任意継続で傷病手当金・出産手当金はもらえる?
会社を辞めて独立する前に知っておきたい、任意継続中の傷病手当金・出産手当金の扱いと、退職前から受けている分を退職後も受け取れる継続給付の条件を、協会けんぽと健康保険法で整理します。
協会けんぽの制度会社員が退職して個人事業主になるとき、健康保険は任意継続か国民健康保険を選びます。任意継続に入っても、任意継続の期間中に発生した病気やケガの傷病手当金、出産手当金は支給されません。一方、退職前から手当金を受けている人などは、一定の条件で退職後も同じ保険者から受け取れます。
任意継続中は原則もらえない
傷病手当金は、健康保険法99条1項で「被保険者(任意継続被保険者を除く。)」が療養のため働けないときに支給すると定められています。協会けんぽも、任意継続被保険者の期間中に発生した病気・ケガについて傷病手当金は支給されないと案内しています。
出産手当金も同じです。協会けんぽの任意継続のページには、任意継続の期間中に発生した病気・ケガによる傷病手当金と出産手当金は支給されない、と書かれています。
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退職後も受け取れる継続給付の条件
例外が、健康保険法104条の継続給付です。協会けんぽの案内では、次の条件を満たすと、退職(資格喪失)後も引き続き傷病手当金を受けられます。
- 資格喪失日の前日までに、被保険者期間が継続して1年以上ある。この期間には、任意継続・共済組合の組合員・国民健康保険の期間を含めない。
- 資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態にある。
支給期間は、支給開始日から通算1年6か月です(健康保険法99条4項)。また、いったん働ける状態になった後で再び働けなくなっても、傷病手当金は支給されません(協会けんぽ)。
この継続給付は、任意継続に加入するかどうかとは関係ありません。協会けんぽの任意継続のページでも、傷病手当金と出産手当金は在職中から継続して給付されている場合に限り、引き続き申請できると案内されています。
出産手当金も、条文上は傷病手当金と並べて継続給付の対象です。ただし、退職後に出産手当金を受けるための要件の詳細は、協会けんぽの「資格喪失後の出産手当金」の案内で確認してください。
退職時の状況別の整理
| 退職時の状況 | 退職後の手当金 |
|---|---|
| 退職日に傷病手当金を受けている(被保険者期間1年以上) | 傷病手当金は、継続給付として通算1年6か月の範囲で受けられる |
| 在職中は健康で、退職後に病気・ケガをした(任意継続に加入) | 傷病手当金は支給されない |
| 被保険者期間が1年に満たない | 継続給付の条件を満たさない |
退職の時期が近く、体調や妊娠で働けない可能性があるときは、退職日に条件を満たすかどうかで結果が分かれます。個別の判断は、加入している保険者(協会けんぽの支部や健康保険組合)に確認してください。
国民健康保険の場合
国民健康保険法58条2項は、市町村が条例の定めるところにより傷病手当金の支給を「行うことができる」と定めています。支給が義務ではない任意の給付なので、自治体ごとに扱いが異なります。
加入先の自治体が条例で支給しているかは、窓口で確認が必要です。任意継続と国民健康保険のどちらを選ぶかは、保険料の比較が中心になります。判断の軸は任意継続と国民健康保険の比較で整理しています。
退職後に個人事業主になると、病気で働けない間の収入を支える仕組みが会社員より少なくなります。事業を休む場合の備えは個人事業主が病気で休業したときの保障で確認できます。
まとめ
- 任意継続の期間中に発生した病気・ケガの傷病手当金、出産手当金は支給されない。
- 退職前から受けている分などは、継続給付として退職後も受けられる場合がある。
- 継続給付には、被保険者期間1年以上と、資格喪失日の前日に受給中または受けられる状態であることが必要。
- 国民健康保険の傷病手当金は任意給付で、自治体の条例しだい。
退職後の健康保険の手続き全体は会社員から独立するときの手続き、国民健康保険料の目安は国民健康保険料はいくらかでも解説しています。
公式情報
- 協会けんぽ「傷病手当金」(任意継続中の不支給、資格喪失後の継続給付の条件、通算1年6か月)
- 協会けんぽ「任意継続」(傷病手当金・出産手当金は支給されない旨)
- e-Gov法令検索「健康保険法」(99条・104条)
- e-Gov法令検索「国民健康保険法」(58条2項)
よくある質問
- 任意継続に加入すれば、傷病手当金をもらえますか?
- 任意継続被保険者の期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません。出産手当金も同様です(出典:協会けんぽ)。
- 退職前から傷病手当金をもらっている場合は、退職後は打ち切りですか?
- 被保険者期間が継続して1年以上あり、資格喪失日の前日に受けているか受けられる状態であれば、退職後も継続して受けられます。支給期間は通算1年6か月です(出典:協会けんぽ)。
- 継続給付の1年には、任意継続の期間も含まれますか?
- 含まれません。任意継続・共済組合の組合員・国民健康保険の期間は除いて数えます(出典:協会けんぽ)。
- 国民健康保険には傷病手当金がありますか?
- 法律上は、市町村が条例で定めれば支給できる任意の給付です。実際に支給しているかは自治体で異なるため、窓口で確認してください(出典:国民健康保険法58条2項)。

