小規模事業者持続化補助金(第20回)の要件・日程・第19回からの変更点|個人事業主向け
第20回公募の日程・補助額・対象者・対象経費と、交付決定前の発注など失敗しやすい点を、公募要領のページ番号つきで整理します。
中小企業庁の補助金小規模事業者持続化補助金は、従業員の少ない事業者が販路開拓などに使った費用の一部を、国が補助する制度です。このページでは、通常枠の第20回公募(2026年11月5日受付開始)の条件を、公募要領の原文で確認できた範囲だけ整理します。
表の「根拠」欄に、公募要領のページ番号を付けています。第20回公募 公募要領(第8版・2026年7月21日)を、2026年10月1日に確認した内容です。
第20回の日程
申請の締切より先に、商工会・商工会議所へ事業支援計画書(様式4)を依頼する締切が来ます。事業支援計画書の発行依頼は12月4日までで、これを過ぎると理由を問わず依頼できません。
| 項目 | 日付 | 根拠 |
|---|---|---|
| 公募要領の公開 | 2026年5月27日 | P.3 |
| 申請受付の開始 | 2026年11月5日 | P.3 |
| 事業支援計画書(様式4)の発行依頼の締切 | 2026年12月4日 | P.3 |
| 申請受付の締切 | 2026年12月15日 17時 | P.3 |
| 採択発表の予定 | 2027年3月ごろ | P.3 |
| 交付決定までの目安 | 採択発表から1〜2か月 | P.3 |
| 見積書等の提出期限 | 2028年2月29日 | P.3 |
| 補助事業の実施期限 | 2028年3月31日 | P.7 |
| 実績報告書の提出期限 | 2028年4月10日 | P.24 |
締切日の曜日は、公募要領の中で表記が分かれています。P.3は火曜日、P.22は木曜日と書かれていますが、2026年12月15日は火曜日です。
補助額と補助率
基本の補助上限は50万円で、特例を使うと上乗せがあります。インボイス特例と賃金引上げ特例の両方に当てはまれば、50万円と200万円を合わせて最大250万円です(250万円は本ページでの計算)。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 補助上限 | 50万円 | P.3 |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) | P.3 |
| 特例による上乗せ | インボイス特例は50万円、賃金引上げ特例は150万円、両方で200万円 | P.3 |
対象になる人
日本国内の個人事業主か、日本国内に本店がある法人で、小規模事業者であることが条件です。個人事業主は、商工業者であれば対象になりえますが、申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。
| 条件 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 個人事業主 | 商工業者であれば補助対象となりうる | P.4 |
| 従業員数(商業・サービス業。宿泊業・娯楽業を除く) | 常時使用する従業員が5人以下 | P.4 |
| 従業員数(宿泊業・娯楽業) | 常時使用する従業員が20人以下 | P.4 |
| 従業員数(製造業その他) | 常時使用する従業員が20人以下 | P.4 |
| 開業していない創業予定者 | 対象外(開業届を出していても、開業日が申請日より後なら対象外) | P.5 |
| 大企業の完全子会社 | 資本金・出資金5億円以上の法人に100%保有されていないこと(法人のみ) | P.5 |
| 課税所得 | 直近3年の課税所得の年平均が15億円を超えていないこと | P.5 |
| 過去に採択された事業者 | 事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年がたち、事業効果報告書(様式第14)を出していれば申請できる | P.6 |
| 創業型との併用 | 創業型との重複申請はできない | P.1 |
| 応募できる件数 | 同一事業者から同じ締切回へは1件 | P.23 |
申請の前に、次の準備が必要です。GビズIDの取得に数週間かかるため、締切から逆算して早めに動きます。
| 準備 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| GビズIDプライム | 申請に必要。取得には数週間かかる(数週間程度) | P.1、P.23 |
| 商工会・商工会議所の支援 | 事業支援計画書(様式4)の発行を受けながら取り組むこと | P.6 |
| 申請の方法 | 電子申請のみ(郵送は不可) | P.3 |
対象になる経費・ならない経費
対象経費は8つの区分に限られます。広報費とウェブサイト関連費は、それだけでは申請できず、上限も30万円(税込)です。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 対象経費の8区分 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 | P.12 |
| 対象になる経費の条件 | 交付決定日以降に発生し、補助事業期間中に支払いが終わった経費 | P.12 |
| 広報費 | 広報費だけでは申請できない。上限は30万円(税込) | P.13 |
| ウェブサイト関連費 | ウェブサイト関連費だけでは申請できない。上限は30万円(税込) | P.14 |
| 機械装置等費に入らないもの | 自転車・文房具・パソコン・事務用プリンターなどは対象外 | P.13 |
| 自動車等車両 | 自動車・フォークリフト・キッチンカーなどは対象外 | P.19 |
| 相見積もり | 1件あたり50万円(税込)超の機械装置等は、2者以上の見積もりが必要 | P.12 |
| 処分制限 | 単価50万円(税抜き)以上の機械装置等は、補助金を受けたあとも一定期間、勝手に処分できない | P.12 |
| 消費税 | 原則として補助対象外(免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者を除く) | P.20 |
失敗しやすい点
補助金の対象外になる原因の多くは、手続きの順序と支払い方法です。公募要領が明記している点を並べます。
- 交付決定日より前に行った発注・契約・支出は対象外(公募要領P.24)
- 交付決定前の購入・支払い(前払いを含む)は対象外(公募要領P.19)
- 採択通知書では補助事業を始められない。交付決定通知書の交付決定日から可能(公募要領P.24)
- 展示会への出展の申込みだけは、交付決定前でもよい。ただし請求書の発行は交付決定日以後(公募要領P.19)
- 補助金は後払い。自己負担が先に必要(公募要領P.1)
- 上乗せ部分だけでなく、補助金全体が交付されない(公募要領P.10)
- 1取引10万円(税抜き)を超える現金支払いは対象外(公募要領P.20)
- 代表者や従業員の個人カードでの支払いは「立替払い」。帳簿で確認できなければ対象外(公募要領P.21)
- 相手方と金額(成功報酬を含む)を書かないと、虚偽の報告として不採択・交付決定の取消(公募要領P.1)
- 提案内容に関するヒアリングはない。書類だけで審査される(公募要領P.32)
第19回からの変更点
第19回(2026年春の受付)と第20回の公募要領を並べて確認しました。賃金引上げ特例の条件が、最低賃金の引き上げ幅から、従業員1人あたり給与支給総額の増加率に変わりました。
| 項目 | 第19回 | 第20回 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 賃金引上げ特例の条件 | 補助事業の期間に事業場内最低賃金を50円以上引き上げること | 補助事業実施期限日(2028年3月31日)を終点とする12か月と、その前年同月の12か月を比べ、従業員1人あたり給与支給総額が3.0%以上増えること | 第19回P.9/第20回P.9 |
| 賃金台帳(賃金引上げ特例) | 直近1か月分 | 申請後は採択発表日の属する月を終点とする12か月分、実績報告時は補助事業実施期限日を終点とする12か月分 | 第19回P.9/第20回P.10 |
| 賃金引上げ加点 | 事業場内最低賃金が申請時より30円以上高くなること | 従業員1人あたり給与支給総額が年平均2.0%以上増えること | 第19回P.34/第20回P.35 |
| 加点の追加(健康経営優良法人) | (記載なし) | 「健康経営優良法人」の認定を受けている事業者が加点の対象 | 第20回P.35 |
| 加点の追加(地域別最低賃金引上げ) | (記載なし) | 直近の改定での地域別最低賃金額未満で雇用していた従業員(連続した3か月以上)がいる事業者が加点の対象 | 第20回P.40 |
| 申請受付の期間 | 2026年3月6日から4月30日 | 2026年11月5日から12月15日 | 第19回P.3/第20回P.3 |
| 補助事業の実施期限 | 2027年6月30日 | 2028年3月31日 | 第19回P.23/第20回P.7 |
| 採択発表の予定 | 2026年7月ごろ | 2027年3月ごろ | 第19回P.3/第20回P.3 |
第19回は、補助事業の期間に事業場内最低賃金を50円以上引き上げれば足りました。第20回は、補助事業実施期限日(2028年3月31日)を終点とする12か月で、1人あたり給与支給総額を前年同月の12か月より3.0%以上増やす必要があります。
賃金台帳も、直近1か月分から12か月分の提出に変わりました。第19回の要件を前提にした記事や資料は、そのまま第20回に当てはめないよう注意が必要です。
よくある質問
- 個人事業主でも申請できますか?
- 個人事業主(商工業者であること)は、補助対象になりうる者に含まれます(P.4)。ただし、常時使用する従業員が商業・サービス業で5人以下、製造業その他で20人以下であるなど、小規模事業者の条件を満たす必要があります(P.4)。申請時点で開業していない創業予定者は対象外です(P.5)。
- いつから発注・契約してよいですか?
- 交付決定通知書に書かれた交付決定日からです(P.24)。採択通知書だけでは補助事業を始められません(P.24)。展示会への出展の申込みだけは、交付決定前でも対象になります(P.19)。
- パソコンやタブレットは補助対象ですか?
- 機械装置等費では、パソコン・事務用プリンターなどは対象外です(P.13)。自動車・フォークリフト・キッチンカーも対象外です(P.19)。個別の判断は、地域の商工会・商工会議所に確認します。
- 賃金引上げ特例は第19回から何が変わりましたか?
- 第19回は事業場内最低賃金を50円以上引き上げる条件でした(第19回P.9)。第20回は従業員1人あたり給与支給総額を3.0%以上増やす条件です(P.9)。賃金台帳も直近1か月分から12か月分に変わりました(P.10)。
まとめ
- 第20回の受付は2026年11月5日から12月15日17時まで。事業支援計画書の依頼は12月4日まで。
- 補助上限は50万円、特例を合わせると最大250万円。補助率は3分の2。
- 交付決定の前に発注・契約・支払いをした経費は対象外。採択通知だけでは始められない。
- 賃金引上げ特例は、第19回の最低賃金50円引き上げから、給与総額3.0%増に変わった。
補助金を受け取ったあとの税金は個人事業主の補助金・助成金の税金で、経費にできる範囲の考え方は個人事業主の経費はどこまで?で整理しています。
公式一次情報
- 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)の公募要領を公開しました」(2026年5月27日公開)
- 公募要領 第20回公募(第8版・2026年7月21日)(商工会議所地区の補助金事務局が公開。このページの根拠のページ番号はこの版)
- 公募要領 第19回公募(第6版・2026年3月6日)(変更点の比較に使った版)
- 商工会議所地区 補助金事務局/商工会地区 補助金事務局(事業所がどちらの地区かで問合せ先が分かれます)