小規模企業共済の契約者貸付|一般貸付と特別貸付の限度額・利率・返済
小規模企業共済に加入していると、解約せずに掛金の範囲内でお金を借りられます。一般貸付と特別貸付(緊急経営安定・傷病災害時など)の借入条件、利率、返済方法を、中小機構の案内にもとづき整理します。
中小機構の制度小規模企業共済の契約者貸付は、掛金の7〜9割の範囲で、一般貸付なら10万円以上2,000万円以内を、担保・保証人なしで借りられる制度です。一般貸付の利率は年1.5%で、借りるには12か月以上の掛金納付が要ります。
売上の減少や入院など特別な事情があるときは、年0.9%の特別貸付もあります。借入条件を一覧にして、どれを選ぶかの目安をまとめます。
貸付の種類と利率
契約者貸付には、簡易迅速に借りられる「一般貸付」と、特別な事情がある場合に借りられる「特別貸付」があります。いずれも、納付した掛金から算定した貸付限度額の範囲内で借入れできます。
| 貸付の種類 | 使える場面 | 利率(年) |
|---|---|---|
| 一般貸付 | 事業資金や生活資金など。迅速に借りられる | 1.5% |
| 緊急経営安定貸付け | 一時的な売上減少で資金繰りに著しく支障があるとき | 0.9% |
| 傷病災害時貸付け | 入院や災害の被害で経営の安定に支障が出たとき | 0.9% |
| 福祉対応貸付け | 契約者や同居親族のための住宅改造・福祉機器購入 | 0.9% |
| 創業転業時・新規事業展開等貸付け | 新規開業・転業、事業多角化の資金 | 0.9% |
| 事業承継貸付け | 事業用資産や株式等の取得に要する資金 | 0.9% |
| 廃業準備貸付け | 個人事業の廃止や会社の解散を円滑に行う資金 | 0.9% |
利率は金利情勢などを踏まえて設定されます。上の表は中小機構の案内に載っている2026年10月24日時点の利率です。
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一般貸付の借入資格と条件
一般貸付を借りるには、次の2つの条件を、貸付資格を判定する4月末日・10月末日の時点で満たす必要があります。
- 加入後、12か月以上の掛金を納付していること(前納掛金は含みません)
- 納付した掛金から算定した貸付限度額が10万円以上に達していること
判定した貸付資格と限度額が使えるのは、4月末判定なら同年10月1日から、10月末判定なら翌年4月1日からです。限度額は年に2回(4月・10月)設定されるため、加入して12か月たった直後でもすぐ借りられるとは限りません。
| 項目 | 一般貸付 |
|---|---|
| 借入限度額 | 掛金の範囲内(納付月数により掛金の7〜9割)で、10万円以上2,000万円以内(5万円単位) |
| 使途 | 事業に必要な運転資金、その他事業に関連する資金、または生活資金 |
| 借入期間 | 100万円以下は6か月・12か月/105万〜300万円は24か月まで/305万〜500万円は36か月まで/505万円以上は60か月まで |
| 返済方法 | 6か月・12か月は期限一括償還、24・36・60か月は6か月ごとの元金均等割賦償還 |
| 担保・保証人 | 不要 |
| 申込み | 随時受付。登録した代理店(登録がなければ商工組合中央金庫の本店または支店) |
すでに借入中の人が増額できる額は、貸付限度額から現在の借入残高を引いた額です。
特別貸付の条件(緊急経営安定・傷病災害時)
特別貸付は、一般貸付の資格を取得している共済契約者が対象で、借入限度額は掛金の範囲内(納付月数により掛金の7〜9割)です。特別貸付のうち、使う場面が多い2つの条件を並べます。
| 項目 | 緊急経営安定貸付け | 傷病災害時貸付け |
|---|---|---|
| 主な要件 | 最近3か月間または6か月間の売上高が前年同期に比べて5%以上減少し、今後も減少が見込まれることなど。商工会・商工会議所などの確認が要る | 疾病・負傷で5日以上入院(退院後の通院を含め5日間)し診断書で証明できること。災害は、被害の証明(罹災証明など)が要る |
| 申込期間 | 売上高が減少した期間の最終月の翌月から3か月以内 | 入院した日、または災害が発生した日から6か月以内 |
| 借入限度額 | 50万円以上1,000万円以内(5万円単位) | 50万円以上1,000万円以内(5万円単位)。計算式で得た額が1,000万円を超えるときはその額 |
| 借入期間 | 500万円以下は36か月、505万円以上は60か月 | 500万円以下は36か月、505万円以上は60か月 |
| 返済方法 | 6か月ごとの元金均等割賦償還 | 6か月ごとの元金均等割賦償還 |
| 利率 | 年0.9% | 年0.9% |
緊急経営安定貸付けと、疾病・負傷による傷病災害時貸付けは、事前に中小機構への借入申込みが必要です。
利息の払い方と返済方法
一般貸付で期限一括償還の場合、利息は借入時に一括前払いです。たとえば年1.5%で100万円を12か月借りると、前払いする利息は1万5,000円になります(利率が変わっていなければ。試算です)。
割賦償還の場合は、借入時と返済時に6か月分の利息を前払いします。緊急経営安定貸付けと傷病災害時貸付けも、貸付時と償還時に6か月分前払いです。
借入期間内に返せないときは、新たな借入契約を結び、約定利子を払って借り換えができます。6か月・12か月の期限一括償還では、同額借換・減額借換・増額借換の手続きが用意されています。
利用前の注意点
- 返済が滞ると年14.6%:借入金の返済が滞ると、年利14.6%の延滞利子が発生します。
- 限度額は掛金残高で決まる:借入れできるのは掛金の範囲内です。掛金の納付月数により、掛金の7〜9割の範囲で決まります。
- 貸付資格は年2回の判定:一般貸付は4月末と10月末の判定のため、資格がそろう時期をあらかじめ確認します。
- 制度の最新情報:利率や限度額の扱いは見直されることがあります。申込みの前に、中小機構の契約者向けページで確認してください。
取引先が倒産していなくても借りられる経営セーフティ共済の貸付については、一時貸付金の解説で整理しています。
次に知りたいこと
公式一次情報
- 中小機構 小規模企業共済 契約者貸付の概要(借入資格・限度額・借入期間・返済方法・各貸付の要件。2026-10-24確認)
- 中小機構 小規模企業共済 共済契約者貸付(貸付の種類・最新の利率表・延滞利子。2026-10-24確認)
よくある質問
- 小規模企業共済は解約せずにお金を借りられますか?
- 借りられます。納付した掛金から算定した貸付限度額の範囲内で、契約者貸付を利用できます。
- 一般貸付はいつから借りられますか?
- 加入後、貸付資格を判定する4月末日・10月末日までに12か月以上の掛金を納付し、貸付限度額が10万円以上になっていることが条件です。前納掛金は納付月数に含みません。
- いくらまで借りられますか?
- 一般貸付は、掛金の範囲内(納付月数により掛金の7〜9割)で10万円以上2,000万円以内です。特別貸付の緊急経営安定貸付けと傷病災害時貸付けは50万円以上1,000万円以内です。
- 利率はいくらですか?
- 一般貸付は年1.5%、特別貸付は年0.9%です(2026年10月24日時点の中小機構の案内)。利率は金利情勢などで変わります。
- 担保や保証人は要りますか?
- 一般貸付、緊急経営安定貸付け、傷病災害時貸付けのいずれも、担保・保証人は不要です。
- 返済が遅れたらどうなりますか?
- 年利14.6%の延滞利子が発生します。

