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仮払金・仮受金・立替金を残したまま決算すると起きること|使途不明金・役員貸付への整理

法人成りしたばかりの会社では、使い道が決まらないまま仮払金・仮受金・立替金が決算まで残りがちです。残したままにすると、税務で何が問題になりうるかを、国税庁の資料と租税特別措置法の条文で確かめられる範囲に絞って整理しました。

国税庁タックスアンサー・e-Gov法令検索にもとづく
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

仮払金は、お金は出たが使い道や相手先がまだ決まっていない支出を、一時的に置く勘定です。仮受金は、お金は入ったが中身がまだ決まっていない入金を置く勘定です。税の制度としての定義はなく、決算までに中身を決めて、本来の勘定科目へ振り替えるのが通常の整理です。

残ったままの仮払金は、中身によって役員給与・交際費・役員への貸付のいずれかとして税務で見られる可能性があります。このページは考え方の整理で、個別の処理が認められるかは判断していません。

決算前の整理の順番

  1. 決算日の仮払金・仮受金・立替金の残高を、1件ずつ書き出す。
  2. 領収書・請求書・通帳で、支払先と使い道を確かめる。
  3. 会社の事業のための支出なら、旅費・消耗品費などの科目へ振り替える。
  4. 役員や家族のための支出なら、役員貸付金、または役員報酬など、実態に合う科目へ移す。
  5. 中身を確かめられない分は、税理士と処理を相談する。

法人成り後に残りやすいのは、個人のお金で会社の経費を払った分と、会社のお金を個人のために使った分です。前者は役員への未払金や立替金、後者は役員貸付金として整理します。

役員への支出だったとき

国税庁のタックスアンサーNo.5202は、役員に対する経済的利益の例として、役員等の個人的費用を会社が負担した額、機密費等の名義で支給したもののうち法人の業務のために使ったことが明らかでないもの、無利息または低率で金銭を貸した場合の利息の差額などを挙げています。

役員に対して継続して供与される経済的利益は、毎月おおむね一定であれば定期同額給与に当たります。それ以外は定期同額給与に当たらず、損金に算入されません(No.5202)。事実を隠蔽し、または仮装して経理して役員に支給したものは、全額が損金に算入されません(No.5211)。

役員への貸付として整理した場合も、利息の扱いが残ります。詳しくは役員への貸付と認定利息と、役員からの借入の場合の役員からの借入金を見てください。

相手先が書かれていない支出

租税特別措置法第62条は、法人が相当の理由がなく、金銭の支出の相手方の氏名または名称・住所・事由を帳簿書類に記載していないものを、使途秘匿金の支出と定めています(第2項)。使途秘匿金を支出した法人は、通常の法人税に加えて、その支出の額に応じた法人税を納める義務があります(第1項)。

税務署長は、記載をしていないことが相手方の氏名等を秘匿するためでないと認めるときは、使途秘匿金の支出に含めないことができます(第3項)。相手先と事由を帳簿書類に残すことが、最初の対策になります。

仮払金のまま中身が分からない支出は、相手先が帳簿書類から読み取れない点で、この規定を意識する場面があります。実際に使途秘匿金に当たるかは、取引の内容と記載の状況で決まります。

仮受金・立替金の見方

仮受金は、中身を確かめずに残すと、売上の入金なのか役員からの借入なのか増資の払込みなのかが決算書から読めなくなります。売上なら売上高へ、役員からの入金なら役員借入金へ、実態に合わせて振り替えます。

同族会社は、法人事業概況説明書に、代表者に対する報酬・貸付金・仮払金・賃借料・支払利息、代表者からの借入金・仮受金の金額を記載する欄があります(国税庁の記載要領)。代表者との間の仮払金・仮受金の残高は、申告のたびに税務署へ示される形になります。

同族会社の代表者との取引については、同族会社の行為計算の否認と、決算書類の見方の勘定科目内訳明細書・法人事業概況説明書も参考になります。債権が回収できなくなったときは貸倒損失の要件を見てください。

公式一次情報

確認日は2026年10月12日です。

よくある質問

仮払金を決算まで残してもよいですか?
仮払金は一時的に置く勘定で、税の制度としての定義はありません。決算までに使い道と相手先を確かめ、本来の科目へ振り替えるのが通常の整理です。
使途不明の支出は、経費になりますか?
役員への支出で法人の業務のために使ったことが明らかでないものは、役員に対する経済的利益として扱われる例があります(国税庁No.5202)。相手先と事由を帳簿書類に残していないと、使途秘匿金の規定も関係します(租税特別措置法第62条)。
役員に渡したお金を仮払金にしたままだと、どうなりますか?
実態が役員への貸付なら貸付金として整理し、利息の扱いも確認します。給与として支給したものなら、定期同額給与などに当たらない限り損金に算入されません(No.5211)。
代表者との仮払金・仮受金は、税務署に伝わりますか?
同族会社は、法人事業概況説明書に代表者に対する貸付金・仮払金・借入金・仮受金などの金額を記載する欄があります。
本記事について。税理士の監修前の概説です。仮払金・仮受金の振替は、取引の実態と証拠書類で処理が変わるため、実際の判断は税理士にご相談ください。
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典