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使途不明金と使途秘匿金の違い|損金不算入と40%課税

支出の相手や使い道が帳簿でわからないとき、法人税でどう扱われるかを整理します。費途不明の交際費等が損金に入らないこと、使途秘匿金に追加でかかる支出額の40%の課税、帳簿に書く事項と判定の時期を、通達と条文で確認します。

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編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

帳簿に「相手」も「使い道」も残っていない支出は、法人税で損金に入らないのが基本です。さらに、相手の氏名等を秘匿するためのものと見られる支出は、使途秘匿金として支出額の40%が法人税に上乗せされます。

この記事は、この2つの違いと、帳簿に何を残せばよいかに絞っています。交際費の損金算入の枠は法人の交際費の損金算入、罰金など損金にならない支出は罰金・過料・加算税の損金算入で扱っています。

費途不明の交際費等は損金に入らない

法人税基本通達9-7-20は、交際費、機密費、接待費などの名義で支出した金銭で、費途が明らかでないものは、損金の額に算入しないと定めています。

通達にある条件は次の2つです。

  • 交際費、機密費、接待費などの名義で支出していること
  • その費途(使い道)が明らかでないこと

領収書や支払先の記録がなく、何のための支出か説明できないと、この通達に当たるおそれがあります。損金に入らないので、その分だけ法人税の対象となる所得が増えます。

使途秘匿金は支出額の40%が上乗せされる

租税特別措置法62条1項は、使途秘匿金の支出があると、通常の計算で出した法人税の額に、使途秘匿金の支出額に40%を掛けた金額を加えた額を法人税とする、と定めています。

同条2項が定める使途秘匿金は、次の3つを満たす支出です。

  • 法人がした金銭の支出(贈与や供与などの目的で金銭以外の資産を引き渡した場合を含む)であること
  • 相当の理由がないのに、相手方の氏名または名称、住所または所在地、その事由を、帳簿書類に記載していないこと
  • 取引の対価として相当と認められることが明らかなものではないこと(資産の譲受けなどの対価の支払として、金額が相当と認められるものは除かれます)

同条3項は、帳簿に記載がない場合でも、税務署長が「相手方の氏名等を秘匿するためではない」と認めるときは、使途秘匿金に含めないことができると定めています。

2つの違いを並べる

項目費途不明の交際費等使途秘匿金
根拠法人税基本通達9-7-20租税特別措置法62条
見るところ名義と、費途が明らかかどうか相手方の氏名等・事由が帳簿書類に書かれているかどうか
税務上の扱い損金の額に算入しない通常の法人税額に、支出額×40%を加算

使途秘匿金は、損金に入るかどうかとは別の仕組みで、法人税の額そのものに上乗せされます。ただし、通達と条文の文言に基づく整理であり、個別の支出がどちらに当たるかは、帳簿の記載や支出の内容で決まります。

帳簿に書く事項と判定の時期

使途秘匿金に当たらないようにするには、62条2項の3点を帳簿書類に残します。

  • 相手方の氏名または名称
  • 相手方の住所または所在地
  • 支出の事由

記載しているかどうかをいつの時点で見るかは、租税特別措置法施行令38条が定めています。

場面判定根拠
原則事業年度終了の日の現況で、帳簿に記載しているかを見る(中間申告書を出す法人の期首から6か月間の支出は、6か月を経過する日の現況)施行令38条1項
あとから記載した申告書の提出期限までに帳簿書類に記載されていれば、事業年度終了の日に記載があったものとみなす施行令38条2項
記載した人を通じて別の人に渡した記載された人を通じてその人以外にされたと認められる支出は、記載されていないものとする施行令38条3項
金銭以外の資産を渡した引渡しの時の価額で支出額を計算する施行令38条4項

仲介者の名前だけを書いて、実際に受け取った人を書かないと、3項により「記載されていない」扱いになります。実際の相手方を書くのが前提です。

従業員への支給が業務に使われたか不明なとき

措置法通達61の4(1)-12の(3)は、従業員等に機密費、接待費、交際費、旅費などの名義で支給したもののうち、その法人の業務のために使用したことが明らかでないものは、給与の性質を有するものとして交際費等に含まれない、と定めています。

この通達が言っているのは、交際費等の枠の外に置く、という点までです。給与としての源泉徴収の要否までは書かれていません。

従業員に概算で渡した出張や接待の費用は、精算の記録を残しておくと、業務に使ったことを説明しやすくなります。仮払いの精算は仮払金・仮受金・立替金の決算での整理で確認できます。

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公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。個別の支出が費途不明や使途秘匿金に当たるかは、支出の内容と帳簿の記載によって変わります。具体的な処理は、税理士へ確認してください。