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事務所・店舗併用住宅の住宅ローン控除|居住用が床面積の2分の1以上の条件と借入金の計算

1階を店舗や事務所にした自宅でも、住宅ローン控除は使えます。ただし、居住用が床面積の2分の1以上あることが条件で、控除の対象になるのは居住用部分のローンだけです。国税庁の回答事例の数字で計算を確認します。

国税庁・租税特別措置法施行令にもとづく
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

自宅の一部を事務所や店舗にしている個人事業主は、住宅ローン控除の対象になるのかを気にします。結論は、居住用部分が建物全体の床面積の2分の1以上なら使えます。そのうえで、ローン残高は居住用の割合に応じて減らして計算します。

控除率や借入限度額などの基本は個人事業主の住宅ローン控除で説明しています。この記事は、事業に使う部分がある住宅に絞って、使える条件と対象になるローンの計算を整理します。

併用住宅でも使える条件

国税庁は、控除を受けるための要件の1つに「住宅の床面積が50平方メートル以上であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること」を挙げています。事務所や店舗が建物の半分を超えると、住宅ローン控除はまったく使えません。

その年の合計所得金額が2,000万円以下であることも要件です。床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の特例居住用家屋などは、合計所得金額が1,000万円以下であることが条件です。

床面積は、登記事項証明書の面積で判断します。店舗や事務所と併用している住宅は、店舗や事務所の部分も含めた建物全体の床面積で判断します。居住用部分だけの面積ではありません。

  • 建物全体が50平方メートル以上であること(特例居住用家屋などは40平方メートル以上)
  • 居住用が建物全体の床面積の2分の1以上であること
  • 合計所得金額が2,000万円以下であること

控除の対象になるローンは居住用部分だけ

床面積の要件を満たしても、事業に使う部分に対応するローンまでは控除できません。租税特別措置法施行令第26条第7項は、居住の用以外の用に供する部分がある場合の計算を次のように定めています。

  • 家屋のローン:家屋の借入金に、居住用部分の床面積の割合を掛けた金額
  • 土地のローン:土地の借入金に、居住用部分の土地の面積の割合を掛けた金額

この金額が、住宅ローン控除で使う年末残高の計算のもとになります。事業に使う部分のローン利息は、控除の対象外です。事業の経費になるかどうかは、自宅を経費にする家事按分で確認してください。

国税庁の回答事例で見る計算

国税庁の質疑応答事例「店舗併用住宅を新築した場合」は、次の前提で計算しています。借入金の返済期間が10年以上であるなど、一定の要件を満たすことが前提です。

項目内容
土地300平方メートル(うち120平方メートルはブロック塀で仕切った貸駐車場)。購入価額6,000万円、借入金の年末残高4,000万円
家屋総床面積180平方メートル(1階が店舗90平方メートル、2階が住居90平方メートル)。新築代金3,000万円、借入金の年末残高2,000万円

国税庁の回答は、控除の対象になる借入金を次のように示しています。

区分控除の対象になる金額
家屋の借入金(2,000万円)1,000万円
土地の借入金(4,000万円)1,200万円
合計2,200万円

家屋は、床面積180平方メートルのうち居住用が90平方メートルなので、2,000万円の2分の1が1,000万円です。土地は、回答の考え方を整理すると、貸駐車場を除いた180平方メートルが家屋の敷地で、そのうち居住用に当たる90平方メートルが土地全体300平方メートルに占める割合は10分の3です。4,000万円の10分の3で1,200万円になります。

借入金の合計は6,000万円ですが、控除の計算に使えるのは2,200万円です。これが借入限度額の範囲内であれば、2,200万円に控除率を掛けて控除額を求めます。

売却の特例を使うと控除が止まる

国税庁は、居住用財産を売るときの特例を受けた場合、住宅ローン控除を受けられない期間があるとしています。居住年とその前2年、その後3年の計6年間に、次のような特例を受けていないことが要件です。ここに挙げたのは主なもので、ほかにも対象があります。

  • 居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円特別控除、措置法第35条第1項)
  • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措置法第31条の3第1項)
  • 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(措置法第36条の2)

前の自宅を売った年と、新しい自宅に住み始めた年が近いときは、この6年間に当たるかどうかを税務署か税理士に確認してください。

次に知りたいこと

まとめ

  • 併用住宅でも、居住用が建物全体の床面積の2分の1以上で、建物全体が50平方メートル以上なら住宅ローン控除の対象になる。
  • 控除の計算に使えるのは、居住用部分に対応するローンだけ。家屋は床面積、土地は面積の割合で減らす。
  • 国税庁の回答事例では、借入金計6,000万円のうち2,200万円が控除の計算の対象になる。
  • 居住用財産の売却の特例を使うと、居住年の前後の計6年間は住宅ローン控除が使えない。

公式一次情報

よくある質問

自宅の1階を事務所にしていても、住宅ローン控除は使えますか?
居住用が建物全体の床面積の2分の1以上で、建物全体が50平方メートル以上なら使えます。事務所や店舗が半分を超えると対象外です(国税庁)。
床面積の判断は、居住用部分だけで行いますか?
いいえ。店舗や事務所と併用している住宅は、その部分も含めた建物全体の床面積で、50平方メートル以上かどうかを判断します(国税庁)。
事業に使う部分のローンも控除できますか?
できません。居住用部分に対応するローンだけが控除の計算の対象です。家屋は床面積の割合、土地は面積の割合で減らします(租税特別措置法施行令第26条第7項)。
国税庁の回答事例では、いくらが控除の対象になりますか?
家屋の借入金2,000万円のうち1,000万円、土地の借入金4,000万円のうち1,200万円で、合計2,200万円です(国税庁の質疑応答事例)。
自宅を売る特例を使うと、住宅ローン控除はどうなりますか?
3,000万円特別控除などを受けると、居住年とその前2年、その後3年の計6年間は住宅ローン控除が受けられません(国税庁)。
本記事について。税理士監修前の概説です。住宅ローン控除の可否と金額は、住宅の性能や入居年、世帯の状況で変わります。個別の判断は税務署または税理士にご確認ください。