ガイド

実質的支配者リストの写しを再交付できる場合と、申出し直しが必要な場合

法務局に保管された実質的支配者リストの写しが追加で必要になったとき、再交付で足りるのか、新しくリストを作って申出し直すのかを、法務省のQ&Aにもとづいて整理します。

実質的支配者
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

法務局に保管された実質的支配者リストの写しは、追加で必要になったときに再交付を申し出られます。ただし再交付できるのは、申出をした株式会社の最新の申出にもとづくリストの写しだけで、商号・本店・記名した代表者のいずれかが変わっていると再交付はできません。

その場合は、変更後の内容で新しくリストを作り、改めて申出をします。実質的支配者が入れ替わったときの申出し直しは義務ではなく任意で、新しい情報の写しが必要なときに行います。

再交付でできること

法務省のQ&Aは、実質的支配者リストの写しが追加で必要になったときは、写しの再交付を申し出られるとしています。銀行など提出先が複数あるときに、同じ内容の写しをもう一部受け取る場面が当てはまります。

再交付の対象は、申出をした株式会社に係る最新の申出にもとづく実質的支配者リストの写しです。過去に何度か申出をしていても、受け取れるのは最新の申出分に限られます。

再交付の申出は、リストに記名した代表者が再交付の申出時点で現任であれば、記名した代表者以外の代表者からもできます。

再交付ができない4つの場合

法務省のQ&Aは、次の場合には再交付の申出をすることができないとしています。いずれも、新しくリストを作って申出をすることになります。

状況再交付必要な対応
保管されたリストの会社の商号・本店・作成者である代表者が変更されているできない新たにリストを作成して申出
リストに記名した代表者が退任したできない新たにリストを作成して申出
申出後に商号の変更や本店移転の登記をしたできない変更後の商号等を記載したリストを作成して新たに申出
記名した代表者が死亡した(相続人からの申出)できない現在の代表者が記名したリストを作成して新たに申出

代表者の交代や本店移転があった会社では、前に取った写しの控えが手元にあっても、再交付では同じ内容の写しを取れません。登記の変更と合わせて、リストの作り直しが必要になると考えておくと段取りを組みやすくなります。

実質的支配者が変わったときは申出し直しが任意

保管されたリストに記載した実質的支配者が変わった場合に、申出をし直す必要があるかについて、法務省のQ&Aは次の趣旨で答えています。

  • 本制度は任意の申出にもとづいて写しを交付するものなので、記載された情報に変更があっても、変更後のリストの保管と写しの交付の申出をするかどうかも任意。
  • 新たな情報が記載された写しが必要な場合は、改めて申出をする。

つまり、株式の移動で議決権の割合が変わっても、法務局に変更を届け出る義務が制度上あるわけではありません。一方で、銀行などから最新の情報の写しを求められたときは、新しいリストで申出をすることになります。

リストを作ったあと、申出をする前に内容が変わった場合は、最新の情報を記載したリストを作成して申出をすることをおすすめする、とQ&Aに書かれています。

再交付の手続きと本人確認書面

再交付は、法務省のページに様式が掲載されている「実質的支配者情報一覧の写し再交付申出書」で申し出ます。代理人が申し出るときは委任状を使います。

再交付では、申出書に記載した代表者の氏名・住所を確認できる本人確認書面の添付が必要です。ただし、次のいずれかに当たる場合は不要です。

  • 申出書または委任状に代表者印(登記所届出印)が押印されている場合。
  • 申出会社の本店の所在場所に宛てて送付する方法で写しの交付を求める場合。

送付で受け取るとき、本人確認書面の添付がない、または代表者印の押印がないときは、写しは本店の所在場所宛てに送られます。返信用の封筒には、送付先を書いて切手を貼ります。

制度全体として、法務省のページは本制度を無料で利用できるとしています。再交付だけの手数料の記載は、今回確認したページには見当たらなかったため、窓口で確認してください。

再交付と新たな申出の使い分け

比べる点再交付新たな申出
使う場面同じ内容の写しがもう一部必要会社や代表者が変わった・実質的支配者の情報を更新したい
中身最新の申出にもとづく写し新しく作ったリストを保管して交付
主な書類再交付申出書、本人確認書面(不要な場合あり)申出書、リスト、添付書面(株主名簿の写し等)

新たな申出の添付書面は、株主名簿の写し・申告受理及び認証証明書・法人税確定申告書別表二の写しのうち1つです。詳しくは 実質的支配者リスト制度の申出方法と添付書面のガイドで整理しています。

まとめ

  • 写しが追加で必要なだけなら再交付を申し出る。対象は最新の申出にもとづく写しに限られる。
  • 商号・本店・記名した代表者が変わった、代表者が退任・死亡した場合は再交付ができず、新たにリストを作って申出をする。
  • 実質的支配者が変わっても申出し直しは任意。新しい情報の写しが必要なときに行う。
  • 再交付では代表者の本人確認書面が原則必要で、代表者印の押印か本店宛て送付なら不要。

公式一次情報

次に知りたいこと

よくある質問

実質的支配者リストの写しを追加でもらえますか?
もらえます。法務省のQ&Aによると、写しの再交付の申出ができます。受け取れるのは、申出をした株式会社に係る最新の申出にもとづく写しです。
代表者が交代したら、再交付は受けられますか?
リストに記名した代表者が退任した場合、再交付の申出はできません。現在の代表者が記名した実質的支配者リストを作成して、新たに申出をします。
本店を移転したら、前の写しを再交付してもらえますか?
商号の変更や本店移転の登記をした場合は再交付の申出ができません。変更後の商号等を記載したリストを作成して、新たに申出をします。
実質的支配者が変わったら、必ず申出し直す必要がありますか?
必須ではありません。法務省のQ&Aは、変更後のリストの保管と写しの交付の申出をするかどうかも任意としています。新たな情報の写しが必要なときに、改めて申出をします。
再交付に本人確認書面は要りますか?
原則として代表者の氏名・住所を確認できる本人確認書面が必要です。申出書か委任状に代表者印が押印されている場合や、本店の所在場所宛てに送付してもらう場合は不要です。
本記事について。専門家監修前の概説です。2026年10月27日時点の法務省の公開情報にもとづく一般的な手続き案内で、個別の事案の判断や、金融機関での取扱いを保証するものではありません。個別の判断は、法務局や司法書士等の専門家へご確認ください。