標準報酬月額にもとづいて決まります。
この記事では、確認できた公式の数字だけを載せます。役員だけに適用される特別な計算は、今回確認した資料には見つかっていません。
いつから、どの保険料にあわせて集められるか
こども家庭庁の案内では、令和8年4月保険料(5月に給与天引き)から、被用者保険の加入者に拠出をお願いするとされています。国民健康保険は令和8年4月分から拠出する制度ですが、具体的な徴収開始時期は市町村によって異なるため、お住まいの市町村への確認が必要です。
会社の健康保険に入る役員の場合
こども家庭庁は、被用者保険の支援金額(月額)を「標準報酬月額×支援金率」と説明しています。令和8年度の一律の支援金率は0.23%です。協会けんぽのページも、一般被保険者の支援金率を令和8年4月分(5月納付分)から0.23%としています。
基本的に支援金額の半分は企業が負担します。そのため、個人の給与明細に載る支援金は、標準報酬月額に0.0023を掛けた額の半分になります。標準報酬月額の決まり方はマイクロ法人の社会保険で、協会けんぽの料率が都道府県で異なる点は協会けんぽの保険料率は住む都道府県で変わるで整理しています。
標準報酬月額が50万円と80万円の例を計算します。上の算式に当てはめた金額で、実際の保険料額は加入先の保険料額表で確認してください。
| 標準報酬月額 | 支援金(月額・全体) | 本人負担(月額) | 会社負担(月額) | 本人負担(年額) |
|---|---|---|---|---|
| 50万円 | 1,150円 | 575円 | 575円 | 6,900円 |
| 80万円 | 1,840円 | 920円 | 920円 | 11,040円 |
50万円×0.23%=1,150円で、折半すると575円です。社長1人の会社では、会社負担分も自分の会社の費用になります。賞与からの徴収については、今回の確認では公式の記載を直接読めていないため、ここでは触れません。
個人事業主の国民健康保険の場合
国民健康保険の支援金額は、お住まいの市町村が定める条例にもとづき、世帯や個人の所得等に応じて決まります。市町村ごとに支援金の保険料率が異なり、全国共通の料率はありません。こども家庭庁の資料には、国保の事業主負担はなく被保険者のみが負担するとの注記があります。
- 上限額:厚生労働省の通知(令和8年1月15日保発第115009号)で、新しく設けた「子ども・子育て支援納付金賦課額」の賦課限度額は3万円とされました。令和8年4月1日から施行です。
- 18歳未満の均等割:18歳に達する日以後の最初の3月31日以前の被保険者の均等割額は全額軽減され、実際には徴収されません。その費用は18歳以上の被保険者の均等割として賦課されます。所得に応じた分(応能分)には、18歳未満であることを理由とする減額はありません。
国保の保険料全体の考え方は国民健康保険はいくらから安くなるかで整理しています。
違いの整理
| 項目 | 会社の健康保険(協会けんぽ) | 国民健康保険 |
|---|---|---|
| 決まり方 | 標準報酬月額×0.23%(令和8年度) | 市町村の条例で、世帯や所得に応じて決まる |
| 負担者 | 本人と会社が半分ずつ | 被保険者のみ |
| 上限額 | 今回確認した資料には記載なし | 支援納付金賦課額の上限は3万円 |
| 18歳未満の子の扱い | 今回確認した資料には記載なし | 均等割は全額軽減 |
支援金だけで法人化の損得は決まりません。厚生年金や健康保険料の本体を含めた比較は、法人化シミュレーターで試算できます。当サイトのツールは、会社の社会保険にはこの支援金率0.23%を、国民健康保険には東京都特別区の支援金分の料率を含めて計算しています。
公式一次情報
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」(支援金の額・徴収開始時期・企業負担)
- 全国健康保険協会「協会けんぽの子ども・子育て支援金率について」(0.23%)
- 厚生労働省 令和8年1月15日保発第115009号(国保の支援納付金賦課額・賦課限度額3万円)
- 厚生労働省 令和7年12月26日事務連絡Q&A(18歳未満の均等割の軽減)
確認日は2026年10月8日です。
よくある質問
- 法人化すると子ども・子育て支援金はいくら負担しますか?
- 会社の健康保険では、標準報酬月額×0.23%の半分が本人負担です。標準報酬月額50万円なら月575円で、同額を会社も負担します(こども家庭庁・協会けんぽの案内にもとづく計算例)。
- 国民健康保険の支援金は会社員と同じ料率ですか?
- 同じではありません。国保は市町村の条例で、世帯や所得に応じて決まり、市町村ごとに異なります。事業主負担はなく、被保険者のみが負担します。
- 国民健康保険の支援金に上限はありますか?
- あります。子ども・子育て支援納付金賦課額の賦課限度額は3万円です(令和8年4月1日施行、厚生労働省の通知)。