ガイド

一般貨物自動車運送事業の法人成り|譲渡譲受認可の処理期間と資金審査

個人で一般貨物自動車運送事業(緑ナンバーのトラック運送)を営む人が法人成りするときの認可を整理します。個人から法人でも譲渡譲受の認可が要ること、処理期間、資金計画表と残高証明書、認可のあとの届出を、国土交通省の運輸局などの資料で確認します。

一般貨物自動車運送事業
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

一般貨物自動車運送事業の許可を持つ個人が法人になるときは、会社をつくっただけでは営業を続けられません。近畿運輸局は、個人から法人になるときも事業の譲渡譲受の認可申請が必要だとしています。軽貨物の届出とは手続きの重さが違うため、先に認可を受ける前提で日程を組みます。

結論:個人から法人になる場合も譲渡譲受の認可が必要で、対象は事業の全部に限られます。標準処理期間は東北運輸局の公示で1〜3か月(大臣権限は2〜3か月)、申請には資金計画表と、申請日直前・認可前の2回の残高証明書が必要です。
確認すること一般貨物自動車運送事業の法人成り根拠にした資料
手続きの種類譲渡譲受の認可申請。個人から法人になる場合も必要近畿運輸局
対象事業の全部を譲渡譲受するものに限る近畿運輸局
資金の審査新規許可と同様に、資金計画表と残高証明書(申請日直前と認可前の2回)中国運輸局
標準処理期間地方運輸局長権限は1〜3か月、大臣権限は2〜3か月東北運輸局
認可のあと譲渡し及び譲受けが終了したときの届出を、遅滞なく出す。手数料はなし国土交通省

個人から法人でも譲渡譲受の認可が必要

近畿運輸局の案内(2025年2月10日更新)は、事業の譲渡譲受について、事業の全部を対象とするものに限り申請できるとしています。そのうえで、個人から法人になる際にも譲渡譲受の認可申請が必要だと書いています。

認可の対象は事業の全部です。事業の一部だけを法人に移す形では、譲渡譲受の認可を申請できません。

申請書の様式や必要書類は、東北運輸局のページに「譲渡譲受認可申請様式」が掲載されています。申請の前に、管轄の運輸局・運輸支局の貨物の窓口へ相談してください。

資金計画表と残高証明書の2回提出

中国運輸局の案内によると、令和元年11月1日に改正貨物自動車運送事業法の一部が施行され、譲渡譲受・合併・分割・相続の認可申請にも、新規許可申請と同様の資金審査が導入されました。

  • 資金計画表を申請書に添付します。
  • 残高証明書を、申請日の直前と、認可となる前の適宜の時点の2回提出します。

中国運輸局は、令和元年12月末までに受け付けた申請は猶予し、令和2年1月以降に受け付ける申請から資金計画表と残高証明書の添付を必須にしています。

残高証明書は2回出すため、申請の日程と合わせて取る日を決めます。どの金額が必要かは、資金計画表の作り方を含めて、運輸局の事前相談で確認してください。

標準処理期間と日程の組み方

東北運輸局の標準処理期間の公示では、一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けの認可は、大臣権限に係るものが2〜3か月、地方運輸局長権限に係るものが1〜3か月です。新規の許可は3〜5か月と示されています。

手続き標準処理期間(東北運輸局の公示)
一般貨物自動車運送事業の許可(新規)3〜5か月
譲渡し及び譲受けの認可(地方運輸局長権限)1〜3か月
譲渡し及び譲受けの認可(大臣権限)2〜3か月

標準処理期間は、通常必要とされる期間の目安です。この公示は平成15年2月28日付で、令和7年8月1日に一部が改正されています。ほかの運輸局も同じ期間かは、それぞれの公示で確認してください。

法人設立の登記と、認可を受ける日程は別に管理します。いつから法人名義で運行するかは、認可の見込みを運輸局に聞いてから決めてください。

認可のあとに出す届出と報告

国土交通省の手続案内では、一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けが終了した場合の届出は、届出事由が発生したあと遅滞なく出します。提出先は、その許可又は認可をした国土交通大臣又は地方運輸局長で、手数料はかかりません。

法人になったあとは、役員に変更があった場合の届出も出します。国土交通省の案内では、変更があった後、遅滞なく出します。代表権を持たない役員の変更は、前年7月1日から6月30日までの分を毎年7月31日までに出します。

東北運輸局のページには、定期報告として、事業報告書を毎事業年度の経過後100日以内、事業実績報告書を毎年7月10日までと書かれています。

軽貨物との違い

項目一般貨物自動車運送事業貨物軽自動車運送事業
法人成りの手続き譲渡譲受の認可事業の全部を譲渡したときの届出
提出の時期認可を受け、譲渡し及び譲受けが終了したあとに届出譲渡したとき、遅滞なく
提出先運輸局(認可・届出をした大臣又は地方運輸局長)運輸支局長など
手数料届出はなしなし

軽貨物の手続きは軽貨物の個人事業主が法人成りするときの届出で、黒ナンバーの使用者変更まで整理しています。

運送業以外の許可も持っているときは、個人事業の許認可19種の引き継ぎ早見表で、新規取得・事前認可・承継届のどれになるかを確認できます。

トラックの名義変更は法人成りと自動車の名義変更、車両や機械などの資産を法人に移す方法は個人から法人への資産引継ぎにまとめています。

よくある質問

個人から法人になるときも、譲渡譲受の認可が必要ですか?
必要です。近畿運輸局の案内は、個人から法人になる際にも譲渡譲受の認可申請が必要だとしています。
事業の一部だけを法人に移せますか?
移せません。近畿運輸局の案内では、事業の全部を譲渡譲受の対象とするものに限り申請できます。
譲渡譲受の認可に、資金の審査はありますか?
あります。中国運輸局の案内では、新規許可申請と同様に、資金計画表の添付と、申請日の直前と認可前の2回の残高証明書の提出が求められます。
認可までにどのくらいかかりますか?
東北運輸局の標準処理期間の公示では、地方運輸局長権限の認可が1〜3か月、大臣権限の認可が2〜3か月です。他の運輸局の期間は、それぞれの公示で確認してください。
認可を受けたあとにも手続きがありますか?
譲渡し及び譲受けが終了した場合の届出を、遅滞なく、認可をした大臣又は地方運輸局長に出します。手数料はかかりません(国土交通省の手続案内)。

まとめ

  • 個人から法人になる場合も、一般貨物自動車運送事業は譲渡譲受の認可が必要で、対象は事業の全部に限られる。
  • 資金計画表と、申請日の直前・認可前の2回の残高証明書が必要になる(中国運輸局)。
  • 標準処理期間は、東北運輸局の公示で地方運輸局長権限が1〜3か月、大臣権限が2〜3か月。
  • 認可のあと、譲渡し及び譲受けが終了したときの届出を遅滞なく出す。手数料はかからない。
  • 軽貨物は認可ではなく届出で、手続きの重さが違う。

公式一次情報

確認日:2026年10月22日。標準処理期間や様式は改正されることがあります。

本記事について。行政書士・税理士監修前の概説です。認可の要件と必要書類は、管轄の運輸局・運輸支局で異なることがあります。申請の前に、貨物の窓口へ事前相談してください。