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お買物券・割引券を配る店側の消費税|交付時の扱いと、使われたときの売上の金額

購入金額に応じて自店のお買物券を渡す場合の消費税を、国税庁の質疑応答事例で整理します。

国税庁の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

買い物の金額に応じて、次回に使える自店だけのお買物券や割引券を渡す店は多くあります。渡すときと、お客さんが使うときで、消費税の扱いが変わります。

この記事では、店が自分で作ったお買物券を渡す場合の消費税を、国税庁の質疑応答事例にそって説明します。他社のポイントを使って仕入れる側の話は、別の記事に分けています。

お買物券を渡したとき

自店で作ったお買物券を、買い物の金額に応じて渡す行為は、無償の取引です。消費税の「資産の譲渡等」に当たらず、課税の対象になりません。

国税庁の質疑応答事例は、百貨店や家電量販店などが、顧客の購買データをポイント化して、自店だけで使えるお買物券を交付する場面を取り上げています。回答は、事業者がお買物券を自分で作り、顧客の購買金額に応じて交付する行為は、無償の取引であり、資産の譲渡等に該当しないとしています。

つまり、お買物券を渡した時点では、消費税の課税売上げにも課税仕入れにもなりません。

お買物券が使われたとき

お客さんがお買物券を使い、商品の価格から券面額を引いた金額を支払うときは、実際に受け取る金額(値引き後の金額)が、その商品を売った対価の額になります(国税庁の質疑応答事例)。

  • 課税売上げになる金額:商品の価格から券面額を引いた、実際に受け取った金額。
  • 券面額の部分:売上に含めません。値引きと同じ扱いです。
  • 釣銭:質疑応答事例の前提では、券面額が商品の価格を超えても釣銭は出しません。

消費税法の課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額、つまり対価として受け取る、または受け取るべき金銭などです(消費税法28条1項)。お買物券で引いた分は受け取らないため、課税標準に入りません。

計算例(券面額1,000円を使った場合)

標準税率10%の商品で、税込11,000円の商品を、1,000円のお買物券を使って買ってもらった場合です。

項目金額
商品の価格(税込)11,000円
お買物券の券面額1,000円
実際に受け取る金額(税込)10,000円
課税売上げの税抜き金額(10,000円÷1.1)約9,091円
消費税額(10,000円×10/110)約909円

お買物券を使わなければ、税抜き10,000円・消費税1,000円の売上げです。この計算例は説明用の数字で、端数の処理は事業者の方法に従います。

この記事の範囲と注意点

  • 範囲:国税庁の質疑応答事例が前提にしているのは、自店だけで使うお買物券です。コンビニや通販サイトのポイントなど、他社が発行する券やポイントは別に考えます。
  • 前払いで売る商品券:お金を受け取って売る商品券は、お買物券とは違います。お金を受け取って売る商品券は、物品切手等の扱いになります。
  • 事実関係で変わることがあります:国税庁は、質疑応答事例は照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答で、具体的な取引に当てはめると回答と異なる課税関係になることがあると注記しています。
  • 他の税金:法人税や所得税での経理は、この記事の範囲外です。税理士または税務署に確認してください。

取引が課税・非課税・不課税のどれになるかは消費税の取引区分で整理しています。

次に知りたいこと

公式情報

よくある質問

お買物券を渡したとき、消費税はかかりますか?
かかりません。自店で作ったお買物券を、顧客の購買金額に応じて渡す行為は、無償の取引で資産の譲渡等に当たらないとされています(出典:国税庁 質疑応答事例)。
お買物券を使われたら、売上げはいくらになりますか?
商品の価格から券面額を引いた、実際に受け取った金額(値引き後の金額)が、商品を売った対価の額になります(出典:国税庁 質疑応答事例)。
他社のポイントを使われた場合も同じですか?
この質疑応答事例は、自店で作ったお買物券を前提にしています。他社が発行するポイントや券は事実関係が違うため、別に確認してください。
本記事について。税理士監修前の概説です。個別の事情は税理士または所轄の税務署にご確認ください。