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法人事業税の中間申告(予定申告)の計算式・不要になる条件

事業年度が6か月を超える法人が都道府県に出す法人事業税の予定申告について、地方税法72条の26に沿って、納める額の計算式、仮決算との関係、10万円以下で不要になる条件、出し忘れたときの扱いを整理します。

地方税法の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

法人税の中間申告は知っていても、法人事業税にも同じ時期に「予定申告」があることは見落としやすい点です。事業を行う法人は、事業年度が6か月を超えるとき、事業年度開始から6か月を経過した日から2か月以内に、事務所や事業所のある都道府県へ予定申告をして納めます(地方税法72条の26第1項)。

この記事では、予定申告の税額の求め方、仮決算を選べる条件、法人税の中間申告が不要なときに事業税も不要になる仕組み、出し忘れた場合の扱いを順に説明します。法人税の中間申告は法人税の中間申告(予定申告・仮決算)、確定申告時の事業税は法人事業税の所得割で扱っています。

対象と提出期限

対象は、事業年度が6か月を超える法人です。たとえば12か月の事業年度なら、開始から6か月を経過した日から2か月以内が提出と納付の期限になります。

設立後最初の事業年度は、この「6か月を超える」の判定から除かれています(適格合併による設立など一部の例外あり)。そのため、法人成りして最初の期は、予定申告の対象にならないのが原則です。

申告先は、事務所や事業所のある都道府県です。申告書には、事業の種類、中間期間中に有していた事務所・事業所の名称と所在地、納める事業税額などを書きます(同条4項)。

予定申告の税額の求め方

前年度の実績をもとにする予定申告では、次の算式で計算した額を申告納付します。

算式:前事業年度の事業税として、6か月経過日の前日までに納付した税額と納付すべきことが確定した税額の合計額 ÷ 前事業年度の月数 × 中間期間の月数

中間期間とは、事業年度の開始の日から、6か月経過日の前日までの期間です。月数は暦に従って数え、1か月に満たない端数が出たときは1か月として扱います(同条6項)。

たとえば、前事業年度(12か月)の事業税が120万円で確定していて、今期の中間期間が6か月なら、120万円 ÷ 12 × 6 = 60万円が予定申告の額です。これは計算の仕組みを示す架空の数字で、実際の額は前期に納付・確定した税額で決まります。

円未満の端数の扱いは、申告書の様式や都道府県の案内で確認してください。

仮決算で申告する場合

中間期間を1事業年度とみなして仮決算を行い、その期間の所得などから事業税を計算する方法もあります。ただし使えるのは、仮決算で計算した事業税額が、上の算式による予定申告の額を超えないときに限られます(同条1項ただし書)。

仮決算のほうが金額が大きくなる場合は選べず、予定申告の額で申告することになります。前期より業績が落ちている場合に、仮決算で納める額を減らせる可能性がある、という位置づけです。仮決算を選ぶときは、中間期間の貸借対照表や損益計算書などの書類を添えます(同条4項)。

申告が要らなくなる場合

法人税の中間申告の予定申告の算式(法人税法71条1項1号)で計算した金額が10万円以下の普通法人、またはその金額がない普通法人は、法人税の中間申告書を出す必要がありません。地方税法72条の26第8項は、この法人や、法人税の中間申告書を提出しなくてよい法人について、事業税の予定申告も不要としています。

つまり、事業税には独自の10万円基準はなく、法人税の判定にそろえる形です。法人税の側の判定は法人税の中間申告の解説で扱っています。

ただし、この免除には例外があります。外形標準課税の対象法人(付加価値割・資本割を申告する法人)と、電気供給業・ガス供給業・保険業などで収入割を申告する事業を行う法人は、法人税が不要でも事業税の予定申告は不要になりません(同項ただし書)。所得割だけを申告する法人(資本金1億円以下の普通法人など)はこの例外に入らないため、法人税が不要なら事業税も不要です。

外形標準課税かどうかは、前事業年度の事業税の区分で判定します(同条9項)。外形標準課税の対象は外形標準課税の対象判定で説明しています。

申告納付しなかった場合

予定申告が必要なのに期限までに申告納付しなかった場合、期限が過ぎた時点で、予定申告の申告書が提出されたものとみなされます。そのうえで、納める事業税は期限内に都道府県へ納付しなければなりません(同条5項)。

申告書を出していなくても、納付の義務は期限どおりに生じる、という点が重要です。遅れた場合の延滞金などは都道府県の案内で確認してください。

事業年度が終わったあとの確定申告の期限と方法は法人事業税の所得割にあります。

まとめ

  • 事業年度が6か月を超える法人は、6か月経過日から2か月以内に事業税の予定申告が必要。設立後最初の事業年度は原則として対象外。
  • 予定申告の額は、前期の事業税額 ÷ 前期の月数 × 中間期間の月数。
  • 仮決算は、その税額が予定申告の額を超えないときだけ選べる。
  • 法人税の中間申告が不要なら事業税も不要。ただし外形標準課税の法人などは例外。
  • 出し忘れても申告があったものとみなされ、納付は期限内に必要。

よくある質問

法人事業税にも中間申告はありますか?
あります。事業年度が6か月を超える法人は、6か月経過日から2か月以内に、予定申告として都道府県へ申告納付します(地方税法72条の26第1項)。
法人成りして最初の事業年度でも予定申告は必要ですか?
設立後最初の事業年度は、6か月を超えるかどうかの判定から除かれています。適格合併による設立などの例外があるため、該当しそうなときは都道府県に確認してください。
予定申告の額はどう計算しますか?
前事業年度の事業税のうち、6か月経過日の前日までに納付・確定した額を前事業年度の月数で割り、中間期間の月数を掛けます。
法人税の中間申告が不要なら事業税も不要ですか?
原則として不要です。ただし外形標準課税の対象法人や、電気・ガス供給業・保険業などで収入割を申告する法人は、法人税が不要でも予定申告が必要です。
予定申告をうっかり出さなかったらどうなりますか?
期限が過ぎた時点で申告書の提出があったものとみなされ、納付は期限内に必要です。納付が遅れた場合の扱いは都道府県の案内で確認してください。

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。地方税法72条の26の条文で確認できた範囲を整理したもので、個別の法人の申告要否や納付額を保証するものではありません。実際の申告は、事務所のある都道府県の案内や税理士にご確認ください。