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リース資産とテナント内装の償却資産税|貸主と借主のどちらが申告するか

リースで借りている機器と、賃貸の店舗・事務所に自社の費用で付けた内装について、償却資産税(固定資産税)の申告者が貸主・借主のどちらになるかを、契約の形ごとに説明します。

地方税の手続き
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

償却資産税は、毎年1月1日現在の所有者が申告します。ところが、リースした機器や賃貸物件の内装は、「使っている会社」と「所有している会社」が別になります。法人税の処理と申告者が一致しない点が、迷いやすいところです。

リース期間が終わると貸主に返す契約は貸主が、借主へ所有権が移る契約は借主が申告します。賃貸物件に借主が自費で付けた内装は、借主が申告します。

契約の形ごとの申告者

償却資産税の納税義務者は、固定資産の所有者です(地方税法第343条第1項)。償却資産の所有者とは、償却資産課税台帳に所有者として登録されている者をいいます(同条第3項)。

場面申告する人根拠として確認できたもの
リース期間の満了後に資産を貸主へ返す貸主(リース会社など)大垣市のQ&A
所有権移転外ファイナンス・リース(平成20年4月1日以降の契約)貸主大垣市のQ&A
リース期間の満了後に、無償または名目的な対価で借主へ所有権が移る借主大垣市のQ&A
賃貸の店舗・事務所に、借主が自分の費用で内装などを取り付けた取り付けた借主地方税法第343条第10項

なお、償却資産税の申告の基本は法人の償却資産税の申告で説明しています。

返却するリースは貸主が申告する

岐阜県大垣市のQ&Aは、リース期間の満了後に資産が貸主へ返される場合、その資産は貸主の所有物であり、貸主が申告するとしています。

平成20年4月1日以降に契約した所有権移転外ファイナンス・リース取引は、税務会計上、売買として扱われます。借主が減価償却を行う場合があります。それでも固定資産税(償却資産)では、従来どおり貸主が所有者として申告する義務があると、同じQ&Aは案内しています。

法人税の申告で借主が減価償却している資産でも、償却資産税の申告者は貸主のままの契約があります。リースの法人税・消費税の扱いは法人のリース取引の税務で整理しています。

所有権が借主へ移る契約は借主が申告する

大垣市のQ&Aは、リース期間中は貸主が所有権をとどめ、期間の満了後に無償または名目的な対価で借主に所有権が移る契約では、固定資産税(償却資産)では借主が「実質的な所有者」とみなされ、申告する義務があると案内しています。

地方税法第342条第3項も、償却資産の売買で売主が所有権を留保している場合、固定資産税の賦課徴収では、その償却資産を売主と買主の共有物とみなすと定めています。割賦で購入した資産も、所有権が売主に残っている間は、売主と買主の共有物として扱われます。

契約書に「所有権の移転」「買取り」の条項があるか、買取り額が名目的な額かを確認し、判断がつかない場合は資産のある市区町村に問い合わせてください。

テナント内装は取り付けた借主が申告する

賃貸の店舗や事務所の内装は、建物に付くと建物の所有者のものになります。それでも、地方税法第343条第10項は、家屋の所有者以外の者が事業のために取り付けた家屋の附帯設備で、家屋に付合して家屋の所有者のものになったもの(特定附帯設備)について、取り付けた者の事業に使える資産である場合に限り、取り付けた者を所有者とみなして課税できると定めています。

大垣市のQ&Aは、賃貸の店舗を借りて事業をする人が、その事業のために自己の費用で取り付けた内装などは、取り付けた借主が償却資産として申告し、納税する義務を負うと案内しています。特定附帯設備の例として、外壁、内壁、天井、造作、床、建具、建築設備、電気設備が挙げられています。東京都主税局も、賃借人(テナント)が取り付けた内装・内部造作を、申告対象の例に挙げています。

  • 大垣市のQ&Aが挙げる条件は「借主が、その事業のために、自己の費用で取り付けた」ことです。工事の請求書の宛名と費用の負担者を確認します。
  • 申告の対象は毎年1月1日現在の資産です(地方税法第383条)。1月1日までに撤去した内装は、その年の申告に含めません。

固定資産台帳と申告のずれに注意

東京都主税局は、法人が申告するときは固定資産台帳や法人税申告書の別表16などをもとにするよう案内しています。ただし、台帳に載っている資産と、償却資産税で自社が申告する資産は一致しない場合があります。

台帳の資産台帳に載せる理由自社が申告するか
所有権移転外ファイナンス・リースの機器借主が売買として減価償却する契約が返却型なら、貸主が申告する
所有権が移るリース・割賦の機器借主が自分の資産として償却する借主として申告する
賃借した店舗の内装工事建物付属設備などとして償却する取り付けた借主として申告する

毎年の拾い出しでは、台帳の資産ごとに「リース契約の種類」「所有権が移るか」「内装を自社の費用で付けたか」を一覧にしておくと、申告漏れと二重申告の両方を防げます。

公式一次情報

よくある質問

リースしている機器の償却資産税は、貸主と借主のどちらが申告しますか?
契約によって異なります。リース期間の満了後に貸主へ返す契約は、貸主が申告します。満了後に無償または名目的な対価で借主へ所有権が移る契約は、借主が実質的な所有者として申告します(大垣市のQ&A)。
所有権移転外ファイナンス・リースで、借主が減価償却している場合は借主が申告しますか?
償却資産税では、従来どおり貸主が所有者として申告する義務があると、大垣市のQ&Aは案内しています。法人税の処理とは分けて考えます。
賃貸オフィスに自費で付けた内装は、誰が申告しますか?
取り付けた借主です。地方税法第343条第10項の特定附帯設備に当たり、借主の事業に使える資産である場合に限り、取り付けた者が所有者とみなされます。
割賦で買った機器で、代金を払い終えていない場合は?
地方税法第342条第3項は、売主が所有権を留保している売買では、償却資産を売主と買主の共有物とみなすと定めています。買主としての申告の扱いは、資産のある市区町村に確認してください。
貸主・借主のどちらが申告するかわからないときは?
契約書の所有権の条項を手元に用意して、資産がある市区町村の償却資産の担当課に問い合わせます。東京23区の資産は、所在する区の都税事務所の償却資産班です。

まとめ

  • 償却資産税の申告者は、法人税の減価償却をする人ではなく、償却資産課税台帳に所有者として登録される人で、リースは契約の形で決まる。
  • 期間満了後に貸主へ返すリースは貸主、所有権が借主へ移る契約は借主が申告する。
  • 所有権移転外ファイナンス・リースは、法人税では売買として扱われても、償却資産税では貸主が申告する(大垣市のQ&A)。
  • 賃貸物件に借主が自費で付けた内装は、特定附帯設備として取り付けた借主が申告する。
  • 固定資産台帳の資産ごとに、契約の種類と費用の負担者を一覧にして、毎年の拾い出しに使う。

次に知りたいこと

本記事について。税理士監修前の概説です。リース契約の内容による申告者の判断や、申告書の様式は市区町村ごとに異なる場合があります。ここでは地方税法と、大垣市・東京都主税局の案内で確認できた内容を整理しています。実際の申告は、資産がある市区町村の担当課または税理士にご確認ください。