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地方法人税とは|税率10.3%・計算と申告期限

地方法人税は、法人税額に10.3%をかけて計算する国税です。法人住民税の法人税割とは別の税で、納め先は税務署(国)です。税率が4.4%から10.3%に変わった経緯、計算の順序と端数処理、中間申告と確定申告の期限を、地方法人税法と国税庁の資料で整理します。

法人化(法人成り)
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

法人税の申告書を見ると、法人税のほかに「地方法人税」の欄があります。地方法人税は、法人税額を課税標準として国に納める税で、税率は10.3%です。法人税を納める義務がある法人は、地方法人税も納める義務があります。

この記事は、地方法人税の税率、計算の順序、申告と納付の期限を扱います。自治体に納める法人住民税の利益部分は法人住民税の法人税割、税金全体の負担率は法人の実効税率を見てください。

要点:地方法人税の額は、法人税額(基準法人税額)に10.3%をかけて計算します。国税庁によると、令和元年10月1日以後に開始する事業年度から10.3%で、それより前に開始した事業年度は4.4%です。申告書は法人税と一つの様式で、期限も法人税と同じく事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。

地方法人税とは(法人税を納める法人が対象)

地方法人税法4条は、法人税を納める義務がある法人に、地方法人税を納める義務があると定めています。個人事業主には関係せず、法人成りして法人税を納める立場になると、新しくかかる国税です。

課税の対象は、法人の各事業年度の基準法人税額です(5条1項)。基準法人税額は、その事業年度の所得にかかる法人税の額から、法人税の延滞税などの附帯税を除いたものです(6条1項1号)。所得税額控除や外国税額控除を適用する前の額を使います。

納税地は、法人税の納税地と同じです(8条1項)。法人税の申告先の税務署が、そのまま地方法人税の申告先になります。

税率(4.4%から10.3%への変更)

地方法人税の額は、課税標準法人税額に10.3%をかけて計算します(地方法人税法10条1項)。課税標準法人税額は、原則として基準法人税額と同じ額です(9条2項。特定同族会社の留保金課税による加算額がある場合は、その額を除きます)。

国税庁は、改正の前後で次のように案内しています。

課税事業年度の開始日地方法人税の税率
令和元年10月1日より前4.4%
令和元年10月1日以後10.3%

この引き上げは、法人住民税の法人税割の税率を下げた分に合わせたものです。国税庁の説明では、法人税割の標準税率を道府県分で3.2%から1%、市町村分で9.7%から6%に下げる一方、地方法人税の税率を5.9%引き上げました。下がった法人税割の標準税率は、冒頭と末尾でリンクした法人住民税の記事で説明しています。

計算の順序と端数処理(架空の例)

課税標準の法人税額は1,000円未満を切り捨て、確定する税額は100円未満を切り捨てます(国税通則法118条1項・119条1項)。

次の数字は説明のための架空の例です。法人税額が1,234,567円の法人とします。

  1. 課税標準:1,234,567円 → 1,000円未満を切り捨てて1,234,000円
  2. 地方法人税:1,234,000円×10.3%=127,102円 → 100円未満を切り捨てて127,100円

基準法人税額が0円の赤字法人は、地方法人税も0円です。法人税額が同じなら、地方法人税は法人税額の約1割強にあたります。

税額の見込みは法人成りシミュレーターでも確認できます。表示は概算で、実際の税額は申告書で確定します。

申告と納付(税務署へ・法人税と同じ期限)

確定申告は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、税務署長へ申告書を提出します(19条1項)。納付は、申告書の提出期限までに国へ行います(21条1項)。法人税の申告期限が延長されている場合は、地方法人税の期限も延長後の期限になります(19条4項)。

国税庁によると、地方法人税の確定申告書は法人税の確定申告書と一つの様式で、別表一から別表一の三までを使います。平成31年4月1日以後に終わる事業年度の様式には4.4%と10.3%の両方が書かれているため、事業年度の開始日に応じて使う税率に注意が必要です。

中間申告は、法人税の中間申告書を出す法人が対象です(16条)。事業年度開始から6か月を経過した日から2か月以内に、前の事業年度の地方法人税額を月数で割って6か月分にした額などを記載して提出します。

決算から申告までの流れは法人の決算と確定申告、中小法人の法人税率は法人税率(年800万円以下の部分)で説明しています。

法人住民税の法人税割との違い

どちらも法人税額を基準にしますが、別の税です。

項目地方法人税法人住民税の法人税割
種類国税地方税(道府県民税・市町村民税)
納め先税務署(国)都道府県・市町村
標準的な税率10.3%道府県民税1%+市町村民税6%=7%
根拠地方法人税法10条地方税法51条・314条の4

法人住民税の法人税割の標準税率は自治体の条例で決まるため、実際の税率は納税地ごとに違います。地方法人税の税率は全国で同じです。

次に知りたいこと

まとめ

  • 地方法人税は国税で、法人税を納める法人が、法人税額に10.3%をかけて納める。
  • 税率は令和元年10月1日より前に開始した事業年度が4.4%、以後に開始する事業年度が10.3%。
  • 課税標準は1,000円未満、確定税額は100円未満を切り捨てる。
  • 申告書は法人税と一つの様式で、期限も事業年度終了の日の翌日から2か月以内。
  • 法人住民税の法人税割は別の税で、納め先は自治体。

公式一次情報

よくある質問

地方法人税の税率はいくらですか?
令和元年10月1日以後に開始する課税事業年度は10.3%です。それより前に開始した事業年度は4.4%でした(出典:地方法人税法10条、国税庁)。
地方法人税と法人住民税の法人税割は同じものですか?
別の税です。地方法人税は国税で税務署へ、法人税割は地方税で都道府県・市町村へ納めます。
赤字の場合も地方法人税はかかりますか?
課税標準は基準法人税額なので、法人税額が0円なら地方法人税も0円です(出典:地方法人税法9条・10条)。
地方法人税の申告期限はいつですか?
事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。法人税と一つの様式で、あわせて申告します(出典:地方法人税法19条1項、国税庁)。
個人事業主にも地方法人税はかかりますか?
かかりません。地方法人税は、法人税を納める義務がある法人が対象です(出典:地方法人税法4条)。
本記事について。税理士監修前の概説です。制度・税率は改正される場合があります。個別の税額は、管轄の税務署または税理士へご確認ください。

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