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慶弔見舞金の税務|従業員と取引先の区分

結婚祝い、香典、病気見舞い、災害見舞金を、従業員に渡す場合と取引先に渡す場合で、会社の経費の区分がどう変わるかを整理します。受け取る側の所得税が課税されない条件と、取引先の被災時に交際費等から外れる場合も、国税庁の通達と質疑応答で確認します。

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編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

同じ香典や見舞金でも、渡す相手が従業員か取引先かで、会社側の区分が福利厚生費と交際費等に分かれます。さらに、受け取る側の所得税が課税されるかどうかは、会社側の区分とは別の通達で決まります。

この記事は、従業員向けの規程づくりは福利厚生費と交際費等の区分に任せ、取引先の慶弔、取引先が被災したときの見舞金、受取側の課税を中心に扱います。

慶弔費とは、結婚祝い・出産祝い・香典・病気見舞い・災害見舞金など、慶弔・禍福に際して渡す金品の費用を指す言い方です(税法上の勘定科目名ではなく、通達は「慶弔、禍福」と書いています)。従業員やその親族に一定の基準で渡すなら交際費等に含まれず(福利厚生費)、得意先・仕入先など社外の人に渡すなら原則として交際費等です。交際費等は損金算入の枠が別に決まっています(出典:措置法通達61の4(1)-10(2)・61の4(1)-15(3)、国税庁タックスアンサーNo.5261)。

渡す相手と事由ごとの区分表

国税庁の通達にもとづく区分を、先に表にまとめます。細かい条件は、表の下の各節で確認してください。

渡す相手と事由会社側の区分根拠
従業員(元従業員を含む)やその親族の結婚祝い・香典・病気見舞い一定の基準に従う限り、交際費等に含まれない(福利厚生費)措置法通達61の4(1)-10(2)
得意先・仕入先など社外の人の慶弔・禍福の金品原則として交際費等(通達に除外あり)措置法通達61の4(1)-15(3)
被災した取引先(法人)への災害見舞金取引関係の維持・回復が目的なら、交際費等に該当しない措置法通達61の4(1)-10の3
被災した取引先の役員・使用人への個別の見舞金交際費等(専属下請先の役員・使用人は例外あり)国税庁FAQ Q18

従業員とその親族に渡す場合

措置法通達61の4(1)-10(2)は、従業員等(従業員等であった者を含みます)またはその親族等の慶弔、禍福に際し、一定の基準に従って支給される金品に要する費用は、交際費等に含まれないとしています。国税庁のタックスアンサーNo.5261も、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いがこれに当たると例示しています。

条件は「一定の基準に従って」であり、通達に金額の目安は書かれていません。慶弔見舞金規程などで、事由ごとの金額を決めて残しておく作り方は、末尾の関連記事で扱っています。

従業員が受け取る側の課税は、後ろの「受け取る側の所得税」で確認します。

取引先に渡す場合

得意先や仕入先など社外の人の慶弔、禍福に際して出す金品は、措置法通達61の4(1)-15(3)により交際費等として扱われます。国税庁のFAQは、これを「慰安、贈答のために要する費用」に当たるためと説明しています。

ただし、この通達は括弧書きで、61の4(1)-10の2から11まで、13(3)、18(1)に該当する費用を除いています。専属委託先の従業員等やその親族の慶弔に、一定の基準で出す金品も61の4(1)-18(4)により交際費等に該当しないため、下請け・委託先が多い会社は通達の原文を確認してください。

従業員向けの福利厚生費とは区分が分かれます。帳簿では、従業員向けと取引先向けを同じ科目に混ぜず、渡す相手を分けて記録しておくと、あとから区分を説明しやすくなります。

交際費等の損金算入の枠は法人の交際費の選び方で確認してください。

取引先が被災したときの見舞金

取引先に災害見舞金を出す場合は、渡す相手が法人か、その役員・使用人個人かで扱いが分かれます。

場面扱い条件・注意
被災した取引先に見舞金を出す交際費等に該当しない被災前の取引関係の維持、回復が目的で、災害発生後、相当の期間内に支出する(措置法通達61の4(1)-10の3)
取引先の役員・使用人に個別に見舞金を出す交際費等個人事業主に対するものを除き、付き合いとしての性質があるとされる(国税庁FAQ Q18)
専属下請先(通達の用語は専属委託先)の役員・使用人に、自社の役員・使用人と同じ基準で出す交際費等に該当しない措置法通達61の4(1)-18(4)(国税庁FAQ Q18)

国税庁のFAQ Q17は、見舞金は取引先の被災の程度や取引の状況を勘案した相応の額であれば、金額の多寡は問わないとしています。領収書をもらいにくい事情があるときは、帳簿書類に支出先の所在地、名称、支出年月日を記録しておくことが必要です。

受け取った取引先は、通達の注により、受領した災害見舞金の額を益金に算入します。ただし、受領後すぐに福利厚生の一環として被災した従業員等に渡す物品などは例外です(措置法通達61の4(1)-10の3の注3)。

受け取る側の所得税

会社側の区分とは別に、受け取る従業員の所得税には次の2つの通達が関わります。

受け取るもの課税の扱い根拠
雇用契約等にもとづく結婚・出産などの祝金品給与等が原則。金額が地位等に照らして社会通念上相当なら、課税しなくて差し支えない所得税基本通達28-5
葬祭料、香典、災害等の見舞金金額が受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らして社会通念上相当なら、課税しない所得税基本通達9-23(所得税法施行令30条)

どちらも「社会通念上相当」が条件で、通達に具体的な金額は書かれていません。超過部分の扱いは通達に書かれていませんが、一般には給与として源泉徴収の対象になるおそれがあります。判断に迷う金額は、税務署か税理士に確認してください。

役員が亡くなった場合の弔慰金は、退職金との関係があるため役員の死亡退職金と弔慰金で別に扱っています。

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公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。「社会通念上相当」や「一定の基準」の判断は、金額や支給の実態によって変わります。具体的な処理は、税理士へ確認してください。