法人事業税の税率|資本金1億円以下は所得割のみ・東京都は3.5〜7.0%
資本金1億円以下の法人にかかる法人事業税を、地方税法と東京都主税局の案内で整理します。所得割だけがかかる仕組み、東京都の税率表(年400万円以下3.5%・800万円以下5.3%・超える部分7.0%)、特別法人事業税37%、経費にできる時期、架空条件の計算例を説明します。
法人化(法人成り)法人事業税は、事務所や事業所のある都道府県に納める税です(地方税法72条の2)。資本金1億円以下の法人は、所得に税率をかける所得割だけがかかり、外形標準課税の対象ではありません。
この記事は、東京都の税率表、特別法人事業税、経費にできる時期、事業年度が1年に満たないときの月割を整理します。法人税の税率は法人税の税率、法人住民税の定額部分は法人住民税の均等割で扱っています。
法人事業税の仕組み(所得割・外形標準課税)
法人事業税は、付加価値割・資本割・所得割・収入割の区分で課されます(地方税法72条の2)。このうち、資本金の額または出資金の額が1億円以下の普通法人は、原則として所得割だけです。
地方税法72条の2には、所得割だけになる法人から除く規定があります。例外に当たるかは、東京都主税局の外形標準課税の案内で確認してください。
付加価値割と資本割を加えて課税する外形標準課税は、東京都主税局が資本金1億円超の普通法人を対象と案内しています。法人成りした一人会社の多くは、資本金が1億円以下のため、外形標準課税は関係しません。
資本金が1億円以下かどうかは、事業年度の終了の日の現況で判定します。法人事業税には、法人住民税のような均等割はありません。
東京都の所得割の税率表
東京都主税局の税率表では、令和4年4月1日以後に開始する事業年度の所得割は、次のとおりです。
| 所得の区分 | 標準税率 | 超過税率 |
|---|---|---|
| 年400万円以下の部分 | 3.5% | 3.75% |
| 年400万円超800万円以下の部分 | 5.3% | 5.665% |
| 年800万円を超える部分 | 7.0% | 7.48% |
東京都は超過課税を実施しており、資本金の額と所得の大きさで異なる税率を適用する不均一課税を行っています。都の判定図では、資本金1億円以下で、年所得が2,500万円以下の普通法人は、表の標準税率の欄が当てはまります。資本金が1億円を超える法人や、年所得が2,500万円を超える法人は、超過税率の欄です。
判定は事業年度終了の日の現況によります。都道府県ごとに税率は違い、事務所が複数の都道府県にある法人は所得を分割して計算します。
実際の税率は、事務所のある都道府県の税率表で確認してください。令和8年度の改正の有無は、申告の前に東京都主税局の最新の案内で確認してください。
特別法人事業税
東京都主税局によると、特別法人事業税は、令和元年度の税制改正で、地方法人課税の税源の偏在を是正するため、法人事業税の一部を分離して創設されました。令和元年10月1日以後に開始する事業年度の申告に適用されています。
納める額は、基準法人所得割額に税率をかけた額です。基準法人所得割額は標準税率で計算した所得割額で、超過税率が適用される法人も標準税率で計算します。外形標準課税法人と特別法人以外の法人の税率は、令和4年4月1日以後に開始する事業年度で37%です。
架空条件の計算例(所得1,200万円)
以下は説明のための架空の条件です。東京都に事務所が1か所だけある資本金1,000万円の普通法人で、事業年度は12か月、法人事業税の課税標準となる所得が1,200万円とします。標準税率の欄が当てはまる場合の概算です。
| 所得の区分 | 所得 | 税率 | 所得割額 |
|---|---|---|---|
| 年400万円以下の部分 | 400万円 | 3.5% | 14万円 |
| 400万円超800万円以下の部分 | 400万円 | 5.3% | 21.2万円 |
| 年800万円を超える部分 | 400万円 | 7.0% | 28万円 |
| 法人事業税(所得割)の合計 | 63.2万円 | ||
| 特別法人事業税(63.2万円×37%)の概算 | 約23.4万円 | ||
実際の税額は、端数の処理や所得の調整で変わります。個別の計算は税理士に確認してください。
経費(損金)にできる時期と月割
国税庁のタックスアンサーNo.5300は、事業税のように申告納税方式による租税は、納税申告書を提出した事業年度に損金に算入すると案内しています。事業年度の利益から差し引ける時期は、納めた事業年度です。
事業年度が1年に満たないときは、400万円と800万円を月割にします。地方税法72条の24の7第6項は、「年四百万円」を「四百万円に当該事業年度の月数を乗じて得た額を十二で除して計算した金額」と読み替えると定めています。月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数は1か月とします。
6か月の事業年度なら、区分の上限は200万円と400万円です。東京都の2,500万円の基準も、月数に応じた額になります。
申告の期限
中間申告を要しない法人は、各事業年度終了の日から2か月以内に、確定した決算に基づき、事務所や事業所のある都道府県に申告して納めます(地方税法72条の25)。定款の定めなどで定時総会が2か月以内に開かれない常況にある法人は、知事の承認を受けると3か月以内になります。
納める税額がない場合も、申告書の提出は必要です(同条14項)。法人税の申告期限の延長は法人税・消費税の申告期限の延長の特例で扱っています。決算から申告までの流れは法人の決算・申告です。
まとめ
- 資本金1億円以下の普通法人は、法人事業税の所得割だけがかかり、外形標準課税の対象ではない(地方税法72条の2、東京都主税局)。
- 東京都の標準税率は、年400万円以下3.5%、800万円以下5.3%、超える部分7.0%(令和4年4月1日以後開始の事業年度)。
- 特別法人事業税は、標準税率で計算した所得割額の37%(東京都主税局)。
- 申告した事業年度に損金に算入する(国税庁タックスアンサーNo.5300)。
- 事業年度が1年未満なら、400万円と800万円を月割にする(地方税法72条の24の7第6項)。
- 申告は事業年度終了の日から原則2か月以内。税率は都道府県で違う。
よくある質問
- 資本金1,000万円の会社の法人事業税はどうなりますか?
- 資本金1億円以下の普通法人は、所得に税率をかける所得割だけです。外形標準課税の対象ではありません(出典:地方税法72条の2、東京都主税局)。
- 東京都の法人事業税の税率はいくらですか?
- 標準税率が当てはまる法人は、年400万円以下の部分3.5%、400万円超800万円以下の部分5.3%、800万円を超える部分7.0%です(出典:東京都主税局の税率表、令和4年4月1日以後開始の事業年度)。
- 特別法人事業税とは何ですか?
- 地方法人課税の税源の偏在を是正するため、令和元年度の税制改正で、法人事業税の一部を分離して創設されました。標準税率で計算した所得割額に37%をかけます(出典:東京都主税局)。
- 法人事業税はいつ経費になりますか?
- 申告納税方式の事業税は、納税申告書を提出した事業年度の損金に算入します(出典:国税庁タックスアンサーNo.5300)。
- 設立初年度で事業年度が短いときの400万円・800万円はどうなりますか?
- 月割になります。400万円や800万円に事業年度の月数をかけて12で割ります。月数の端数は1か月に切り上げます(出典:地方税法72条の24の7第6項)。
公式一次情報
- 東京都主税局 法人事業税・法人都民税(外形標準課税、所得割の税率表、税率の判定。2026-10-07確認)
- 東京都主税局 特別法人事業税(創設の経緯、税率。2026-10-07確認)
- e-Gov法令検索「地方税法」(72条の2・72条の24の7・72条の25。2026-10-07確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.5300 租税公課の損金算入の時期(2026-10-07確認)