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個人事業の許認可は法人成りで引き継げる?建設業・飲食店・古物商の扱い

許認可の種類によって、引き継げる・引き継げないが分かれます。代表的な3つを整理します。

各省庁・都道府県の制度
編集:法人成りシミュレーション編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

個人事業で許認可(建設業許可・飲食店営業許可・古物商許可など)を受けて営業している場合、法人成りをすると、その許認可は自動的に新会社へ引き継がれるわけではありません。個人と法人は法律上別の人格として扱われるため、許認可の根拠法ごとに「引き継げる制度があるか」が異なります

引き継ぎ手続きを怠ると、無許可営業として罰則の対象になったり、営業できない空白期間が生じたりするおそれがあります。代表的な3つの許認可の扱いを整理します。

建設業許可:事前の認可を受ければ引き継げる

建設業許可は、令和2年10月1日施行の建設業法改正により、個人事業から法人への事業譲渡について、あらかじめ国土交通大臣または都道府県知事の認可を受ければ、許可番号を含めて建設業者としての地位を引き継げるようになりました(建設業法17条の2)。改正前は、いったん個人の許可を廃業し、法人で新規に許可を取り直す必要があり、その間は請負金額500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を受注できない空白期間が生じていました。認可制度を使えば、この空白期間を避けられます。

承継の認可を受けるには、承継後も経営業務の管理責任者・専任技術者などの要件を法人側で満たしていることが必要です。認可の申請先・必要書類は許可行政庁(国土交通大臣許可か都道府県知事許可かで異なる)によって細部が変わるため、法人成りの計画段階で早めに窓口へ相談することをおすすめします。

飲食店営業許可:承継届で引き継げる(令和5年12月改正)

飲食店営業などの食品衛生法に基づく許可は、令和5年12月13日以降の事業譲渡について、譲受人(新会社)が新たな許可申請をしなくても、「地位の承継届」を保健所へ提出することで引き継げるようになりました。対象は、旅館業・食品衛生法の営業(飲食店・食品販売等)・理容所・興行場・公衆浴場・クリーニング店・美容室・食鳥処理業の8業種です。

ただし、営業の全部を譲渡する場合に限られ、一部だけの譲渡には適用されません。譲渡契約書などの証拠書類の添付が必要で、保健所による事後の施設調査もあります。法人成りの前に、営業許可を出した保健所へ事前相談することが推奨されています。

古物商許可:引き継げない・法人で新規取得

古物商許可には、建設業許可(17条の2)や食品衛生法の営業許可(承継届)のような、事業承継のための認可・届出制度が古物営業法にはありません。個人許可申請と法人許可申請は、必要書類が別に定められた区分で、個人で受けていた許可を、その人が法人の代表者になったからといって法人がそのまま使えるわけではありません。法人として営業を続けるには、法人名義で新たに古物商許可を申請する必要があります。

審査には一定の日数がかかるため、法人設立と申請のタイミングによっては、営業できない期間が生じないよう早めに準備を進める必要があります。詳細な運用(申請書類・審査期間)は、営業所を管轄する警察署(防犯係)へ事前に確認することをおすすめします。

その他の許認可は個別確認が必要

宅地建物取引業の免許や酒類販売業免許など、ここで扱っていない許認可も、引き継げるかどうか・引き継ぐための手続きは根拠法ごとに異なります。同じ「許認可」でも、建設業・飲食店のように承継制度があるものと、古物商のように無いものが混在しているため、「他の許認可も同じだろう」と推測せず、該当する許認可を所管する省庁・都道府県・保健所・警察署などの窓口へ、法人成りの計画段階で個別に確認することが重要です。

まとめ

  • 許認可は根拠法ごとに、法人成り時に引き継げるかどうかが異なる。「別の人格」が原則で、引き継げるのは承継制度がある場合だけ。
  • 建設業許可:事前の認可(建設業法17条の2)を受ければ空白期間なく引き継げる。
  • 飲食店営業許可:令和5年12月13日以降、承継届の提出で引き継げる(営業の全部譲渡の場合に限る)。
  • 古物商許可:引き継ぐ制度がなく、法人として新規に許可を取得する必要がある。
  • その他の許認可は、所管窓口へ個別に確認する。

法人成り全体の手続きの流れは法人化の手続きを、税務・社会保険の届出は法人成りの手順ガイドを参照してください。

公式一次情報

よくある質問

建設業許可は法人成りしても自動的に引き継がれますか?
自動的には引き継がれません。あらかじめ国土交通大臣または都道府県知事の認可を受ける必要があります(建設業法17条の2)。認可を受ければ、許可番号を含めて空白期間なく引き継げます。
飲食店の営業許可も法人成りで引き継げますか?
令和5年12月13日以降の事業の全部譲渡であれば、新たな許可申請をせずに「地位の承継届」を保健所へ提出することで引き継げます。営業の一部だけの譲渡には適用されません。
古物商許可はどうすればいいですか?
古物営業法には事業承継の制度がなく、個人許可申請と法人許可申請は必要書類が別に定められた区分です。個人の許可を法人がそのまま使うことはできないため、法人設立後、法人名義で新たに古物商許可を申請する必要があります。
本記事について。税理士監修前の概説です。許認可の引き継ぎ可否・手続きは制度改正や個別事情により異なるため、該当する許認可の窓口・専門家(行政書士等)にご確認ください。