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取締役会を廃止する手続き|株主総会の特別決議・監査役・変更登記

株式会社が取締役会を置かない形に変えるときの条件、株主総会の決議、監査役の扱い、変更登記の期限と登録免許税を説明します。

会社法
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

法人成りで作った株式会社が、設立時に取締役会を置いたまま、実際は家族だけで運営している場合があります。取締役会を置く会社は、取締役3人以上と監査役が必要で、運営の手間も増えます。

この記事では、取締役会を廃止するには、株主総会の特別決議と、2週間以内の変更登記が必要であることを軸に、監査役の扱いと登録免許税までを確認できた範囲でまとめます。

取締役会を廃止すると変わること

会社法第326条は、株式会社に取締役を1人以上置くことを求め、取締役会は定款の定めで置けるとしています。取締役会を置く会社は、第331条第5項により、取締役が3人以上でなければなりません。

取締役会を置かない会社では、取締役が1人でも足ります。取締役が2人以上いる場合、業務は定款に別段の定めがなければ取締役の過半数で決めます(第348条第2項)。

株主総会の権限も変わります。取締役会を置く会社の株主総会は、法律と定款で定めた事項しか決議できません(第295条第2項)。取締役会を置かない会社では、会社に関する一切の事項を決議できます(同条第1項)。

代表取締役の決め方も変わります。取締役会を置かない会社は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選、または株主総会の決議で、取締役の中から代表取締役を定められます(第349条第3項)。

廃止できる会社の条件

第327条第1項は、次の株式会社に取締役会の設置を義務づけています。

  • 公開会社
  • 監査役会設置会社
  • 監査等委員会設置会社
  • 指名委員会等設置会社

これらに当たる会社は、取締役会を廃止できません。法人成りで作った会社の多くは、定款で株式の譲渡に会社の承認を必要としている公開会社でない会社で、廃止の検討対象になります。自社が公開会社かどうかは、定款と登記事項証明書で確認してください。

株主総会の特別決議

取締役会を置く旨は定款の定めなので、廃止は定款の変更です。第466条により、定款の変更は株主総会の決議で行い、第309条第2項第11号により、特別決議が必要です。

特別決議は、議決権を行使できる株主の議決権の過半数(定款で3分の1以上の割合を定めた場合はその割合以上)を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上(定款でそれを上回る割合を定めた場合はその割合以上)の賛成で成立します(第309条第2項)。

招集通知は、公開会社でない会社なら総会の日の1週間前までに発します(第299条第1項)。取締役会を置かない会社は、定款でこれより短い期間を定めることもできます。

株主全員が同意すれば、招集の手続きを省略して開くことも、書面などで決議することもできます。詳しくは定時株主総会の招集と議事録の記事を確認してください。

監査役はどうなるか

取締役会を置く会社は、第327条第2項により、原則として監査役を置かなければなりません。ただし、公開会社でない会計参与設置会社は除かれます。取締役会を廃止すると、監査役は義務ではなくなります。

監査役を置き続けるかは、会社が選びます。監査役を置く旨の定款の定めを廃止する場合、第336条第4項第1号により、監査役の任期は定款変更の効力が生じた時に満了します。

法務局の記載例では、取締役会設置会社の定めと監査役設置会社の定めを同時に廃止し、監査役の退任も合わせて登記する形が示されています。監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨が登記されている会社は、その廃止の登記も必要です。

取締役会を残したまま監査役を置かない方法として、会計参与を置く選択もあります。条件は会計参与とはで整理しています。

変更登記の期限・費用・書類

登記事項に変更が生じたときは、第915条第1項により、2週間以内に本店の所在地で変更の登記をします。取締役会設置会社である旨は登記事項です(第911条第3項第15号)。

登録免許税は、法務局の記載例によると、取締役会設置会社の定めの廃止につき3万円です。監査役設置会社の定めの廃止は別に3万円、監査役の退任と監査の範囲の限定の廃止は1万円(資本金が1億円を超える会社は3万円)です。

添付書類は、記載例では次の3点です。

  • 株主総会議事録 1通
  • 株主の氏名または名称、住所、議決権数などを証する書面(株主リスト) 1通
  • 委任状 1通(代理人に申請を委任した場合のみ)

登記を怠ると、取締役などは100万円以下の過料に処される場合があります(第976条第1号)。実際の申請書の書き方は、登記の状況によって変わるため、法務局か司法書士に確認してください。

役員の人数や取締役会を置く条件は、法人成りの役員の人数の記事でも確認できます。

公式一次情報

まとめ

公開会社でない株式会社は、株主総会の特別決議で定款を変更し、取締役会を廃止できます。廃止後は取締役1人でも足り、監査役も義務ではなくなります。変更登記は2週間以内で、登録免許税は取締役会設置会社の定めの廃止につき3万円です。

次に知りたいことは、法人成りの役員の人数、定時株主総会の招集と議事録、役員の任期と重任登記の記事で確認できます。

よくある質問

取締役会を廃止すると、取締役は何人まで減らせますか?
1人まで減らせます。取締役会を置く会社は3人以上が必要ですが(会社法第331条第5項)、置かない会社は1人以上で足ります(第326条第1項)。
取締役会の廃止には、株主総会のどんな決議が必要ですか?
定款の変更にあたるため、特別決議が必要です(第466条、第309条第2項第11号)。出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が要件です。
取締役会を廃止したら、監査役も必ず辞めますか?
必ずではありません。取締役会を廃止すると監査役を置く義務はなくなりますが、置き続けるかは会社が選びます。監査役を置く旨の定款の定めを廃止する場合は、定款変更の効力が生じた時に任期が満了します(第336条第4項第1号)。
変更登記はいつまでに、いくらで申請しますか?
変更から2週間以内に本店の所在地で申請します(第915条第1項)。法務局の記載例では、取締役会設置会社の定めの廃止の登録免許税は3万円です。
本記事について。税理士・司法書士の監修前の概説です。定款の定めや登記の状況によって手続きが変わるため、実際に取締役会を廃止するときは司法書士・弁護士に確認してください。