解散した株式会社の会社継続|期限・登記・登録免許税
株主総会の決議で解散した株式会社を、清算が終わる前に続けたいとき。会社法の条文と法務局の申請書記載例で確認できる、継続できる解散の種類・期限・登記の流れ・費用の目安を整理します。
会社法473条・927条事業をやめるつもりで解散を決議したものの、取引先や事情が変わって会社を続けたい。株式会社は、一定の解散事由であれば、清算が結了するまでは株主総会の決議で会社を継続できます(会社法第473条)。
みなし解散から会社を戻す場合は休眠会社とみなし解散で扱っています。この記事は、自分たちで解散を決めた会社を続ける場合の条文と登記を整理します。
継続できる解散・できない解散
会社法第471条は株式会社の解散事由を挙げています。そのうち継続できるのは、第1号から第3号までの事由で解散した場合です(第473条)。
| 解散の事由(第471条) | 会社の継続 |
|---|---|
| 1号 定款で定めた存続期間の満了 | できる |
| 2号 定款で定めた解散の事由の発生 | できる |
| 3号 株主総会の決議 | できる |
| 4号 合併(会社が消滅する場合) | 第473条の対象外 |
| 5号 破産手続開始の決定 | 第473条の対象外 |
| 6号 解散を命ずる裁判 | 第473条の対象外 |
休眠会社のみなし解散(第472条第1項)も、第473条の括弧書きで継続の対象に含まれています。合同会社などの持分会社は第642条に別の規定があり、この記事は株式会社の話です。
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いつまでに決議すればよいか
継続の決議は、清算が結了するまでの間に、株主総会で行います(第473条)。第473条は「清算が結了するまで」の規定です。
みなし解散の場合だけは、解散したものとみなされた後3年以内という期限が条文に付いています。株主総会の決議などで自ら解散した場合には、この3年の期限は条文に書かれていません。
解散後は取締役に代わって清算人が会社の業務を担います。継続の場面では、法務局の記載例が取締役の就任の登記を事由に並べています(後述)。
継続の登記の期限と申請書
会社が継続したときは、2週間以内に本店の所在地で継続の登記をします(会社法第927条)。解散のときの登記も、同じく2週間以内と定められています(第926条)。
法務局は「商業・法人登記の申請書様式」に、株主総会決議などで解散した株式会社の継続用として「株式会社継続登記申請書」(様式1-26)の記載例を載せています。みなし解散の場合は別の様式(1-26-2)です。
- 登記の事由は、記載例では「会社継続」「取締役、代表取締役就任」「取締役会設置会社の定めの設定」が並びます(取締役会設置会社の定めをする場合の例)。
- 登記すべき事項に「令和○年○月○日会社継続」と書き、あわせて役員の就任年月日を書く形です。
- 機関設計によって記載が変わるため、記載例は設計ごとに用意されています。
登録免許税と添付書類の例
法務局の記載例(取締役会設置会社の定めをする場合)では、登録免許税は次のとおりです。
| 登記の内容 | 登録免許税 |
|---|---|
| 会社継続 | 3万円 |
| 取締役会設置会社の定めの設定 | 3万円 |
| 役員変更 | 3万円(資本金1億円以下の会社の取締役等の変更は1万円) |
| 合計の例 | 9万円(または7万円) |
添付書類の例は、株主総会議事録、株主リスト、取締役会議事録、就任承諾書、印鑑証明書、本人確認証明書で、代理人に頼むときは委任状も付けます。これは記載例の機関設計の場合で、会社によって必要な書類は変わります。
個別に確認が要る点
- 継続の決議の要件(定足数・賛成割合)や、定款に定めがある場合の扱いは、会社ごとに異なります。司法書士に確認してください。
- 継続した場合の法人税・消費税・社会保険・労働保険の届出や、解散時に出した書類との関係は、この記事では扱っていません。解散時の手続きは会社の解散・清算の流れ、解散時の給与・源泉所得税の手続きを参考に、税務署・年金事務所・ハローワークへ照会してください。
- 決議の前に、解散の決議の中身を解散の決議の要件で確認しておくと、継続との関係が整理しやすくなります。
まとめ
- 継続できるのは、存続期間の満了・定款の解散事由・株主総会の決議で解散した場合(みなし解散を含む)で、合併・破産・解散命令は対象外。
- 決議は清算が結了するまで。みなし解散だけは3年以内の期限が条文にある。
- 継続したら2週間以内に本店所在地で継続の登記をする(会社法第927条)。
- 法務局の記載例では、登録免許税は会社継続が3万円。役員の就任などの登記を合わせると合計9万円(または7万円)の例。
表の6号の解散を命ずる裁判は、会社の解散の訴え(会社法833条)で整理しています。
公式情報
- e-Gov法令検索「会社法」(第471条 解散の事由、第473条 株式会社の継続、第926条 解散の登記、第927条 継続の登記)
- 法務局「商業・法人登記の申請書様式」(1-26 株式会社会社継続登記申請書、1-26-2 みなし解散の場合)
- 法務局 株式会社継続登記申請書の記載例(取締役会設置会社の定めをする場合)(登記の事由、登録免許税の内訳、添付書類)
よくある質問
- 解散した会社は、あとから続けられますか?
- 存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会の決議で解散した株式会社は、清算が結了するまで株主総会の決議で継続できます。合併、破産、解散命令による解散は対象外です(会社法第473条)。
- 会社継続の登記はいつまでにしますか?
- 継続したときから2週間以内に、本店の所在地で登記をします(会社法第927条)。
- 会社継続の登録免許税はいくらですか?
- 法務局の記載例では、会社継続の登記が3万円です。取締役の就任などの登記を同時にすると合計9万円(または7万円)の例が示されています。
- 合同会社も同じ手続きですか?
- 持分会社の継続は会社法第642条に別の規定があります。法務局の様式ページで継続の記載例が載っているのは、株式会社の節です。この記事は株式会社の説明です。

