法人成りで個人のインボイス登録が失効する日|事業廃止届出書と法人の登録申請
個人の登録は、事業廃止届出書を出すと「事業を廃止した日の翌日」に失効します。法人は別に登録申請をします。個人の廃止日、棚卸資産の扱い、法人の申請期限を国税庁の資料で整理します。
法人成りインボイスの登録をした個人事業者が法人成りすると、個人の登録と法人の登録は別々に動きます。個人の登録が消える日は「届出書を出した日」ではなく、「事業を廃止した日の翌日」です。
| 対象 | 手続き | いつ |
|---|---|---|
| 個人事業者 | 事業廃止届出書を提出 | 事業を廃止した日の翌日に登録が失効 |
| 設立した法人 | 登録申請書を提出 | 設立日からの登録は、設立した課税期間の末日までに申請 |
個人の登録が失効する日
消費税法57条1項3号は、消費税を納める義務がある事業者が事業を廃止したとき、その旨の届出書を速やかに税務署長へ提出するよう定めています。
この届出書を出すと、適格請求書発行事業者の登録は、事業を廃止した日の翌日に効力を失います(消費税法57条の2第10項2号)。届出書の提出日ではなく、事業を廃止した日が基準です。
国税庁の新規開業者向けQ&Aは、事業用資産を設立した法人に買い取ってもらった後に事業廃止届出書を出すことで問題ないと答えています。
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個人から法人に切り替える手続きと、設立後の税金・経理を一冊で確かめたいとき向けです。
棚卸資産が残っている間は廃止とみなされない
国税庁は、個人事業者に棚卸資産が存在する間は、一般的に事業を廃止したものとは認められないと案内しています。
在庫を個人に残したまま届出書を出しても、廃止した日とは認められないことがあります。在庫を法人へ売却するか、処分してから廃止日を決めます。
在庫の評価方法の届出は、法人側でも必要です。棚卸資産の評価方法の届出書で期限を整理しています。
設立までの取引は個人のものになる
国税庁は、法人が設立されるまでの間の資産の譲渡等と課税仕入れは、原則としてすべて個人事業者に帰属するとしています。
このため、設立日より前の請求書には個人の登録番号を書き、設立日以後の取引は法人の登録番号を書く、という切り替えになります。登録番号は一度付番されると変更できず、法人の番号は個人の番号とは別に付番されます。
法人の登録申請と設立日への遡り
新たに設立された法人が、事業を開始した課税期間の初日から登録を受けるには、その旨を書いた登録申請書を、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに提出します。この期限までに提出して登録簿への登載が行われると、課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます。
国税庁のQ&Aは、免税事業者として設立した法人でも、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日を含む課税期間に登録を受けるときは、課税選択届出書の提出が不要と案内しています。この場合も、登録申請書に「課税期間の初日から登録を受けようとする旨」を書くと、設立した課税期間の初日に遡って登録を受けたものとみなされます。この期間に当たらない課税期間に登録を受けるときは、登録申請書と課税選択届出書を併せて出します。
登録すると課税事業者になる点や、取引先がインボイスを求めるかどうかの判断は、インボイス制度と法人成りで整理しています。登録申請の書き方はインボイスの登録方法を読んでください。
次に知りたいこと
まとめ
- 個人の登録は、事業廃止届出書を出すと、事業を廃止した日の翌日に失効する。
- 個人事業者に棚卸資産が残る間は、一般に事業を廃止したとは認められない。
- 法人が設立されるまでの取引は、原則として個人に帰属する。
- 法人は別に登録申請が必要で、設立日からの登録は、設立した課税期間の末日までに申請する。
よくある質問
- 事業廃止届出書を出した日に、個人の登録は失効しますか?
- 提出日ではなく、事業を廃止した日の翌日に失効します(消費税法57条の2第10項2号)。
- 個人のインボイス登録番号を法人に引き継げますか?
- 国税庁は、一度付番された登録番号は変更できないとしており、法人は法人番号をもとにした別の登録番号になります。法人は登録申請書を出して登録を受けます。
- 在庫が残っていても事業廃止届出書を出せますか?
- 国税庁は、棚卸資産が存在する間は一般に事業を廃止したと認められないと案内しています。在庫を売却するか処分した後の日を廃止日にします。
- 法人の登録申請はいつまでにすればよいですか?
- 設立日から登録を受けたいときは、設立した日の属する課税期間の末日までに、登録申請書を提出します。

