合同会社に社員を加える手続き|総社員の同意・出資・変更登記
合同会社へ家族や共同経営者を新しい社員として迎えるときの、定款変更に必要な総社員の同意、出資の払込みと加入の効力が生じる時点、2週間以内の変更登記、登録免許税を説明します。
会社法合同会社は、設立後でも新しい社員を加えられます。ただし、社員の氏名や出資額は定款に書く事項なので、社員が増えるたびに定款を変更する手続きが必要です。
この記事では、加入の効力がいつ生じるか、加入した社員が負う責任、変更登記の期限と登録免許税までを説明します。退社する側の手続きは別の記事で扱います。
定款の変更と総社員の同意
会社法第604条第1項は、持分会社は新たに社員を加入させることができると定めています。合同会社は持分会社の一つです。
第576条第1項は、定款に「社員の氏名または名称と住所」「社員が無限責任社員か有限責任社員か」「社員の出資の目的とその価額」を記載するよう求めています。合同会社の社員は全員が有限責任社員です(同条第4項)。
このため、加入には定款の変更が必要です。第637条により、定款に別段の定めがある場合を除き、定款の変更は総社員の同意で行います。1人でも反対する社員がいると、定款に別の定めがない限り加入は決められません。
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加入の効力が生じる時点
第604条第2項は、社員の加入は、その社員に関する定款の変更をした時に効力が生じると定めています。
ただし合同会社には例外があります。同条第3項により、新しく社員になろうとする人が、定款の変更をした時に出資の払込みや給付の全部または一部を終えていない場合は、払込みや給付を完了した時に社員になります。定款を変更した日と、社員になる日がずれることがあります。
加入の日を確認できるよう、定款変更の同意の日と出資の払込みの日は、それぞれ記録しておきます。
加入前の債務の責任
第605条は、会社の成立後に加入した社員は、加入前に生じた会社の債務についても弁済する責任を負うと定めています。
加入前の借入れや未払金がある会社に加わる人は、加入する前に会社の債務の状況を確認してください。
変更登記の期限・登録免許税・添付書面
合同会社の登記事項には、資本金の額、業務を執行する社員の氏名、会社を代表する社員の氏名と住所があります(会社法第914条)。加入によってこれらが変わると、第915条第1項により、変更が生じてから2週間以内に本店の所在地で変更登記をします。
法務局の記載例(資本金の額が増加する場合)には、新しい社員が出資して加入する場合の登録免許税と添付書面が示されています。
- 資本金が増えるとき:増加した資本金の額の1000分の7。3万円に満たないときは3万円で、100円未満は切り捨てます。
- 業務執行社員が出資して加入するとき:上の金額に加えて、加入の登記の分として別に3万円(資本金の額が1億円以下の会社は1万円)。
- 主な添付書面:総社員の同意書、出資の払込み・給付があったことを証する書面、増加する資本金の額について業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面。金銭だけの払込みなら、資本金の額の計上に関する証明書は不要です。
業務執行社員以外の社員が出資して加入する場合の記載例にも、同じ書面が示されています。業務執行社員が加入した場合には、登記すべき事項に「社員に関する事項」として資格、氏名、加入の原因年月日を書きます。
別の記載例(持分全部譲渡による業務執行社員の退社及び加入)では、資本金が増えず、登録免許税は1万円(資本金1億円超は3万円)、添付書面は総社員の同意書とされています。出資の方法で書類と金額が変わるため、法務局の記載例から会社の状況に合う例を確認してください。退社側は合同会社の社員の退社の手続きで整理しています。
公式一次情報
- e-Gov法令検索「会社法」第576条・第604条・第605条・第637条・第914条・第915条(2026-10-16確認)
- 法務局「合同会社(資本金の額が増加する場合)」記載例(登録免許税と添付書面、2026-10-16確認)
- 法務局「合同会社(持分全部譲渡による社員の退社及び加入の場合)」記載例(2026-10-16確認)
まとめ
合同会社に社員を加えるには、総社員の同意で定款を変更します。加入の効力は定款変更の時に生じますが、出資の払込みが終わっていなければ、払込みの完了時です。加入後は会社の既存の債務についても責任を負い、資本金や業務執行社員が変わる場合は2週間以内に変更登記をします。
次に知りたいことは、社員の退社の手続き、合同会社と株式会社の違い、法人成りの役員の人数の記事で確認できます。
よくある質問
- 合同会社に新しい社員を入れるには、誰の同意が必要ですか?
- 定款に別段の定めがなければ、総社員の同意が必要です。社員の加入は定款の変更を伴うためです(会社法第604条・第637条)。
- 出資の払込み前でも社員になりますか?
- 合同会社では、定款変更の時に出資の払込みや給付を終えていない場合、払込みや給付を完了した時に社員になります(会社法第604条第3項)。
- 加入前にあった会社の借入れの責任も負いますか?
- 負います。会社の成立後に加入した社員は、加入前に生じた会社の債務についても弁済する責任を負います(会社法第605条)。
- 変更登記はいつまでに申請しますか?
- 変更が生じてから2週間以内に、本店の所在地で申請します(会社法第915条第1項)。
社員が持分を譲って入れ替わるときの承諾と登記は、合同会社の持分を譲渡する手続きで扱っています。
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