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法人住民税の均等割|赤字でも払う年7万円の仕組みと税率表

法人住民税の均等割が、所得に関係なく赤字でもかかる理由と、資本金等の額・従業者数ごとの標準税率(道府県民税・市町村民税)を、地方税法の条文と東京都の案内で整理します。特別区のみに事務所がある場合の年7万円の内訳、月割の計算例つき。

法人化(法人成り)
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

法人住民税には、利益の有無にかかわらず定額でかかる均等割があります。東京都は、都内に事務所を持つ法人は赤字決算でも法人都民税の申告と納付が必要と案内しています。

この記事は、均等割の税率表、資本金等の額と従業者数の数え方、設立した年度の月割を整理します。法人成り後の地方税の届出は法人成り後の地方税の届出、資本金の決め方は法人設立時の資本金で扱っています。

均等割とは(赤字でもかかる)

法人住民税は、所得に応じてかかる法人税割と、資本金等の額と従業者数に応じて定額でかかる均等割からなります。総務省の資料は、均等割を「資本金等の額、従業者数に応じて定額の負担を求めるもの」と説明しています。

均等割は所得を基準にしないため、赤字でも納付が必要です。東京都主税局のQ&Aは、都内に事務所または事業所を有する法人は赤字決算でも法人都民税の申告と納付が必要と答えています。

個人事業主の住民税の均等割は別の制度です。個人側は個人事業主の住民税で扱っています。

標準税率表(道府県民税・市町村民税)

標準税率は地方税法に定められています。道府県民税は52条1項、市町村民税は312条1項です。道府県民税は従業者数で区分されず、資本金等の額だけで決まります。

資本金等の額道府県民税(年額)
1,000万円以下2万円
1,000万円超〜1億円以下5万円
1億円超〜10億円以下13万円
10億円超〜50億円以下54万円
50億円超80万円

市町村民税は、資本金等の額に加えて従業者数が50人以下か50人超かで分かれます。

資本金等の額従業者数50人以下従業者数50人超
1,000万円以下5万円12万円
1,000万円超〜1億円以下13万円15万円
1億円超〜10億円以下16万円40万円
10億円超41万円50億円以下は175万円、50億円超は300万円

表は標準税率です。実際の税額は各自治体の条例で決まり、総務省の資料は市町村民税の制限税率を標準税率の1.2倍としています。納付先の自治体の税率表で確認してください。

東京23区の場合の年額

特別区のみに事務所がある法人は、道府県分と特別区分を合わせた額を、東京都に申告して納めます。東京都の税率表では、次の額です。

資本金等の額従業者数50人以下従業者数50人超
1,000万円以下70,000円140,000円
1,000万円超〜1億円以下180,000円200,000円
1億円超〜10億円以下290,000円530,000円

法人成りで資本金を1,000万円以下にし、従業者が50人以下の小さな会社なら、特別区のみに事務所がある場合の年額は7万円です。内訳は道府県分2万円と特別区分5万円で、前の節の標準税率表の1,000万円以下・50人以下の額と一致します。

市町村のみに事務所がある法人は、都分の2万円を都へ、市町村分を各市町村へ申告します。

資本金等の額と従業者数の数え方

東京都の手引は、資本金等の額を「資本金の額または出資金の額」と、株主等から払い込まれた財産のうち資本金に組み入れられなかったもの(資本準備金など)の合計額としています(法人税法施行令8条)。資本金の額だけでなく、資本準備金を足した額で区分を判定します。

無償減資などによる調整後の額が、資本金の額と資本準備金の額の合算額に満たない場合は、合算額を使います(地方税法52条4項・5項、312条6項・7項)。

判定の時点は、確定申告と中間申告では算定期間の末日、予定申告では前事業年度末です。従業者数は、東京都の手引では算定期間の末日現在の従業者数と、事務所等を有していた月数で判定します。従業者に含める人の範囲の細かい規定は、東京都の手引で確認してください。

資本金を1,000万円に近づけて設定する場合は、資本準備金を足した額が1,000万円を超えないかを確認します。超えると区分が上がり、道府県民税は5万円、市町村民税は50人以下で13万円になります。

月割の計算

地方税法312条4項は、均等割の額を、年額に事務所等を有していた月数を乗じて12で割って算定すると定めています。月数は暦に従って計算し、1か月に満たないときは1か月とし、1か月に満たない端数が生じたときは切り捨てます。東京都の手引は、計算後の100円未満は切り捨てると案内しています。

架空条件の例

以下は説明のための架空の条件です。資本金等の額が1,000万円以下・従業者数50人以下の会社が、特別区のみに事務所を置き、事業年度の初日から12か月を通じて事務所を有していた場合は、70,000円です。

事務所等を有していた月数計算均等割額
12か月70,000円×12÷1270,000円
8か月70,000円×8÷12=46,666円46,600円(100円未満切捨て)
3か月70,000円×3÷12=17,500円17,500円

設立した年度だけの特別な規定は条文から確認できていません。事務所を有していた月数による月割が使われる、と考えるのが条文に沿います。個別の月数の数え方は、納付先の自治体に確認してください。

休業中・複数の事務所がある場合

事業を休んでいても、事務所等がある限り均等割は続きます。東京都日野市のよくある質問は、休業するときは法人異動届出書に休業の旨を書いて出すよう案内し、休業中の均等割の取扱いは自治体ごとに違うと説明しています。京都市は、休業届と現況申立書の提出を求め、再開の見通しが明確でない場合は事務所がないものとして扱い、一時的な休業は課税が続くと案内しています。

東京都の均等割の免除は、収益事業を行わないNPO法人などが対象で、期限までに申告書と免除申請書を出す必要があります。営利法人の休業向けの免除は、東京都の公式ページでは確認できていません。会社をたたむ場合は法人の解散・清算、長く動かしていない会社は休眠会社で整理しています。

複数の自治体に事務所がある場合、均等割は事務所のある自治体ごとにかかります。東京都の手引は、2つ以上の特別区に事務所がある場合、主たる事務所の区の額に、従たる事務所のある区の数に応じた額を加えると定めています。従たる事務所の額は資本金等の額と従業者数の区分で違い、資本金等1,000万円以下・従業者50人以下では50,000円です。

まとめ

  • 均等割は所得に関係なく、赤字でもかかる(東京都主税局Q&A)。
  • 標準税率は、道府県民税が資本金等の額で2万〜80万円、市町村民税が資本金等の額と従業者数で5万〜300万円(地方税法52条・312条)。
  • 特別区のみに事務所がある、資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の法人は年70,000円(東京都の税率表)。
  • 資本金等の額は、資本金に資本準備金などを加えた額で見る。
  • 事務所等を有していた月数で月割し、100円未満は切り捨てる。
  • 休業中の扱いは自治体ごとに違うため、納付先へ確認する。

よくある質問

赤字でも法人住民税は払いますか?
均等割は払います。東京都は、都内に事務所を有する法人は赤字決算でも法人都民税の申告と納付が必要と案内しています(出典:東京都主税局)。
均等割はいくらですか?
資本金等の額と従業者数で決まります。特別区のみに事務所がある、資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の法人は年70,000円です(出典:東京都の都民税均等割の税率表)。
資本金1,000万円にすると均等割は上がりますか?
区分は「1,000万円以下」と「1,000万円超」で分かれ、1,000万円ちょうどは下の区分です。ただし資本準備金を足した資本金等の額で判定するため、足して1,000万円を超えると上がります(出典:地方税法52条・312条、東京都の手引)。
設立した年度の均等割は月割になりますか?
年額に事務所等を有していた月数を乗じて12で割ります。1か月未満は1か月とし、端数は切り捨てます(出典:地方税法312条4項)。
休業中でも均等割はかかりますか?
事務所等がある限り、かかる場合があります。休業の届出と扱いは自治体で違うため、納付先の自治体に確認してください(出典:日野市・京都市の案内)。

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。制度・期限は改正される場合があります。個別の判断は税理士・税務署へご確認ください。