特別法人事業税とは|税率37%・260%・34.5%と計算方法
法人事業税の申告書に載っている「特別法人事業税」は、法人事業税とは別の国税です。誰が払うのか、税率はどう決まるのか、いくらになるのかを、東京都主税局と総務省の資料で整理します。
法人事業税特別法人事業税は、令和元年度の税制改正で、地方法人課税の税源の偏在を是正するために創設された国税です。税額は「標準税率で計算した法人事業税の所得割額(基準法人所得割額)」に、法人の種類ごとの税率を掛けて求めます。資本金1億円以下の普通法人は37%です。
- 法人事業税を申告する法人が、法人事業税と同じ申告書で納めます。
- 税率は所得の大きさではなく、法人の種類で決まります(外形標準課税法人260%、特別法人34.5%、それ以外37%)。
- 法人税の計算では損金に算入でき、別表五(二)に法人事業税とあわせて記載します。
特別法人事業税とは
東京都主税局によると、特別法人事業税は令和元年度税制改正で、地方法人課税における税源の偏在を是正するため、法人事業税の一部を分離して創設されました。令和元年10月1日以後に開始する事業年度の申告から適用されています。
総務省の資料では、平成20年度に始まった地方法人特別税・地方法人特別譲与税が令和元年9月30日で終了し、特別法人事業税・特別法人事業譲与税に引き継がれたと整理されています。
特別法人事業税は国税です。都道府県が法人事業税とあわせて申告を受けて徴収し、国に払い込み、人口を基準に各都道府県へ譲与されます。
納める人は、法人事業税の所得割または収入割を申告納付する法人です。法人事業税がかからない法人は、特別法人事業税もかかりません。
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税率は法人の種類で決まる
東京都主税局の税率表では、所得割に対する課税標準(基準法人所得割額)の税率は次のとおりです。令和元年10月1日以後に開始する事業年度から、この3区分の率は変わっていません。
| 法人の種類 | 税率 |
|---|---|
| 外形標準課税法人(資本金1億円超の普通法人など) | 260% |
| 特別法人(協同組合など) | 34.5% |
| 外形標準課税法人・特別法人以外の法人(資本金1億円以下の普通法人など) | 37% |
電気・ガス供給業など、収入割で法人事業税を納める法人の基準法人収入割額には、30%、40%、62.5%の税率があります。
計算の流れと例
課税標準の基準法人所得割額は、標準税率で計算した法人事業税の所得割額です。東京都主税局は、法人事業税に超過税率が適用されている場合も、標準税率で計算するとしています。
法人事業税の所得割の標準税率は、総務省の税率一覧表(令和6年4月1日現在)で、普通法人の軽減税率適用法人が年400万円以下の部分3.5%、年400万円超800万円以下の部分5.3%、年800万円超の部分7.0%です。
例として、標準税率の適用を受ける資本金1億円以下の普通法人で、法人事業税の課税所得が年800万円の場合を計算します。端数処理は省いた概算です。
| 手順 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 年400万円以下の部分 | 400万円 × 3.5% | 14万円 |
| 年400万円超800万円以下の部分 | 400万円 × 5.3% | 21万2,000円 |
| 基準法人所得割額 | 14万円 + 21万2,000円 | 35万2,000円 |
| 特別法人事業税 | 35万2,000円 × 37% | 13万240円 |
法人事業税そのものの税率表と、経費にできる時期は資本金1億円以下の法人にかかる法人事業税で確認できます。
申告・納付と法人税の扱い
東京都主税局によると、特別法人事業税は法人事業税と同じ申告書で、あわせて申告納付します。法人事業税だけ、特別法人事業税だけを納めることはできません。
法人事業税に超過税率が適用される法人は、標準税率で計算した額を示す書類(第6号様式別表14)もあわせて提出します(東京都主税局のQ&A)。
法人税の所得計算では、法人税法38条が損金に算入できない租税を列挙しており、特別法人事業税はそこに含まれないため損金に算入できます。法人税の申告書の別表五(二)には、「事業税及び特別法人事業税」の欄に合算額を記載します。
決算書や法人税の申告全体の流れは、法人の決算・確定申告の流れで確認できます。実効税率の全体像は法人の実効税率が参考になります。
確認できなかった点と今後の見直し
- 損金に算入する事業年度(納付した年度か、申告・確定した年度か)は、東京都主税局の上記ページでは確認できていないため、この記事では扱いません。
- 都道府県ごとの超過税率の採用状況は、この記事の対象外です。標準税率で説明しています。
- 総務省が示した令和8年1月21日付の事務連絡では、与党大綱の記述として、法人事業税の資本割を特別法人事業税・譲与税の対象に加えることなどを検討し、令和9年度税制改正で結論を得るとされています。決定した内容ではないため、今後の改正で税率や対象が変わる可能性があります。
よくある質問
- 特別法人事業税は法人事業税と何が違いますか?
- 法人事業税は都道府県の税で、特別法人事業税は国税です。申告は同じ申告書で、法人事業税とあわせて都道府県に行います。
- 資本金1億円以下の会社の特別法人事業税の税率は?
- 外形標準課税法人でも特別法人でもない普通法人は、基準法人所得割額の37%です(東京都主税局の税率表)。
- 赤字でも特別法人事業税はかかりますか?
- 所得割で課税される法人は、課税標準が標準税率で計算した所得割額なので、所得割が0円なら特別法人事業税も0円です。ただし、外形標準課税法人は資本割・付加価値割が別にかかり、電気・ガス供給業など収入割の法人は赤字でも課税されます。
- 特別法人事業税は経費にできますか?
- 法人税法38条の損金不算入の租税に含まれないため、損金に算入できます。申告書では別表五(二)に法人事業税とあわせて記載します。
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