法人税の還付金|中間納付・源泉所得税の控除不足と還付加算金
法人税の確定申告で、中間納付した税額や預金利息から引かれた源泉所得税が、納める税額より多くなったときの還付の決まりを整理します。還付される条件、還付加算金の起算日と令和8年の割合、未納の法人税へ充当するときの扱いを、法人税法・国税通則法の条文で確認します。
2026年時点の制度確定申告で税額より先に払った分が多かった法人は、申告書に控除しきれなかった金額が書かれていれば、税務署長が還付します(未納の税があれば充当されます)。還付金には、日割りで計算される還付加算金(利息に当たるもの)が付くことがあります。
この記事は、申告が済んだあとの通常の還付が対象です。申告額そのものを間違えていた場合は法人税の修正申告・更正の請求、赤字の年に前年の税金を戻す手続きは欠損金の繰戻しによる還付を見てください。
還付になる3つの場面
法人税が戻る場面は、次の3つです。前の2つは、確定申告書に控除しきれなかった金額を書くことで、税務署長が還付します。
| 場面 | 戻るもの | 根拠 |
|---|---|---|
| 預金利息・配当から引かれた源泉所得税が、法人税額より多い | 引ききれなかった所得税額 | 法人税法78条 |
| 中間納付した法人税が、確定した税額より多い(普通法人) | 引ききれなかった中間納付額 | 法人税法79条 |
| 青色申告の法人に欠損金が生じた | 前の事業年度に納めた法人税の一部 | 法人税法80条 |
確定申告書には、所得税額控除などで法人税額から引ききれなかった金額(法人税法74条1項3号)と、中間納付額で引ききれなかった金額(同項5号)を書く欄があります。この金額が申告書に書かれていれば、条文上は税務署長が還付する扱いです。口座の指定など実際の受け取りの手続きは、申告書の案内で確認してください。
預金利息などの源泉所得税を引く仕組みは法人の所得税額控除、中間納付の仕組みは法人税の中間申告で説明しています。
還付加算金の起算日と割合
還付金には、国税通則法58条にもとづく還付加算金が付きます。計算の対象になる期間は、還付の理由によって始まる日が異なります。
| 還付の理由 | 還付加算金の期間の始まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 源泉所得税などの控除不足(仮決算の中間申告書の分を含む) | 申告書の提出期限の翌日(期限後申告の場合は提出した日の翌日) | 法人税法78条2項 |
| 中間納付額の控除不足 | 中間納付額を納付した日の翌日(納期限前に払っていれば納期限の翌日)。確定申告が期限後申告のときは取扱いが別に定められています | 法人税法79条3項 |
終わりの日は、還付の支払決定をする日、または未納の税への充当をする日です(充当に適することとなった日がそれより前にあれば、その日になります)。この間の日数に応じて、還付金に割合をかけて計算します。
割合は、国税通則法58条の年7.3%が本則ですが、毎年の還付加算金特例基準割合がそれを下回るときは、その割合になります(租税特別措置法95条)。国税庁の表では、令和8年1月1日から12月31日までの還付加算金特例基準割合は1.3%です(令和5年から令和7年の各年は0.9%)。割合は暦年ごとに決まります。
概算の例です。中間納付額の過払いが100万円で、納付日の翌日から支払決定日まで90日かかった場合、令和8年中の期間なら次の金額になります。
| 計算 | 金額 |
|---|---|
| 100万円 × 1.3% × 90日 ÷ 365日 | 約3,200円 |
端数の処理や、期間が年をまたぐ場合の割合は、実際の支払通知の記載で確認してください。還付そのものは、税務署が遅滞なく金銭で行います(国税通則法56条1項)。
未納の法人税に充当するとき
還付される額があっても、同じ事業年度の法人税に未納があれば、還付金をそちらへ回す(充当する)ことがあります。このときは、扱いが変わります。
- 充当した部分には、還付加算金が付きません(法人税法78条3項・79条4項)。
- 充当された部分の法人税には、延滞税と利子税がかかりません。
申告後の更正の請求で戻るとき
申告書を出したあとで、税額が多すぎたと気づいて更正の請求をする場合は、別の起算日になります。国税通則法58条1項2号は、更正の請求に基づく更正で減った税額について、請求した日の翌日から3か月を経過する日と、更正があった日の翌日から1か月を経過する日のいずれか早い日の翌日から、還付加算金を計算すると定めています。
ただし、その日が法定納期限より前なら、法定納期限の翌日から数えます。更正の請求の期限や手続きは法人税の修正申告・更正の請求で確認してください。