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従業員への制服・作業服の支給は給与課税される?

会社が従業員に制服や作業服を支給・貸与したとき、給与として課税されるかは、着る場所と対象者で決まります。

所得税法・国税庁の質疑応答で確認
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

職務の性質上、制服を着用しなければならない従業員に会社が制服を支給しても、その経済的利益は所得税が非課税です。私服としても着られるスーツや背広は、制服として支給しても給与として源泉徴収が必要になります。

制服代を会社の経費にするかどうかと、従業員の給与として課税されるかどうかは別の話です。この記事は、従業員側の課税の有無を中心に整理します。

制服が非課税になる根拠

所得税法9条1項6号は、給与所得者が職務の性質上、制服を着用すべき場合に使用者から支給される制服その他の身回品を、非課税としています。施行令21条は、その制服の支給と、貸与を受ける利益を対象にしています。

会社が購入して貸し出す場合と、現物で支給する場合のどちらも、この条文の対象です。

事務服・作業服の非課税の要件

所得税基本通達9-8は、専ら勤務場所のみで着用する事務服、作業服などを、令21条の制服に準じて扱って差し支えないとしています。

国税庁の質疑応答(源泉所得税3-27)では、非課税として扱える事務服・作業服の要件を、次の2つとしています。

  • 専ら勤務する場所で通常の職務を行う上で着用するもので、私用には着用しない、または着用できないもの
  • その職場に属する者の全員、または一定の仕事に従事する者の全員を対象として支給するもの

特定の人だけに支給するときは、後者の要件を満たさない可能性があります。支給の基準は、書面に残しておくと説明しやすくなります。

課税になる場合

同じ質疑応答は、背広など私服としても着られるものを制服として支給した場合は、給与として源泉徴収が必要だと回答しています。実際に仕事中に着ていても、要件を満たさなければ非課税にはなりません。

別の質疑応答(源泉所得税5-12)には、ホステスの衣装代の事例があります。次のように分かれます。

衣装の例源泉徴収の扱い
その事業所のみでしか使えないデザイン・色調のもの、または事業所に常備して事業所のみで使うもの基本通達9-8に準じて、強いて課税しなくて差し支えない
事業所以外でも使えるものを、自己名義で購入させて会社が代金を負担したもの報酬として源泉徴収が必要

業種は異なっても、「その場所でしか使わないか」「私服として使えるか」が分かれ目になる点は、事務服や作業服にも参考になります。給与課税の全体像は、従業員への福利厚生費の課税で整理しています。

取得価額が少額のときの処理

制服や作業服を会社が購入して貸与するとき、取得価額の大きさによっては、減価償却資産の扱いが関係します。国税庁のタックスアンサーNo.5403では、使用可能期間が1年未満のもの、または取得価額が10万円未満のものは、少額の減価償却資産として扱われます。

取得価額は、通常1単位として取引される単位ごとに判定します。

制服のクリーニング代を会社が負担した場合や、役員の制服の扱いは、国税庁の資料で個別の定めを確認できませんでした。勘定科目も、会社の経理方針で決める部分です。判断に迷う場合は、税務署か税理士に確認してください。

支給前の確認の手順

  1. 職務上、その服を着る必要があるかを確認します。
  2. 勤務場所だけで着るものか、私服としても着られるものかを確認します。
  3. 対象を全員、または一定の仕事の全員にそろえます。
  4. 支給・貸与のルールを、社内の規程やメモに残します。
  5. 私服としても着られるものを支給するときは、給与としての源泉徴収が必要かを税務署に確認します。

よくある質問

会社が従業員に制服を支給すると、給与になりますか?
職務の性質上、制服を着用すべき従業員に支給する制服は、所得税法9条1項6号により非課税です。貸与を受ける利益も対象です。
作業服や事務服は、制服と同じ扱いですか?
専ら勤務場所のみで着用する事務服・作業服は、基本通達9-8により、制服に準じて取り扱って差し支えないとされています。
スーツを制服として支給すると、課税されますか?
国税庁の質疑応答では、背広など私服としても着られるものを制服として支給した場合は、給与として源泉徴収が必要だと回答しています。
特定の従業員だけに作業服を支給しても非課税ですか?
質疑応答は、職場の全員、または一定の仕事に従事する者の全員を対象にすることを要件の1つにしています。一部の人だけへの支給は、この要件を満たすか確認が必要です。

まとめ

  • 職務上、制服を着用すべき従業員への制服の支給・貸与は、所得税が非課税。
  • 勤務場所のみで着る事務服・作業服は、通達9-8により制服に準じて扱える。
  • 要件は、私用に着ないこと、そして全員または一定の仕事の全員が対象であること。
  • 私服としても着られるスーツや背広は、制服として支給しても源泉徴収が必要。
  • 取得価額10万円未満は少額の減価償却資産。クリーニング代や役員の制服は、国税庁の個別の定めを確認できなかった。

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本記事について。税理士監修前のプロトタイプによる整理です。個別の支給が非課税になるかは事実関係で変わり、判断は税務署や税理士によります。出典:e-Gov法令検索、国税庁。