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単元株制度とは|単元株式数の上限・単元未満株の権利・定款変更の手続き

単元株制度は、一定の株数を1単元とし、1単元ごとに1個の議決権を持たせる仕組みです。単元株式数には上限があり、単元に満たない株には議決権がありません。単元株式数の上限、単元未満株主に残る権利、定款の変更手続きを、会社法と会社法施行規則で整理します。

会社法・株式
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

株主が多くなると、少ない株数の株主にも総会の通知や議決権の管理が必要になります。単元株制度は、その事務を減らすために会社法が設けた仕組みです。

単元株式数を定款に定めると、1単元につき1個の議決権になり、単元に満たない株には議決権がなくなります。ただし単元株式数は、1,000株と発行済株式の総数の200分の1のどちらも超えられません。

単元株式数と議決権

会社法188条1項は、株式会社が、一定の数の株式を1単元とし、株主が株主総会で1個の議決権を行使できる単位とする旨を定款で定めることができるとしています。この一定の数が単元株式数です。

種類株式発行会社では、単元株式数を株式の種類ごとに定める必要があります(同条3項)。

単元株式数に満たない株式を持つ株主を単元未満株主といいます。会社法189条1項により、単元未満株主は、その単元未満株式について、株主総会で議決権を行使できません。

単元株式数の上限

単元株式数は、法務省令で定める数を超えられません(会社法188条2項)。会社法施行規則34条は、その数を「千及び発行済株式の総数の二百分の一に当たる数」としています。

発行済株式の総数200分の1単元株式数の上限の目安
10万株500株500株(200分の1のほうが小さい)
100万株5,000株1,000株(1,000のほうが小さい)

表は、1,000株と200分の1のどちらも超えられないという条文の読み方を、数字に当てはめた例です。発行済株式の総数が少ない会社ほど、200分の1が上限になります。

単元未満株主に残る権利と、定款で制限できる権利

議決権がなくなっても、単元未満株主は株主です。会社法189条2項は、定款で制限できる権利を、次の権利以外と定めています。つまり、次の権利は定款でも制限できません。

  • 全部取得条項付種類株式などの取得対価の交付を受ける権利(171条1項1号)
  • 取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利
  • 株式無償割当てを受ける権利
  • 単元未満株式の買取りを請求する権利(192条1項)
  • 残余財産の分配を受ける権利
  • そのほか法務省令で定める権利

これ以外の権利は、定款で「行使できない」と定めれば制限できます。定款に定めがなければ、議決権以外の権利は、単元未満株主にも残ります。

少数株主の権利が持株割合で決まる点は、少数株主の権利を持株割合で整理で確認できます。

買取請求と売渡請求

単元未満株主は、会社に対して、持っている単元未満株式を買い取るよう請求できます(会社法192条1項)。請求では、株式の数を明らかにします。請求した株主は、会社の承諾を得た場合に限り、撤回できます(同条3項)。

会社は、定款で定めれば、単元未満株主が、持っている単元未満株式と合わせて1単元になる数の株式を売り渡すよう請求することを認められます(会社法194条1項)。売渡請求を受けた会社は、その数の株式を持っていない場合を除き、自己株式を売り渡さなければなりません(同条3項)。

会社が買い取った株式は自己株式になります。自己株式の取得の課税関係は自己株式の取得とみなし配当で整理しています。

定款変更の手続きと登記

単元株式数を定めたり、変更したりするには、定款の変更が必要です。手続きは、変更の内容によって次のように分かれます(会社法195条・191条・190条)。

変更の内容手続き
単元株式数を新たに定める・増やす(原則)株主総会の決議による定款変更。取締役は、総会で定める理由を説明する(190条)
株式の分割と同時に行い、各株主の単元数が減らないもの株主総会の決議は不要(191条)
単元株式数を減らす、または定めを廃止する取締役の決定(取締役会設置会社は取締役会の決議)で足りる(195条1項)

191条の特則は、株式の分割と同時にすることと、変更後の各株主の持つ単元の数が、変更前の持株数(単元株式数を定めていればその単元の数)を下回らないことが条件です。株式の分割自体は株式分割の手続きと登記で扱っています。

195条で単元株式数を減らす、または定めを廃止したときは、効力が生じた日以後遅滞なく、株主に通知します。この通知は公告で代えられます(同条2項・3項)。

単元株式数についての定款の定めは、登記事項です(会社法911条3項8号)。定めたり変更したりしたときは、会社法915条1項により、変更が生じたときから2週間以内に本店の所在地で変更の登記をします。

株券を発行する定款の定めがある会社では、単元未満株式に株券を発行しない旨も、定款で定められます(会社法189条3項)。株券の仕組みは株券発行会社とはで確認できます。

まとめ

  • 単元株式数を定款に定めると、1単元に1個の議決権になる。
  • 上限は1,000株と発行済株式の総数の200分の1のどちらも超えられない。
  • 単元未満株主は議決権がないが、買取請求などの一部の権利は定款でも制限できない。
  • 単元株式数を新たに定める・増やすには原則として株主総会の決議が要り、減らす・廃止するときは取締役の決定で足りる。
  • 単元株式数は登記事項で、変更後2週間以内に登記する。

非公開会社の株の譲渡の流れは、株式譲渡の承認手続きで確認できます。

公式一次情報

よくある質問

単元株式数は何株まで定められますか?
1,000株と発行済株式の総数の200分の1のどちらも超えられません(会社法188条2項、会社法施行規則34条)。
単元未満株主は議決権を行使できますか?
できません。単元未満株式については、株主総会と種類株主総会で議決権を行使できません(会社法189条1項)。
単元未満株は会社に買い取ってもらえますか?
単元未満株主は、会社に対して買取りを請求できます(会社法192条1項)。この権利は定款でも制限できません(同法189条2項)。
単元株式数を減らすには株主総会の決議が必要ですか?
必要ありません。取締役の決定(取締役会設置会社は取締役会の決議)で定款を変更できます(会社法195条1項)。
単元株式数を定めたら登記は必要ですか?
必要です。単元株式数は登記事項で、変更が生じたときから2週間以内に変更の登記をします(会社法911条3項8号、915条1項)。
本記事について。専門家監修前の概説です。2026年11月3日時点の条文にもとづく一般的な案内で、個別の法務の判断に代わるものではありません。