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勘定科目内訳明細書と法人事業概況説明書とは|法人税の申告書に添付する2つの書類と書き方

法人税の確定申告書に添付する勘定科目内訳明細書(16種類)と法人事業概況説明書について、法令上の根拠、様式の入手先、記載の注意点を、国税庁・e-Taxの公式情報にもとづき整理します。

法人税法施行規則35条
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

法人を設立して最初の決算を迎えると、申告書、決算書のほかに、勘定科目内訳明細書と法人事業概況説明書という2つの添付書類が必要になります。個人事業主の青色申告には無かった書類のため、初めて見て戸惑う場面が多い部分です。

このページでは、2つの書類がそれぞれ何を書くものか、法令上の根拠、様式の入手先と提出方法、一人で運営する小さな会社で迷いやすい点を整理します。

法令上の根拠:添付が必要な書類

法人税の確定申告書に添付する書類は、法人税法第74条第3項の委任を受けた法人税法施行規則第35条第1項に定められています。貸借対照表と損益計算書に係る勘定科目内訳明細書(同項第3号)と、事業等の概況に関する書類(同項第5号)が、その中に含まれます(出典:e-Gov法令検索)。

書類施行規則35条1項決算書との関係
貸借対照表・損益計算書第1号決算書そのもの
勘定科目内訳明細書第3号貸借対照表・損益計算書の各科目の内訳
事業等の概況に関する書類第5号国税庁の様式では「法人事業概況説明書」

決算書そのものの種類と見方は決算書の種類と見方、申告書全体の流れは法人の決算と申告で説明しています。

勘定科目内訳明細書の16種類

勘定科目内訳明細書は、貸借対照表と損益計算書の各科目の内訳を、科目別の用紙に書き出す書類です。e-Taxの標準フォーム(令和6年3月1日以後終了事業年度分)では、次の16種類が掲載されています。

番号内訳書番号内訳書
1預貯金等9買掛金(未払金・未払費用)
2受取手形10仮受金(前受金・預り金)、源泉所得税預り金
3売掛金(未収入金)11借入金及び支払利子
4仮払金(前渡金)、貸付金及び受取利息12土地の売上高等
5棚卸資産13売上高等の事業所別
6有価証券14役員報酬手当等及び人件費
7固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る)15地代家賃等、工業所有権等の使用料
8支払手形16雑益、雑損失等

内訳書は、決算書の科目の内訳を示すものです。自社の決算書に載っている科目に応じて作成します。原価の内訳書は、製造(修理)業、建設業、運送業の法人が、国税庁の例示する様式を基に作成します。

法人事業概況説明書で書く内容

法人事業概況説明書は、会社の事業の様子を税務署へ伝える書類です。国税庁の記載要領によると、法人税確定申告書を提出する際に添付します。記載欄には次のような項目が並びます。

  • 事業内容・事業形態:営む事業の内容を書きます。
  • 国内・海外の支店、子会社の状況、海外取引の有無。
  • 期末従事員等の状況:常勤役員、従業員などの人数と、そのうち代表者の家族の人数を書きます。
  • PCの利用状況:PCの利用の有無、OS、電子帳簿保存法の適用状況など。
  • 経理の状況:現金出納と預金通帳の管理責任者、消費税の経理方式、課税売上高など。

様式は令和6年3月1日以後に終了する事業年度分から改訂されています(PC利用状況の電帳法適用状況の欄などが改訂)。提出の際は、決算期に合った版を国税庁のサイトで入手してください。

書き方と提出の注意点

様式の入手と代用

国税庁は、勘定科目内訳明細書の様式を国税庁のホームページに掲載しています。また、会社が内訳書におおむね準じた書類を作成しているときは、国税庁の様式に代えて、その書類を提出して差し支えないとされています(国税庁「勘定科目内訳明細書の提出について」)。会計ソフトで出力した内訳書をそのまま使う会社が多いのはこのためです。

金額の書き方(法人事業概況説明書)

  • 金額は千円単位で、千円未満は切り捨てます。取引金額欄だけは百万円単位、源泉徴収税額欄は円単位です。
  • 切り捨てて記載すべき金額がなくなった場合は、空欄のままにします。
  • マイナスの金額は「△」または「-」を付けます。「▲」は使用しないでください。
  • 記入済みの書類は、他の書類とホチキス止めをせず、申告書に挟み込んで提出します。

e-Taxで出す場合

電子情報処理組織による申告の特例により電子申告が義務付けられている法人は、勘定科目内訳明細書もe-Taxで提出する必要があります(国税庁「勘定科目内訳明細書の提出について」)。

一人社長の会社で迷いやすい点

法人事業概況説明書の記載要領から、従業員のいない小さな会社が迷いやすい点を3つ挙げます。

  1. 代表者の家族の人数:期末従事員のうち、代表者の家族の人数を書きます。記載要領では、同居か別居かは問わず、代表者本人は含まないとされています。
  2. 常勤役員の欄:常勤の役員の人数を書き、職種の欄には記載例(事務員、技術者、販売員など)に沿って該当の職種を書きます。
  3. 消費税の欄:当期の課税売上高を千円単位で書き、税抜経理か税込経理かを選びます。インボイスや簡易課税の判断は法人成りとインボイスや簡易課税の解説で確認してください。

勘定科目内訳明細書では、役員への貸付や役員からの借入、役員報酬の支払いが、貸付金・借入金・役員報酬手当等の各内訳書に現れます。役員との取引の整理は役員への貸付金の認定利息と役員借入金を参照してください。

よくある質問

勘定科目内訳明細書は全部で何種類ありますか?

e-Taxの標準フォーム(令和6年3月1日以後終了事業年度分)では16種類が掲載されています。自社の決算書の科目に応じて作成します。

勘定科目内訳明細書は国税庁の用紙でないと受け付けられませんか?

会社がおおむね国税庁の内訳書に準じた書類を作成しているときは、その書類を提出して差し支えないとされています(国税庁「勘定科目内訳明細書の提出について」)。

法人事業概況説明書は、いつ誰が出しますか?

法人税確定申告書を提出する際に、税務署の法人事業概況説明書を添付します(国税庁の記載要領)。記入済みの書類は、他の書類とホチキス止めせず申告書に挟み込んで提出します。

法人事業概況説明書の金額は何円単位で書きますか?

千円単位(千円未満切捨て)です。取引金額欄は百万円単位、源泉徴収税額欄は円単位です。マイナスは「△」または「-」を使い、「▲」は使用しません。

従業員も取引もない一人会社でも、2つの書類を出しますか?

法人税法施行規則35条1項で、確定申告書の添付書類として勘定科目内訳明細書と事業等の概況に関する書類が挙げられています。該当する科目の内訳書と、事業概況説明書の該当欄を記載します。

まとめ

  • 勘定科目内訳明細書(決算書の内訳)と法人事業概況説明書(事業の概況)は、法人税の確定申告書の添付書類。
  • 内訳書は16種類あり、自社の決算書の科目に応じて作成する。準ずる書類での代用もできる。
  • 概況説明書は千円単位で書き、他の書類とホチキス止めせず申告書に挟み込む。
  • 電子申告が義務付けられた法人は、内訳書もe-Taxで提出する。

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。添付書類の要否や記載内容は、会社の規模や決算の内容によって異なります。実際の判断は税理士や所轄の税務署にご相談ください。