国民健康保険の非自発的失業者の軽減|対象コード・給与所得30%・届出
会社都合などで退職して国民健康保険に入ると、前年の給与所得を30%として保険料を計算する軽減があります。対象になる離職理由、軽減の中身と期間、届出に必要なものを順に説明します。
給与所得を30%として計算倒産や解雇、雇い止めなどで会社を辞めた人が国民健康保険に入るとき、前年の給与所得を30%として保険料を計算する軽減があります。軽減を受けるには、市区町村への届出が必要です。
この記事では、対象になる離職理由、軽減される所得の範囲、軽減の期間、届出に必要なものを確認します。会社の健康保険を続ける任意継続との比較は任意継続と国民健康保険の比較の記事にあります。
対象になる人と離職理由コード
厚生労働省は、対象を雇用保険の特定受給資格者と特定理由離職者としています。特定受給資格者は倒産・解雇などで離職した人、特定理由離職者は雇い止めや、疾病などの正当な理由のある自己都合で離職した人です。
新宿区は、これに加えて離職日時点で65歳未満であることを条件にしています。判定は、ハローワークが交付する雇用保険受給資格者証または受給資格通知の「離職理由」欄のコードで行います(新宿区、千葉市の案内)。
| 区分 | 離職理由コード |
|---|---|
| 特定受給資格者 | 11・12・21・22・31・32 |
| 特定理由離職者 | 23・33・34 |
自己都合で辞めた場合も、病気や介護などの正当な理由があってこのコードが付けば対象になります(船橋市の案内)。自己都合というだけで対象外とは決まらないので、受給資格者証のコードを見て判断します。
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軽減の中身と計算の例
軽減は、前年の給与所得を30/100として保険料を算定する仕組みです。高額療養費などの所得区分の判定にも、軽減後の給与所得が使われます(厚生労働省、千葉市)。この扱いは、国民健康保険法施行令第29条の7の2に定められています。
たとえば前年の給与所得(給与収入から給与所得控除を引いた額)が300万円なら、保険料の計算では90万円として扱います。これは仕組みを示す例で、実際の保険料は均等割額など他の要素も含めて市区町村が計算します。
軽減されるのは給与所得だけです。事業所得や不動産所得など、それ以外の所得は軽減されません(新宿区)。前年に副業で事業所得があった人は、その分は通常どおり保険料の計算に入ります。
軽減の期間
期間は、離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末までです(新宿区、千葉市)。離職が令和8年10月なら、令和9年度の末にあたる令和10年3月までが目安です。
千葉市は、この期間は雇用保険の失業給付を受ける期間とは異なると案内しています。失業給付が終わっても、軽減の期間は続きます。
届出と必要書類
軽減は、国民健康保険に入る手続きをしただけでは自動で付きません。届出が必要で、届出先は加入する市区町村の国保窓口です。
- 雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知(ハローワークで発行)
- 本人確認書類。窓口ではマイナンバーが確認できる書類も求められます(新宿区)
船橋市は、仮作成・仮発行の状態の受給資格者証では受け付けないと案内しています。ハローワークで正式に交付されたものを持参します。届出書の様式や郵送の可否は自治体ごとに異なるため、事前に窓口の案内を確認します。
対象外になる場合と注意点
- 高年齢受給資格者証・特例受給資格者証の人:千葉市は、離職時に65歳以上で高年齢受給資格者証が交付されている人や、特例受給資格者証が交付されている人は対象にならないとしています。
- 途中で就職した場合:国民健康保険に入っている間に就職しても、引き続き対象です。会社の健康保険に入って国民健康保険を抜けると、軽減は終わります(千葉市)。
- 国民健康保険組合:この記事で確認したのは市区町村の国保です。国保組合に加入している人は、加入先に確認してください。
保険料の水準は国民健康保険料の記事に、所得が低い世帯の軽減は国保料の低所得軽減の記事にあります。会社をたたむ側の手続きは会社をたたむときの社会保険の手続きで整理しています。
公式一次情報
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」(2026-10-24確認)
- e-Gov法令検索「国民健康保険法施行令」第29条の7の2(2026-10-24確認)
- 新宿区「非自発的失業者の国民健康保険料の軽減」(2026-10-24確認)
- 千葉市「非自発的失業者の保険料を軽減」(2026-10-24確認)
- 船橋市「国民健康保険料の軽減」(2026-10-24確認)
まとめ
- 倒産・解雇などの特定受給資格者と、雇い止めや正当な理由のある自己都合の特定理由離職者が対象で、受給資格者証の離職理由コードで判定する。
- 前年の給与所得を30/100として保険料を算定し、高額療養費の所得区分の判定にも使う。事業所得など給与以外は軽減されない。
- 期間は、離職日の翌日の属する月から翌年度末まで。失業給付の期間とは別である。
- 届出が必要で、受給資格者証と本人確認書類を持って国保窓口へ行く。
次に知りたいことは、任意継続と国保の比較、国保料の低所得軽減、国民年金の免除・猶予の記事で確認できます。
よくある質問
- 自己都合で辞めた場合は、軽減の対象になりませんか?
- 病気や介護などの正当な理由があり、受給資格者証の離職理由コードが特定理由離職者の23・33・34に当たれば対象になります。
- 軽減されるのは保険料のどの部分ですか?
- 前年の給与所得を30/100として計算する仕組みで、給与所得だけが対象です。事業所得などそれ以外の所得は軽減されません。
- いつまで軽減されますか?
- 離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末までです。雇用保険の失業給付を受ける期間とは別です。
- 届出には何が必要ですか?
- ハローワークが発行する雇用保険受給資格者証または受給資格通知と、本人確認書類です。窓口でマイナンバーが確認できる書類を求められる自治体があります。
- 途中で再就職したら軽減は終わりますか?
- 国民健康保険に入っている間は引き続き対象です。会社の健康保険に入って国民健康保険を抜けると終わります。
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