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個人事業主のNISA|投資額は経費にできるか・法人成りしても口座は続くか

NISAで積み立てた投資額は事業の必要経費にできません。理由と、法人成りしても口座がそのまま続く理由を整理します。

金融庁・国税庁の制度
編集:法人成りシミュレーション編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

NISA(少額投資非課税制度)は個人の資産形成を支援する制度です。NISA口座での投資額・購入した株式や投資信託は、事業の必要経費にはなりません

一方で、口座自体は個人の制度のため、法人成りしても廃止・移管の手続きは不要です。この2点を、公式情報にもとづいて整理します。

NISAの投資額が経費にならない理由

所得税の必要経費になるのは、事業所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であったことが、取引の記録などで明らかに区分できる支出だけです。家事上の経費(事業に関係しない個人的な支出)は必要経費になりません(出典:国税庁 法令解釈通達)。

NISA口座で得られる配当等・譲渡益は、国税庁のNISA制度の説明のとおり、事業所得ではなく非課税の配当所得・譲渡所得として扱われます。事業の遂行に直接必要な支出とは区分が異なるため、NISAで購入した株式・投資信託の取得額や、それにともなう手数料は事業の必要経費にできません

個人の資産形成と事業の経費は別枠:NISAは事業のための制度ではなく、個人の資産形成を非課税で支援する制度です。事業用の口座と個人のNISA口座を分けて管理し、事業の帳簿にNISAの取引を含めないようにします。

法人成りしてもNISA口座はどうなるか

金融庁のNISA制度の説明によれば、NISA口座は「日本国内に住んでいる18歳以上の方」であれば開設できる、個人を対象にした制度です。口座開設の要件は年齢・居住地のみで、個人事業主か法人の代表者かという事業形態は問いません。この口座名義は最初から事業主個人であって「個人事業主としての口座」ではないため、法人成りで名義人の属性が変わることもありません。

そのため、個人事業主が法人成りしても、代表者本人が引き続き日本に居住する18歳以上の個人である限り、NISA口座をそのまま継続でき、法人成りを理由に口座の廃止・移管をする必要はありません(法人成りのケースを直接名指しした金融庁の記載はありませんが、反対の記載もありません)。

注意点として、NISAは個人専用の制度で、法人(会社)名義の口座は開設できません。法人化後に会社の資金で非課税投資をしたい場合でも、NISA制度は利用できず、会社の余剰資金の運用は別の方法(有価証券投資として法人税の課税対象になる運用等)を検討することになります。法人成りの手続き全般は法人化の手続きを参照してください。

iDeCo・小規模企業共済との違い

個人事業主が使える資産形成・節税の制度には、NISAのほかにiDeCo小規模企業共済があります。iDeCo・小規模企業共済の掛金は所得控除の対象になりますが、NISAの投資額は所得控除にも必要経費にもなりません。この違いは、掛金を出す時点で税負担が軽くなる制度(iDeCo・小規模企業共済)と、運用益を非課税にする制度(NISA)という、制度の設計自体が異なることによります。

まとめ

  • NISA口座の投資額・購入した株式等は事業の必要経費にならない。
  • NISAで得た配当・譲渡益は非課税の配当所得・譲渡所得で、事業所得とは区分が異なる。
  • NISA口座の開設要件は年齢・居住地のみで、法人成りしても口座はそのまま継続する。
  • NISAは個人専用の制度で、法人名義の口座は開設できない。
  • iDeCo・小規模企業共済の掛金は所得控除の対象になるが、NISAの投資額は対象外。

公式情報

よくある質問

NISAで購入した株式や投資信託は経費にできますか?
できません。NISA口座での取得額・手数料は事業の遂行上直接必要な支出とは区分が異なり、必要経費になりません(出典:国税庁)。
法人成りしたら、今使っているNISA口座はどうなりますか?
そのまま継続できます。NISA口座の開設要件は年齢・居住地のみで事業形態は問わないため、法人成りを理由とした廃止・移管の手続きは不要です(出典:金融庁)。
法人(会社)名義でNISA口座を作れますか?
作れません。NISAは個人を対象にした制度で、法人名義の口座は開設できません。
本記事について。税理士監修前の概説です。投資の税務上の取り扱いは個々の状況で異なる場合があります。個別の判断は税理士へご相談ください。