事業を始めた人の失業手当|受給期間の特例と申請期限
失業手当(基本手当)をもらえる期間は、原則として離職日の翌日から1年です。退職後に事業を始めたり、準備に専念したりした人は、その期間を受給期間に数えない特例を最大3年分申請できます。対象になる3つの場合と、2か月以内の申請期限を整理します。
開業前後の雇用保険退職してすぐに独立したものの、事業が思うように育たなかったとき、1年たっていると失業手当は受け取れないのでしょうか。令和4年7月から、事業に取り組んだ期間を受給期間に数えない特例が使えるようになっています。
この記事では、厚生労働省の「基本手当、再就職手当」Q&Aをもとに整理します。事業を始めるときにもらえる再就職手当は失業手当の受給中に開業するときの再就職手当で扱っています。
基本手当の受給期間は原則1年
厚生労働省のQ&Aは、基本手当を受給できる期間(受給できる権利の有効期間)を、原則として離職日の翌日から1年間としています。この期間内の失業の状態にある日について、所定給付日数を限度に支給されます。
期限を過ぎると、所定給付日数分を受給し終えていなくても、その日以後は支給を受けられません。個人事業を始めた人は、自営の準備を始めた時点で失業の状態でなくなるため、その間も1年の期間は進んでしまいます。
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事業を始めた人の特例の内容
Q&Aによると、令和4年7月1日から、離職後に事業を開始した人、事業に専念し始めた人、事業の準備に専念し始めた人について、事業の実施期間は受給期間に算入しない特例が新設されました。
本来の受給期間1年に加えて、最大3年間を受給期間に算入しない期間として申請できます。つまり、受給期間は最長で4年になります。
特例は受給できる期間を延ばす手続きで、基本手当が自動的に出るわけではありません。基本手当を受けるには、あらためて受給の手続きが必要です。
対象になる3つの場合
| 場合 | 申請期限の起点 |
|---|---|
| 離職後に事業を開始した | 事業を開始した日の翌日 |
| 事業に専念し始めた | 事業に専念し始めた日の翌日 |
| 事業の準備に専念し始めた | 事業の準備に専念し始めた日の翌日 |
準備に専念し始めた日の翌日が起点になるため、開業届を出す前でも申請期限は進みます。開業日だけを基準に考えないよう注意してください。
申請先と申請期限
申請は、上の日の翌日から2か月以内に、住居所を管轄するハローワークへ行います。
例外として、就業手当または再就職手当を支給申請して不支給になった場合は、2か月を超えていても、それらの手当の支給申請日を特例の申請日として受給期間の特例を申請できます。
次の表は説明用の考え方です。再就職手当の対象外と判断された人が、事業を続けるために特例へ切り替える場合を想定します。
| 状況 | 特例の申請 |
|---|---|
| 事業の準備に専念し始めて2か月以内 | 通常どおり申請できる |
| 再就職手当を申請して不支給になり、すでに2か月を過ぎている | 手当の支給申請日を特例の申請日として申請できる |
日数の数え方や必要な書類は、管轄のハローワークで確認してください。
病気や定年の延長との違い
受給期間の延長には、今回の特例のほかにも種類があります。Q&Aの内容を整理すると、次のとおりです。
| 理由 | 加えられる期間 | 申請の目安 |
|---|---|---|
| 病気・けが・妊娠・出産・育児など | 最大3年 | 30日以上続けて働けなくなった日の翌日以降、早期に(延長後の受給期間の最終日までは申請可能) |
| 定年などで休養し、求職の申込みをしない | 最大1年 | 離職した日の翌日から2か月以内 |
| 事業の開始・専念・準備専念 | 最大3年 | 開始・専念を始めた日の翌日から2か月以内 |
事業の特例は、病気などの延長と同じく最大3年ですが、申請期限が2か月以内と短い点に注意が必要です。
次に知りたいこと
失業手当の受給中に開業するときの再就職手当(要件と申請期限)
個人事業の開業届(提出先と期限)
会社都合で退職したときの国保料の軽減
まとめ
- 基本手当の受給期間は原則、離職日の翌日から1年。自営の準備に入ってもこの期間は進む。
- 令和4年7月1日から、離職後に事業を開始・専念・準備専念した人は、その期間を受給期間に数えない特例を最大3年申請できる。
- 申請は、開始・専念を始めた日の翌日から2か月以内に、管轄のハローワークへ。
- 再就職手当などが不支給になった場合は、2か月を超えても、支給申請日を起点に特例を申請できる。
公式一次情報
- 厚生労働省「基本手当、再就職手当」Q&A(Q11 受給期間、Q12・Q14・Q15 延長の種類と期限、Q18・Q19 事業を開始した場合の特例。2026-10-24確認)
よくある質問
- 退職後に事業を始めた期間は、失業手当の受給期間に入りますか?
- 特例を申請すれば、事業の実施期間を受給期間に算入しない扱いにできます。本来の1年に加えて最大3年間です。
- 特例はいつまでに申請しますか?
- 事業を開始した日、事業に専念し始めた日、事業の準備に専念し始めた日の翌日から2か月以内に、住居所を管轄するハローワークへ申請します。
- 2か月を過ぎてしまったら申請できませんか?
- 就業手当または再就職手当を支給申請して不支給になった場合は、2か月を超えても、その手当の支給申請日を特例の申請日として申請できます。それ以外は管轄のハローワークで確認してください。
- 特例を使うと、受給期間は最長で何年になりますか?
- 本来の1年に、算入しない期間の最大3年を加えた最長4年です。
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