小規模企業共済の解約手当金|納付月数ごとの支給率と計算例
小規模企業共済を解約したときの解約手当金は、納付した掛金の80〜120%です。納付月数ごとの支給率、掛金を増額・減額した場合の計算例、受け取った年の税金の扱いを、中小機構の案内にもとづき整理します。
中小機構の制度解約手当金が掛金の合計額と同じ(100%)になるのは、掛金の納付月数が240か月(20年)になってからです。12〜83か月の解約は80%、11か月以内の解約は0%で、掛金は戻りません。
「いま解約するといくら戻るのか」を、納付月数ごとの支給率と、掛金を増額した場合の計算例で確かめられるようにまとめます。制度の全体像は小規模企業共済のメリット・デメリットで扱っています。
解約手当金の額の考え方
中小機構の案内では、解約手当金の額は、納付した掛金の合計に、解除までの掛金納付月数に応じた支給率を掛けた額です。支給率は納付月数に応じて80%から120%の間で決まります。支給率は小規模企業共済法施行令の別表第二で定められています。
- 解約手当金を受け取れるのは、解約した時点の掛金納付月数が12か月以上のときです。
- 12か月未満で解約すると、納めた掛金は掛け捨てになります。
- 100%以上を受け取れるのは、掛金納付月数が240か月以上からです。240か月未満で任意解約すると、掛金の合計額を下回ります。
- 解約手当金には、付加共済金の加算はありません。
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納付月数ごとの支給率
平成16年4月以降の掛金についての支給率は、次のとおりです。表には、中小機構の案内に載っている区切りの月数を抜き出しています。
| 掛金区分ごとの掛金納付月数 | 支給率 |
|---|---|
| 1〜11か月 | 0.00%(掛け捨て) |
| 12〜83か月 | 80.00% |
| 84〜89か月 | 80.50% |
| 120〜125か月 | 85.00% |
| 180〜185か月 | 92.50% |
| 240〜245か月 | 100.00% |
| 246〜251か月 | 100.25% |
| 474〜479か月 | 109.75% |
| 480か月 | 110.00% |
| 720か月以上 | 120.00% |
84か月から245か月までは6か月ごとに0.75ポイントずつ、246か月以降は6か月ごとに0.25ポイントずつ支給率が上がると案内されています。平成16年3月までの掛金には、この表と異なる支給率が使われます。
戻る額の計算例
掛金月額1万円を変えずに納め、任意解約した場合の目安です(上の表からの試算で、平成16年4月以降の掛金のみとします)。
| 納付期間 | 掛金の合計 | 支給率 | 解約手当金 | 掛金との差 |
|---|---|---|---|---|
| 11か月 | 11万円 | 0% | 0円 | −11万円 |
| 5年(60か月) | 60万円 | 80% | 48万円 | −12万円 |
| 10年(120か月) | 120万円 | 85% | 102万円 | −18万円 |
| 15年(180か月) | 180万円 | 92.5% | 166.5万円 | −13.5万円 |
| 20年(240か月) | 240万円 | 100% | 240万円 | 0円 |
15年で解約すると13.5万円、10年で解約すると18万円、掛金より少なくなります。続けられる期間を見込んで、掛金の月額を決めることになります。
掛金を増額・減額したときの計算
途中で掛金月額を増額している場合は、増額前の掛金月額による納付月数と、増額した部分の納付月数について、それぞれ計算して合計します。減額した場合も同じで、掛金月額ごとの納付月数で計算して合計します。
中小機構の案内にある計算例は、次のとおりです。令和N年4月に月額1万円で加入し、5年後と10年後にそれぞれ月額2万円(40口)を追加、15年後の3月に任意解約した場合です。
| 区分 | 掛金月額 | 納付月数 | 掛金納付の合計額 | 解約手当金 |
|---|---|---|---|---|
| (a) | 1万円(20口) | 180か月 | 180万円 | 166万5,000円 |
| (b) | 2万円(40口) | 120か月 | 240万円 | 204万円 |
| (c) | 2万円(40口) | 60か月 | 120万円 | 96万円 |
| 合計 | 540万円 | 466万5,000円 |
合計すると、掛金540万円に対して解約手当金は466万5,000円で、掛金の合計額の約86%です。加入期間は15年なので、増額した部分の納付月数が短いぶん、全体の支給率が下がっています(約86%は、表の金額からの計算です)。
加入期間が240か月以上でも、増額や減額で掛金区分ごとの納付月数が240か月を下回ると、任意解約の解約手当金が掛金の合計額を下回ることがあります。
受け取ったときの税金
中小機構の案内では、解約手当金は、受け取る年齢や受取方法で税法上の取扱いが異なります。任意解約の場合は次のとおりです。
| 場合 | 税法上の取扱い |
|---|---|
| 65歳以上の人が任意解約をするとき(65歳以上の共同経営者が任意退任をするときも同じ) | 退職所得扱い |
| 65歳未満の人が任意解約をするとき(65歳未満の共同経営者が任意退任をするときも同じ) | 一時所得扱い |
| 個人事業主が法人成りして、加入資格はなくならなかったが解約をするとき | 退職所得扱い |
退職所得の計算方法は共済・iDeCoの受け取りと出口の税金に、一時所得の計算方法は一時所得の特別控除と計算に書いています。
廃業や会社の解散、役員の退任などでは、請求事由によって受け取れる共済金等の種類が異なります。自分の事由がどれに当たるかは、中小機構の「手続きの流れ」で確認してください。
次に知りたいこと
公式一次情報
- 中小機構 小規模企業共済 解約手当金の額の算定方法(支給率の表・増額時の計算例・240か月の考え方。2026-10-26確認)
- 中小機構 小規模企業共済 共済金等請求・解約(税法上の取扱い。2026-10-26確認)
- 中小機構 小規模企業共済FAQ 共済金(解約手当金)はどのようなときに受け取れますか(請求事由ごとに共済金等の種類が異なる点。2026-10-26確認)
よくある質問
- 小規模企業共済を解約するといくら戻りますか?
- 納付した掛金の合計に、掛金納付月数に応じた支給率を掛けた額です。支給率は80%から120%で、11か月以内の解約は0%(掛け捨て)です。
- 元本割れしないのは何年からですか?
- 掛金納付月数が240か月(20年)以上からです。240か月未満で任意解約すると、掛金の合計額を下回ります。
- 掛金を増額した場合はどう計算しますか?
- 掛金月額ごとの納付月数で解約手当金を計算して合計します。増額した部分の納付月数が短いと、全体の支給率は下がります。
- 解約手当金に付加共済金は付きますか?
- 付きません。解約手当金には、付加共済金の加算はありません。
- 解約手当金は何所得になりますか?
- 任意解約では、65歳以上なら退職所得扱い、65歳未満なら一時所得扱いと案内されています。

