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法人税の税率|中小法人は年800万円以下15%・超える部分23.2%

資本金1億円以下の法人に適用される法人税の税率を、国税庁タックスアンサーNo.5759と法人税法66条・租税特別措置法42条の3の2で整理します。軽減税率15%が使えない法人や、事業年度が1年未満のときの月割も説明し、架空条件の計算例をのせています。

法人化(法人成り)
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

法人成りした会社の法人税は、所得に一律の税率をかけるのではなく、資本金1億円以下の法人は、年800万円以下の部分が15%、超える部分が23.2%です(国税庁タックスアンサーNo.5759)。

この記事は、税率が決まる仕組み、15%が使えない法人、事業年度が1年に満たないときの800万円の数え方を整理します。個人の所得税との違いは個人事業と法人の違い、決算から申告までの流れは法人の決算・申告で扱っています。

税率の一覧(中小法人・それ以外)

国税庁のタックスアンサーNo.5759は、普通法人の法人税の税率を、次のとおり示しています(令和7年4月1日以後に開始する事業年度)。

法人の区分所得のうち年800万円以下の部分年800万円を超える部分
資本金1億円以下の普通法人など15%23.2%
上記以外の普通法人23.2%23.2%

法人税法66条1項は、普通法人の税率を23.2%と定めています。同条2項は資本金1億円以下の法人の年800万円以下の部分を19%としており、租税特別措置法42条の3の2が、この部分を15%に引き下げています。国税庁の表の根拠法令にも措置法42条の3の2が挙げられています。

15%が使える法人・使えない法人

15%の対象は、各事業年度の終了の時に、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人(資本または出資を持たない法人を含む)です(法人税法66条2項)。法人成りで設立した一人会社の多くは、資本金が1億円以下のため、この区分に入ります。

資本金が1億円以下でも、次の法人は対象から外れます(法人税法66条5項、国税庁の表の注1)。

  • 資本金5億円以上の法人など、大法人との間に、その大法人による完全支配関係がある普通法人
  • 相互会社、投資法人、特定目的会社、受託法人

措置法42条の3の2の15%には、適用除外事業者も含まれません。適用除外事業者は、事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等で、年800万円以下の部分は19%です(国税庁の表の注2)。グループ通算制度を使う会社の税率は別の定めがあり、国税庁タックスアンサーNo.5900で案内されています。

資本金は、設立時に決めた額のまま使い続ける会社が多く、増資をすると区分が変わる場合があります。資本金の決め方は法人設立時の資本金で扱っています。

架空条件の計算例(所得1,200万円)

以下は説明のための架空の条件です。資本金1,000万円の普通法人で、事業年度は12か月、法人税の計算の基になる所得金額が1,200万円とします。

区分所得税率法人税額
年800万円以下の部分800万円15%120万円
年800万円を超える部分400万円23.2%92.8万円
合計1,200万円―212.8万円

所得が800万円以下なら、全額に15%がかかります。所得が600万円なら、法人税額は90万円です。

ここでの所得金額は、会計上の利益ではなく、税法の調整を経た後の金額です。この記事の額は法人税だけで、法人住民税や事業税は含みません。法人住民税の定額部分は法人住民税の均等割で整理しています。

事業年度が1年未満のときの800万円

設立初年度や決算期変更の年度など、事業年度が1年に満たない場合は、800万円を月割にします。法人税法66条4項は、「年800万円」を「800万円を12で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と読み替えると定めています。

措置法42条の3の2の3項・4項も同じ読み替えを定めており、月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数は1か月とします。

事業年度の月数軽減税率の対象となる所得の上限
12か月800万円
6か月800万円÷12×6=400万円
3か月800万円÷12×3=200万円

架空条件の例として、6か月の事業年度で所得が600万円なら、400万円までが15%で60万円、残りの200万円が23.2%で46.4万円となり、法人税額は106.4万円です。決算期の変更は法人の決算期変更、設立日と決算日の決め方は設立日と決算日で扱っています。

軽減税率の適用期間と令和7年4月以降の注意

措置法42条の3の2の軽減は、平成24年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度が対象として条文に書かれています。期間は改正で変わることがあるため、申告するときは国税庁の最新の案内で確認してください。

国税庁の表の注7によると、令和7年4月1日以後に開始する事業年度で、所得金額が年10億円を超える事業年度は、年800万円以下の部分の税率が17%になります。10億円を超える所得を扱うのは大規模な会社で、一人会社や小規模な会社は通常関係しません。

所得の計算に関わる個別の扱いは、寄附金の損金算入限度額と受取配当等の益金不算入で整理しています。

まとめ

  • 資本金1億円以下の普通法人は、所得のうち年800万円以下の部分が15%、超える部分が23.2%(国税庁タックスアンサーNo.5759)。
  • 15%は、法人税法66条2項の19%を措置法42条の3の2で引き下げたもの。
  • 大法人の完全支配関係がある法人、適用除外事業者などは、15%の対象外。
  • 事業年度が1年に満たないときは、800万円を12で割って月数をかけた額が上限になる(法人税法66条4項)。
  • 法人税のほかに、法人住民税・法人事業税などが別にかかる。

よくある質問

中小企業の法人税率はいくらですか?
資本金1億円以下の普通法人は、所得のうち年800万円以下の部分が15%、超える部分が23.2%です(出典:国税庁タックスアンサーNo.5759)。
所得が800万円を超えたら、全額が23.2%になりますか?
全額ではありません。800万円以下の部分は15%、超えた部分だけが23.2%です。所得1,200万円なら、法人税額は800万円×15%+400万円×23.2%=212.8万円です(出典:同No.5759)。
資本金が1億円を超えると税率はどうなりますか?
各事業年度の終了の時に資本金が1億円を超える普通法人は、年800万円以下の部分の15%を使えず、全体が23.2%です(出典:法人税法66条、同No.5759)。
設立初年度で事業年度が短いときも800万円まで15%ですか?
800万円を12で割って事業年度の月数をかけた額までです。6か月なら400万円までです(出典:法人税法66条4項)。
この税率に法人住民税や事業税は含まれますか?
含まれません。法人税の税率で、法人住民税や事業税は別にかかります。個別の税額は税理士へ確認してください(出典:同No.5759は法人税の税率の案内)。

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。制度・期限は改正される場合があります。個別の判断は税理士・税務署へご確認ください。