国民健康保険料の減免|事業の休廃止・所得激減・災害
事業をやめたり売上が大きく落ちたりして国民健康保険料を払えないときの減免を、法律の根拠と名古屋市・新宿区・荒川区の案内で整理します。要件は市区町村の条例で決まり、自治体で違う点を示します。
要件は条例で決まる国民健康保険料には、災害や事業の休止・廃止、収入の大きな減少などで払えなくなったときの減免があります。ただし減免の要件と減る額は、全国共通ではなく市区町村ごとに決まっています。
この記事では、減免の法律上の根拠、名古屋市・新宿区・荒川区の案内に見る要件の違い、申請で気をつける点を確認します。退職して国保に入る人の自動的な軽減は非自発的失業者の軽減の記事にあり、こちらは別の制度です。
減免の法律上の根拠
国民健康保険法第77条は、市町村と組合が条例または規約の定めるところにより、特別の理由がある人の保険料を減免し、または徴収を猶予できると定めています。
つまり、どんな場合に何割減るかは、法律ではなく各市町村の条例(国保組合は規約)で決まります。同じ事業の廃止でも、住んでいる市区町村によって要件が違うのはこのためです。
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名古屋市の例(災害・所得激減・事業の休止廃止)
名古屋市は、地震・風水害・火災・事業の休廃止や失業などで国民健康保険料の支払いが困難な世帯は、減免を受けられる場合があると案内しています。令和8年10月1日更新のページでは、次の3つの減免が示されています。
| 減免 | 要件(名古屋市) | 減る額 |
|---|---|---|
| 災害減免 | 家屋が全壊(全焼)、半壊(半焼)、床上浸水の被害を受けた世帯 | 災害発生月から6か月以内の保険料の全額または5割 |
| 所得激減 | 令和7年中の所得が1,000万円以下で、令和8年中の見込所得が274万円以下かつ令和7年中の所得の10分の8以下に減る世帯(すべて満たす場合) | 所得割額の3割から7割 |
| 事業の休止・廃止 | 事業を休止・廃止したことで、令和8年中の世帯の見込所得が赤字になる世帯 | 保険料額の7割 |
所得激減と事業の休止・廃止では、世帯全員の令和8年中の収入がわかる資料(給与明細、帳簿など)が申請に必要です。資料の例として帳簿が挙げられているため、個人事業主は帳簿で収入の見込みを示せるようにしておくと申請しやすくなります。
新宿区・荒川区の案内との違い
新宿区は、名古屋市のような区分ごとの割合表ではなく、一般減免として案内しています。災害、解雇、倒産、病気などで生活が著しく困難になり、預貯金など利用できる資産を活用しても保険料を納められないときに申請できる、という書き方です。名古屋市の案内ページには資産の記載がなく、所得の数字で区分している点が異なります。
荒川区は、災害による重大な損害や事業の休止・廃止、失業、長期入院などで収入が著しく減少して納められないとき、申請があった月以降の保険料を一定期間、減額または免除するとしています。申請は収入状況が確認できる書類を持参して行います。
- 基準の示し方:名古屋市は所得の金額と減少の割合で区分し、新宿区は生活が著しく困難かどうかで判断する書き方です。
- 減る範囲:名古屋市は所得割額の一部や保険料額の7割など割合を示し、荒川区は「一定期間、減額または免除」とだけ案内しています。
3つの案内は文言も基準も揃っていません。本文の数字は名古屋市の令和8年度の案内であり、他の市区町村には当てはまらないので、自分の加入先の案内で確認します。
申請で気をつけること
- 申請が必要:減免は自動では付きません。名古屋市は減免申請に期限があると案内し、荒川区は申請のあった月以降の保険料が対象です。払えないと分かった時点で早めに窓口へ行きます。
- 納付期限までに:新宿区は、事前に電話などで相談したうえで、納付期限までに申請書等を出すよう案内しています。
- 相談先:名古屋市は住んでいる区の区役所保険年金課または支所区民福祉課、新宿区は国保資格係の減免担当です。
退職して国保に入った場合の給与所得の軽減は非自発的失業者の軽減の記事に、所得が低い世帯の均等割の軽減は国保料の低所得軽減の記事にあります。事業をやめるときの手続き全体は廃業の記事で整理しています。
公式一次情報
- e-Gov法令検索「国民健康保険法」第77条(2026-10-24確認)
- 名古屋市「国民健康保険料の減免について」(2026-10-24確認)
- 新宿区「保険料の減免について」(2026-10-24確認)
- 荒川区「国民健康保険料・介護保険料の減額・免除申請」を含む案内資料(令和6年6月11日号)(2026-10-24確認)
まとめ
- 減免の根拠は国民健康保険法第77条で、要件と減る額は市区町村の条例で決まる。
- 名古屋市は、災害(全額または5割)、所得激減(所得割額の3割から7割)、事業の休止・廃止(保険料額の7割)を区分して案内している。
- 新宿区は資産を活用しても払えない場合の一般減免、荒川区は申請月以降の保険料を一定期間減額・免除と、書き方が異なる。
- 減免は申請が必要で、払えなくなったら早めに加入先の窓口へ相談する。
続けて読むなら、非自発的失業者の軽減、国保料の低所得軽減、廃業の手続きの記事があります。
よくある質問
- 事業をやめたら国民健康保険料は減免されますか?
- 名古屋市は、事業を休止・廃止して見込所得が赤字になる世帯の保険料額を7割減らすと案内しています。ただし要件は市区町村の条例で決まるため、加入先の案内で確認が必要です。
- 減免の根拠になる法律はありますか?
- 国民健康保険法第77条が、市町村と組合は条例または規約の定めにより、特別の理由がある人の保険料を減免し、または徴収を猶予できると定めています。
- 減免は自動で適用されますか?
- 自動ではありません。名古屋市は申請に期限があると案内し、荒川区は申請があった月以降の保険料が対象です。
- 申請に何が必要ですか?
- 名古屋市の所得激減と事業の休止・廃止では、世帯全員の収入がわかる資料(給与明細、帳簿など)が必要です。災害減免ではり災証明書または罹災証明書が必要です。
- どこに相談すればよいですか?
- 加入している市区町村の国保窓口です。名古屋市は住んでいる区の区役所保険年金課または支所区民福祉課、新宿区は国保資格係の減免担当と案内しています。

