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法人の帳簿書類の保存期間|法人税7年・欠損金10年・会社法10年

法人が帳簿・領収書・決算書をいつまで保存するかを、法人税(7年、欠損金が出た事業年度は10年)と会社法(株式会社・合同会社とも10年)の根拠条文で整理します。起算日の考え方と架空条件の例つき。

法人化(法人成り)
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

法人成りすると、帳簿書類の保存は法人税法と会社法の両方で決まります。法人税法は原則7年(欠損金が生じた事業年度は10年)、会社法は会計帳簿や計算書類を10年と定めています。

この記事は、2つの法律の保存期間を並べ、起算日の違いと、領収書や契約書などの書類の扱いを整理します。個人事業主時代の帳簿の保存は個人事業主の記帳、電子データで受け取った書類は電子帳簿保存法で扱っています。

保存期間の一覧(法人税法と会社法)

根拠対象期間
法人税法(法人税法施行規則59条、タックスアンサーNo.5930)帳簿と、取引に関して作成・受領した書類7年(青色繰越欠損金が生じた事業年度などは10年)
会社法432条2項・435条4項(株式会社)会計帳簿とその事業に関する重要な資料、計算書類と附属明細書10年
会社法615条2項・617条4項(合同会社などの持分会社)会計帳簿とその事業に関する重要な資料、計算書類10年

法人税法と会社法は別の法律で、対象も数え始める日も違います。どちらか一方を守れば足りるわけではなく、会社には両方の義務がかかります。

法人税法の保存期間(7年・10年)

国税庁のタックスアンサーNo.5930は、法人は帳簿を備え付けて取引を記録し、その帳簿と取引等に関して作成・受領した書類を、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければならないと説明しています。

帳簿の例は、総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などです。書類の例は、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などです。

青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度と、青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失金額が生じた事業年度は、10年間になります(同No.5930の注)。赤字を翌期以降に繰り越す法人は、赤字が出た年度の帳簿書類を10年残すことになります。

青色申告法人の保存義務は、施行規則59条1項が、帳簿、決算に関する書類、取引に関する書類を挙げて定めています。書類のうち取引の相手方から受け取った注文書・契約書・送り状・領収書・見積書と、自分で作った書類の写しが含まれます。

起算日の考え方

法人税法の7年や10年は、事業年度の終了日からではなく、確定申告書の提出期限の翌日から数えます(タックスアンサーNo.5930)。施行規則59条2項は、起算日を「事業年度終了の日の翌日から二月を経過した日」と定めています。

確定申告書の提出期限の延長の特例を受けている事業年度は、延長に係る月数に2を加えた月数です。清算中の法人の残余財産が確定した事業年度は1か月です(同項1号・2号)。

帳簿は閉鎖した日の属する事業年度、書類は作成または受領した日の属する事業年度を基準に、起算日が決まります。

会社法の保存期間(株式会社・合同会社)

株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から10年間、会計帳簿とその事業に関する重要な資料を保存します(会社法432条2項)。計算書類を作成した時から10年間、計算書類と附属明細書も保存します(同435条4項)。

合同会社などの持分会社にも、同じ10年の定めがあります。会計帳簿とその事業に関する重要な資料は閉鎖の時から10年間(615条2項)、計算書類は作成した時から10年間(617条4項)です。

会社法の対象は「会計帳簿」「その事業に関する重要な資料」「計算書類」です。領収書や契約書がどの資料に当たるかは、会社の帳簿のつくりで変わるため、個別の判断は税理士へ確認してください。

架空条件の例:3月決算の会社の場合

以下は説明のための架空の条件です。事業年度が2026年4月1日から2027年3月31日の株式会社で、確定申告の提出期限の延長の特例は受けていないとします。

項目日付・期間
事業年度の終了日2027年3月31日
確定申告書の提出期限(終了日の翌日から2か月)2027年5月31日
法人税法の保存期間の起算提出期限の翌日の2027年6月1日から7年間(この事業年度に青色繰越欠損金が生じた場合は10年間)
会社法の保存期間会計帳簿は閉鎖の時から10年間、計算書類は作成した時から10年間

同じ帳簿でも、法人税法は申告期限の翌日から、会社法は閉鎖や作成の時から数えるため、期限の日付は一致しません。期限の計算に迷うときは、長い方の年数を目安に残しておくと、どちらの定めにも抵触しにくくなります。この残し方は条文が指定するものではなく、実務上の目安です。

まとめ

  • 法人税法は、帳簿と取引関係の書類を確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する(タックスアンサーNo.5930)。
  • 青色繰越欠損金が生じた事業年度などは10年間(同No.5930の注)。
  • 会社法は、株式会社が会計帳簿・計算書類を10年間(432条2項・435条4項)、合同会社も10年間(615条2項・617条4項)。
  • 法人税法と会社法は別の義務で、数え始める日も違う。
  • 書類が会社法の「重要な資料」に当たるかなどの個別の判断は、税理士へ確認する。

よくある質問

法人の領収書は何年保存しますか?
法人税法では、取引に関して受領した書類として、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。青色繰越欠損金が生じた事業年度などは10年間です(出典:国税庁タックスアンサーNo.5930)。
7年はいつから数えますか?
事業年度の終了日ではなく、確定申告書の提出期限の翌日からです(出典:国税庁タックスアンサーNo.5930、法人税法施行規則59条2項)。
赤字の年度の帳簿は、何年残しますか?
青色申告書を提出した事業年度で青色繰越欠損金が生じた場合は、10年間です(出典:国税庁タックスアンサーNo.5930の注3)。
会社法の保存期間は何年ですか?
株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から10年間、計算書類の作成の時から10年間です。合同会社も同じ10年です(出典:会社法432条2項・435条4項・615条2項・617条4項)。
法人税法と会社法の期間が違うときは、どちらに合わせますか?
両方の義務があるため、どちらか一方を満たせば足りるわけではありません。長い方に合わせて残す運用もありますが、条文の定めではありません。個別の判断は税理士へ確認してください。

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。制度・期限は改正される場合があります。個別の判断は税理士・税務署へご確認ください。